昨年、韓国から帰って来た本田仁美が快進撃を続けている。選抜ではフロントに立ち、バラエティ番組にもたびたび出演している。
そんな中、5月18日に発売する59作目のシングル『元カレです』で初センターに抜擢された。その胸の内には、選ばれし者の恍惚と不安が入り混じっていた。

【写真】9年目にして初めてセンターを奪取した本田仁美の撮り下ろしカット

──初センター、おめでとうございます。知った瞬間は?

本田 テレビ東京の番組収録用のZOOMで知りました。めちゃくちゃうれしかったのにリアクションが薄かったなって反省しています(笑)。センターになれなくて悔しがっているメンバーもいるんじゃないかと想像してしまって、どうリアクションすればいいか悩みました。

──センターに立ちたいという思いはありましたか?

本田 はい。8年前、チーム8のメンバーとして入ったときは、選抜なんて雲の上の存在だったし、センターなんて想像もつかない場所でした。でも、エイトのメンバーが次々と選抜入りしていく姿を見て、選抜を夢で終わらせたくないと思うようになりました。選抜に入って、センターに立ちたいという思いが芽生えました。

──前作『根も葉もRumor』では、センターの隣の立ち位置でした。

本田 韓国から帰国して初めてのシングルで選抜入りできて、しかも前列のポジションだったことはとてもうれしかったです。
でも、パフォーマンスをしていると、自分もセンターで踊ってみたいという気持ちが強くなりました。

──MV撮影で自分が真ん中に立って、どう思いましたか?

本田 自分が中心に立っていることもそうですけど、みんなを操るような振り付けがあるので、自分が引っ張っている感があるように見えるなと思って、気が引き締まりました。

──レッスンでは何を感じました?

本田 (メンバーのダンスをチェックする)〝本田警察〟と呼ばれるようになり、メンバーのダンスもよく見ながら練習をしています。ですが、そのためには自分がしっかり踊れていないといけません。みんなにアドバイスをする自信が持てなくて、練習では反省ばかりでした。

──歌番組での初披露、ファンの前での初披露はいかがでしたか?

本田 歌番組ではカメラがずっと自分に向いている気がしました。コンサートでの初披露は、お客さんが前のめりになって見入っていて、センターは今まで以上に気が抜けない場所なんだなと思いました。

──髪色も目立ちますしね。

本田 歌番組での初披露に合わせて紫にしました! 時間が経ったので、色落ちした今はシルバーになっています。『根も葉もRumor』のときは金髪でしたけど、髪色を鮮やかにすると、似合う洋服が限られてくるので困っています(笑)。

──グループアイドルは、ぱっと見で見分けがつきやすい方がいいと思います。

本田 私も見分けのつきやすさを意識しています。
AKB48の金髪の子」とか、そういう覚え方をしていただきたいですし、髪色を変えたいけど、変えられない方もたくさんいらっしゃると思うので、そんな方の希望でありたいと思っています。

──同世代のファンは増えました?

本田 めちゃくちゃ増えました! オンラインお話し会では髪色や体型維持についてよく聞かれます。

──親御さんにはセンター就任を報告しましたか?

本田 凄く喜んでくれました。いつも私のことを全力で応援してくれているので、今までの感謝の気持ちをセンターに立つことで恩返しできたかなって思います。

──メンバーも喜んだのでは?

本田 特に岡部麟ちゃんが喜んでくれました! 「ウチらは大変な時期もあったけど、こんな未来が待っていたなんて想像してなかったよね」ってLINEを送ってくれました。チーム8は何度も合宿をやってきたし、選抜に入ることが夢だった時代もあります。そんな時代をともに過ごしてきたから、「私もひぃちゃんも選抜として活動できていて、ひぃちゃんがセンターっていうことが凄くうれしい!」って。

──チーム8は8周年を迎えました。

本田 ここまで続けるとはまったく思っていませんでした。5周年の時点で、「5年もいるなんて思ってなかったなぁ」と感じていたので。

──卒業しようと思ったことは?

本田 ありました。エイトのメンバーが次々と選抜に入っていき、ゆいちゃん(小栗有以)が『Teachet Teacher』でセンターになった時期です。
ずっと隣にいた仲間たちがどんどん先を走っている。自分はどう頑張れば追いつけるのかが分からない……と、他人と比べてしまっていました。自分に何が足りないのかすら分からなくて、あの頃はずっと悩んでいて、そんなときに韓国でオーディションを受けるお話があったんです。韓国ではすべて自分でどうにかしないといけません。言葉も生活も人間関係も。韓国での経験は私を人間として大きくしてくれました。それまでは実家暮らしだからすべて親任せだったけど、自立した人に変わることができました。

──ダンス推しの曲が連続したことはどう思っていますか?

本田 前作はロックダンスで、私も経験のないジャンルだったので、最初は苦戦しました。挑戦という意味では成長できたのですが、実力を発揮しきれなかった気がしていました。でも、今回のダンスは私の得意とする踊り方なので、自分を出せるチャンスだと思っています。

──メンバーは異口同音に「今のAKB48を知ってほしい」と言います。本田さんはどう思いますか?

本田 それは思います。
先輩方が作ってきたベースを大切にしながら、レベルアップしていくのが理想です。完全にリニューアルするのは違うかな。シングル毎に前作を超えていきたいとは思っています。

──レギュラー番組も4月からスタートして、調子が上向きです。

本田 地上波で2本の番組があるのはありがたいことです。去年、『NHK紅白歌合戦』や『日本レコード大賞』で悔しい思いをしたから、今年は夢を叶えたいと思いますし、自分がセンターの曲で出場できたらなおさらいいですよね! 今はそんな未来を見据えています。

──4月3日に行われたAKB48のコンサートではクロちゃんと〝お尻合い〟になれませんでしたね(クロちゃんのお尻が顔に近づいてくるゲーム)。ボタンを押すのが早すぎて。

本田 あれが令和スタイルです! クロちゃんとは普通の知り合いでいいかな(笑)。

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