【前編はこちら】元乃木坂46 井上小百合が小学校の新米教師に「子どもたちに元気をたくさんもらいました」
【写真】小学校の新米教師役を演じた井上小百合、撮り下ろしカット【8点】
──本作は、埼玉県入間市が全面協力で撮影。宮岡太郎監督も埼玉県入間市生まれですし、井上さんも埼玉県本庄市出身。ほかにも、埼玉県に縁のある方が多く揃っていますね。
井上 自分の地元、埼玉県で撮影が出来るのがすごく嬉しかったです。埼玉の魅力を知ってもらえる機会でもあるし、地元の方がどんな気持ちで観てくれるのかなというのも楽しみです。
──今回新たに知った埼玉の魅力、何かありましたか。
井上 映画のなかにも出てくる狭山茶!実際に撮影中、お弁当の時間に飲んでいたんですけど、すごく美味しかったんです。お茶でいうと静岡県が有名ですけど、埼玉も負けてないぞ!と、もっと知ってほしいなと思いました。茶畑のシーンも、すごく綺麗なんですよ。埼玉出身というと「都会だね」と言われることが多いんですけど、自然もたくさんあるので、この作品を通してそういった部分も知ってもらいたいです。
──主人公の陽太を演じた阿久津慶人くんと、その兄・匠を演じた長妻怜央(7ORDER)さんの印象についてもお聞かせください。
井上 阿久津くんは、しっかりしてる子というのが最初の印象でした。セリフも全部覚えてきていたし、台本をチラッと見たら細かく付箋が貼ってあって。でも、だんだんと撮影が進むにつれて子どもっぽさも見せてくれるようになってきて。「これあげる!」と言われて「ありがとう」と受け取ったら「ゴミだよ!」とか(笑)。小学生らしいかわいらしさもある子で、愛おしくて仕方なかったです。
長妻さんとは一緒のシーンが少なかったんですけど、子どもたちと一緒になって遊んでコミュニケーションを取っていた姿が印象的でした。子どもたちと一緒に撮影を楽しもうという気持ちが伝わってきて、長妻さん自身が無垢で純粋な方なんだなと感じました。
──本作で子どもたちは夏休みの自由研究として映画製作に挑むことになりますが、井上さん自身の自由研究の思い出を教えてください。
井上 言葉が悪いかもしれないんですけど、私、小さいころは本当に“クソガキ”だったんです(笑)。やんちゃで、外遊びが大好きだったから「川魚を捕まえる研究」をやったりしたんですけど、それ川に遊びに行きたいだけだよね?とか。あとは、自動販売機のボタンを両手で同時に押したら、どっちのジュースが出てくるか、ってこれもジュースが飲みたいだけなんですけど(笑)。
でも、いろんなものを燃やすという研究は賞をもらったんですよ。最初はただの好奇心だったんですけど、燃やすものによって炎の色が変わるのが分かって、「これは科学的だ!」と思ってちゃんとやったら、理科の先生にすごく褒められました。
あんまり勉強が好きじゃなかったんですけど、好奇心からの遊びを通して学べることっていっぱいあるんだなって。それは、今の自分にも通じているところがありますね。芝居を見るのが好きとか、人に会うのが好きとか。今もそういった好奇心で動いていることが多いので、子どものころの面白かった、楽しかったという感覚が今、仕事をする感覚に似ているのかなと思います。
──子どもたちが撮っていた映画はホラー系でしたが、井上さんが映画を撮るならどんなジャンルでしょうか。
井上 動物が好きだから、動物系の映画を撮りたいです。動物が出てくる映画やドラマを観ると涙が止まらなくなっちゃうんですよね。それに、実は私ホラーがあまり得意じゃないんです。だから、撮るならほのぼのした感じがいいなって。でも、今回子どもたちの映画のなかでゾンビ役をやったのはすごく楽しかったです。
──本作の撮影を通して得た学びや次の作品に活かしたい、と思ったことを教えてください。
井上 映画のなかで土方先生が「なんでそんなに難しいことに挑戦しようとするの?簡単なことならたくさんあるのに」って子どもたちの前で言ってしまうシーンがあるんですけど、自分のなかにある「好き」とか「これがやりたい」という気持ちって、大人になるとどうしても現実的に考えて諦めてしまうところってあると思うんです。
でも、子どもたちのまっすぐな姿勢を、映画のなかだけじゃなく一緒に過ごすなかでも見ることが出来て、自分の好きなものに対して、まっすぐに取り組むってすごく素敵なことだなと感じました。これは無理かな、難しいかなと思うことも、まずは挑戦してみることが大事なんだということを改めて学びました。
──今、井上さんが挑戦したい好きなことは?
井上 お芝居です。でも、好きと得意は違うじゃないですか。得手不得手があるから、役者が自分にあった仕事なのか、というのは今もまだ分からないし、自分はちゃんと前に進めているのかなと考えてしまうこともあるんですけど、やっぱり自分の好きなものに対しては、まっすぐにぶつかっていきたいなと思っています。
──最後に改めて本作の見どころを含めて、メッセージをお願いします。
井上 何か夢を持っている人はもちろん、その夢を諦めてしまった人も元気をもらえる作品です。とにかく子供たちがかわいくて癒されますし、それだけで温かい気持ちをもらえると思います。この映画の主人公、陽太くんもそうですが、私もファンの方や周りの人の応援がなかったら成しえなかったことが、今までたくさんありました。
取材・文/吉田光枝
▽映画『ラストサマーウォーズ』
URL:https://lastsummerwars.com/
監督・企画・編集:宮岡太郎
脚本:奥山雄太
出演:阿久津慶人、飯尾夢奏、羽鳥心彩、松浦理仁、小山春朋、上田帆乃佳、井上小百合、長妻怜央(7ORDER) / デビット伊東、櫻井淳子
6月24日(金)よりユナイテッド・シネマ入間にて先行公開
7月1日(金)より新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開