ドラマ『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京ほか)で生意気なキャバクラ嬢役を演じ、その演技力に注目が集まっている田島芽瑠。2022年4月3日をもって、約10年間所属していたHKT48を卒業し、福岡から上京。
ずっと夢だった女優への道を歩み始めた。初めての連続ドラマ出演、初めての一人暮らし…心機一転新たな生活を送る田島に、今の気持ちを聞いた(前後編の後編)。

【写真】『吉祥寺ルーザーズ』キャバ嬢役で話題・元HKT48田島芽瑠

【前編はこちら】『吉祥寺ルーザーズ』で話題 元HKT48田島芽瑠「オンエアは田中みな実さんの家でさしこちゃんと」

──東京での一人暮らしはいかがですか?

田島 楽しいです。今の時期が一番楽しいかもしれないですね。今は狭い部屋に住んでいるけど、これから部屋をどんどん大きくしていきたいです。それはさしこちゃんをそばで見てきたから、よく分かるんです。夢がある世界だなって思います。

──上京志向はありましたか?

田島 福岡も実家も好きなので、絶対に上京してやると思っていたわけではなくて。お芝居がしたい=上京しなきゃ、という感じです。できれば実家暮らしがいいですよね。お母さんのありがたみを毎日感じながら暮らしています。最近、おみそ汁を飲んでいないなとか。
毎日ロケ弁が多く、自炊はしていません。

──東京と福岡の違いを感じたことはありますか?

田島 東京って始発が動き出すのが早くないですか? 路線によっては4時台からありますよね。それと、バス! 降りる時にピッてやらないんですね! 「うわ、一律料金なんだ」と思って。そんなこと誰も教えてくれないから、初めは戸惑いました。あと、人の多さ。渋谷が人でいっぱいなのは分かりますけど、井の頭公園の池のボートに乗るのまで渋滞してるんだってビックリしました。

──HKT48からの卒業は2018年から考えていたんですね。

田島 はい。「辞めたい」というより「お芝居がしたい」という気持ちになりました。スタッフさんに卒業の相談をするようになって、さしこちゃんの卒業を見送って(2019年)、それ以降も卒業の相談を続けてきました。アイドルとお芝居の両立って難しいじゃないですか。アイドルって握手会やコンサートがあって、先々の予定が決まっていますから。
20歳になったこともあり、そろそろ……と考えていました。

そんなことを考えていた去年の秋、秋元先生にLINEを送ったんです。先生が企画・原作・脚本を手掛けたドラマ『漂着者』の感想を送って。「元気か?」と返信があったので、「今だ!」と思って、卒業の相談をさせていただきました。それから卒業に向けて一気に動き出しました。

私、デビューした時に「第二の松井珠理奈さん」みたいに大きく取り上げていただいて、センターにさせていただいて、大忙しだったんです。そして、今回も急ピッチで事が進んでいきました。私が何かをスタートさせる時って、いつもこうなんです(笑)。もちろんありがたいお話ではあるんですけどね。

今回は大学を卒業したような感覚です。HKT48から卒業証書をもらって、就職する、みたいな。同級生が福岡から東京に私と同じタイミングで新社会人として来ることになったんですけど、その姿と重なりました。


──アイドルの活動が現在に活かされていることはありますか?

田島 すごくあります。私のアイドル人生はジェットコースターのように上がったり下がったりの連続でした。センターも選抜落ちも経験しましたから。どん底にいた時は初めて辞めようかなと思いました。そのまま辞めていたら、HKT48を嫌いになっていたかもしれません。そんな時、秋元先生に相談したら、「人生はマラソンだ。いろんな走り方がある。横を見ても進まないから、前だけ見なさい」とおっしゃっていただきました。そこで、はっとさせられて、下を向いている自分を変えようと思いました。

そこで、映画出演をさせていただくことになって、夢が見つかりました。自分の進むべき道に光が射したようで、そこからはまっすぐ前を向いて走れるようになりました。そういう経験のひとつひとつがすべてつながっていて、今の私があるんです。
HKT48には鍛えられましたね。

──アイドル時代に意識していたことは?

田島 ちゃんとした卒業をしたかったので、ノースキャンダルを貫いたことかな(笑)。バリアをいっぱい張っていましたから。

恋愛に関してもそうでした。だから、「どういう人がタイプ?」と聞かれても答えられないんです。今日も現場でそういう話になって。「理想が高すぎる。そんな人いないよ!」なんて言われました。挙げるとしたら、ギャンブルをしない、経済力がある、ちゃんと仕事をしてる、尊敬できる部分がある、夢がある……こんなところですかね。こんな人、いつか現われるのかな(笑)。
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