この4月にデビュー15周年を迎えたAKB48柏木由紀。グループの中心メンバーとしての活動はもとより、近年はWACKとのコラボをするなど、活躍の軸を増やしている。
“外”の空気を吸った16年目のベテランの目に、今のAKB48はどう映っているのだろうか?

【写真】活動15周年・活躍の軸を増やしているAKB48の柏木由紀

──5月18日に発売する新曲『元カレです』の印象は?

柏木 今回もダンス曲です! MV撮影まで3週間、初披露まで2~3週間やりました。

──前作の『根も葉もRumor』では、振り付けに厳しい本田仁美さんによる〝本田警察〟に柏木さんは何度も逮捕されたそうですけど。

柏木 めっちゃ逮捕されました(笑)。前回は、みんながレッスンを積んでいるときに入院していて、病み上がりでみんなに合流したんです。でも、今回は最初のレッスンから参加しているから言い逃れができなくて(笑)。みんな振りを揃えたい気持ちが強すぎて、先生が困っていました。「ここは手をどうするのが正解なんですか?」って質問して、「いや、どっちでもいいんだけど……」みたいな。

──そういう変化を3期生としてどう受け止めていますか?

柏木 いいことだと思います。これまでもダンス曲はあったけど、ダンスのグループというイメージはありませんでした。それこそ『根も葉もRumor』からですけど、まったく別のグループにいるような気もしていて(笑)。でも、グループとして1つの目標があるっていいことですよね。みんなの目的地が見つかったような感覚があって。
この数年は頑張りたいけど、何をどう頑張ればいいか分からない状態が続いていたけど、前作で手応えを掴んだことが大きいです。

──選抜での役割は?

柏木 私は迷惑をかけないようにやっていきます(笑)。ダンスは自信がある分野じゃないから、ああだこうだ言えないんです。みんながスタッフさんに言いにくいことを私が代表して伝える……という役割をしています。

──そんなにダンスが苦手というイメージもないですけどね。

柏木 いや! 『UZA』のときなんて、私だけ先にレッスンを始めましたから。それくらい苦手なんです。

──立ち位置は気にしますか?

柏木 めっちゃ気にします! 今回は2列目の端ですけど、まあ、そうだよなという位置に置かれました。以前、「3列目になったら卒業を考える」と発言したことがあるから、スタッフさんも気を遣ってくれているんですかね(笑)。でも、若いメンバーが前に行くのもキャプテンになるのもいいことですから。そうじゃないとグループは続いていかないので。

──そのへんは安心している?

柏木 はい。
レッスンもコンサートのリハーサルもみーおん(向井地美音)や、なぁちゃん(岡田奈々)、ひぃちゃん(本田仁美)たちが中心です。数年前とは違う形になってきています。

──4月3日に「AKB48 LIVE SHOW~AKBINGO! THE FINAL サヨナラ毛利さん~」が開催されましたが、感想は?

柏木 パフォーマンスに関しては言うことないです。みんなよく練習するし、振りを覚えてくるし、真面目なので。ただ、『サヨナラ毛利さん』という番組が始まるタイミングだから、その面の経験値はまだないですよね。番組収録時の前、少しだけ不安があったので、楽屋でみんなに「元気にやろうね」とだけ伝えました。でも、いざ企画が始まったら、予想以上に積極的で。心配する必要はなかったですね。

──注目したメンバーは?

柏木 大盛真歩ちゃんは貪欲で、バラエティに向いていると思いました。クロちゃんのお尻が近づいてくる企画で、ゼロ距離になったんです! まほぴょん(大盛)はそういうキャラじゃないから、どうなるんだろうと思っていたら、凄く頑張ってくれて。その企画が終わってすぐ私のところへやって来て、「何が正解だったと思いますか?」って聞いてきたんです。「あの場での正解はあれだったと思うよ」って答えたんですけど、まほぴょんに助けられた企画だったと思います。


──柏木さんはWACKの新グループ「SPY」のプロデュースを始めましたが、違う空気を吸うことで、AKB48と比較できたと思います。

柏木 学ぶことはめちゃくちゃ多かったです。曲に関しては、あちらはほぼすべてがソロパートなんです。それぞれに歌割があります。それだけじゃなく、振り付けをメンバーが考えています。「うわ、全然違う!」と驚きました。そもそもダンスの先生がいなくて、立ち位置も振り付けもダンスが得意なメンバーが決めています。歌もダンスもAKB48では考えられませんよね。「サビを1人で歌えるの?」ってうれしかったです(笑)。でも、AKB48とは別物だと思いました。AKB48の経験はWACKに活かせたけど、WACKの経験はAKB48には活かせるかな。

──メンバーの性格を比べると?

柏木 WACKにはいろんなタイプのメンバーがいました。
AKB48の若手に近い雰囲気の子もいたし、BiSHみたいに自分をしっかり持っているタイプもいました。感じたのは、自分がこのグループを担っているんだという気持ちが強いのかなって。少人数だとそうなりますよね。

──違う空気を吸ったことで、AKB48が生き抜くヒントを見つけたりしたのかなと思ったんですよね。

柏木 今のAKB48は曲の力で見てもらえるようになってきたので、次は個人の力を見せる番かなとは思います。「AKB48の誰が好き?」って学校で話すような状況が理想なので。メンバーを把握してもらわないと、そこまではたどり着かないですよね。そのきっかけになるのは、「AKB48っていいよね」と思ってもらえることです。

──その前提がないと個人への認知はされないと思います。WACKがいい例で、ツイッターのフォロワー数が40万~50万人いるメンバーを抱えているのは、グループがいいと思われているからこそですよね。

柏木 たしかに。AKB48の場合は〝もう一度〟そういう状況になるか、ということですよね。
その壁を破れるかどうか。

──まさにそこが問われていますが、信じていますよ。

柏木 そんな状況を見届けられたら最高ですよね! もう一回東京ドームにもし立てたら……こんなにうれしいことはないですから。地上波のレギュラーが始まったのもうれしいニュースだし、そうやって地道に積み重ねていって、一気に状況がひっくり返る瞬間に立ち会いたいな。

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