美女コスプレイヤー・すみれおじさんが5月22日に行われた中国武術大会で3位に入賞したことが大きな話題となっている。この快挙を機に、喜びに浸る本人を直撃。
「武術を始めたきっかけ」「大会当日の様子」「今後の目標」などのナマ肉声をお届けする。

【写真】中国武術大会で華麗な棍捌きを披露する、すみれおじさん【15点】

「出場したのは『第6回武術太極拳競技会あおぞら杯』という大会だったんですけど、会場(埼玉県坂戸市・聖天宮)に着いたらア然としました。とにかく出場者のレベルが異常に高いんですよ。何十年もやっているようなベテランの方がゴロゴロしていて、その中で初心者の私は完全に場違いな感じ。中国武術の大会って長年やっている人ばかりで、どんな小さな規模であっても超人みたいな動きをするような人がたくさんいるらしいんです」

実際、出場者のなかには元プロのスタントマンもいた。「でも、周りを意識しすぎて緊張したらベストなパフォーマンスができなくなるので、とにかく当日は平常心でいることを心掛けました」

 すみれおじさんが武術に触れたのは2年ほど前にさかのぼる。最初は「AAC STUNTS GYM」でアクションを習い、その数か月後からは棍や刀のほか長拳や南拳などの中国武術の特訓を開始。これまで地道に実力をつけてきた。始めたのはブラジルのアニメフェス「Anime Friends」で世界コスプレ大会の審査員を務めた経験が大きく影響しているそうだ。

「コスプレイヤーって“キャラクターの恰好をしながら写真を撮られる人”というイメージが強いじゃないですか。だけど海外のコスプレ大会ではダンスや歌、アクションなどのパーフォーマンス力も審査対象になるんですよね。その光景を見て、コスプレに対する自分の考えが変わった部分はあります。
その後、特撮で有名な鈴村展弘監督から誘われてアクション舞台を観劇させていただいたんですけど、これがまた本当にカッコよくて……。『じゃあ、やってみようか?』と監督の紹介でAACのジムに通うようになったんです」

 華麗な動きに憧れたのはいいが、道のりは決して平坦ではなかった。なにしろすみれおじさんは「体育の成績は常に1か2」という生粋の運動音痴。当然、激しいスポーツなどは大の苦手で、日常生活でも道でつまづくなどドン臭さを存分に発揮していたという。ジムの講師陣も最初に彼女と接した際からスポーツ経験がまったくないことは一目瞭然だったらしく、懇切丁寧に教えてくれているという。

「大会に出るレベルまで私が続けられているのは、完全に先生方のおかげですね。実際に武術を始めてみると、コスプレのプラスになるだけじゃなく、護身術にもなることも気づいたんですよ。中国武術は相手の攻撃をいなして反撃する動きが多いし、ジムではそれ以外に合気道や空手の動きも教えてもらえる。習っていて本当に楽しいんです」

 第6回武術太極拳競技会あおぞら杯は、対戦競技ではなく「型」を争う大会だった。指定時間範囲内での動きの正確さやキレに加え、「ハーイッ!」という掛け声の大きさ、演舞を終わらせた礼の段階で足元がフラついていないか、口が開いていないかなどの表情面も厳しく審査されるという。すみれおじさんは女子器械の部門に出場。南棍の演武を披露した。


「自分の出番も終わったし帰ろうとしていたら、『3位に入賞したから残って』と声をかけられたんです。最初は喜びよりも驚きの感情のほうが大きかったですね。『へっ? 嘘でしょ?』って。思えば自分の人生で入賞するなんて経験はほぼなかったですし、ましてやそれが運動面となると信じられないわけですよ。どんなに時間をかけて頑張っても、せいぜい普通の人以下のレベルが私の限界だと考えていましたから。努力が認めてもらえることって本当にあるんだと、はじめて知りました」

 しかし、武術の道をここで終わらせる気は毛頭ない。今後は各地の武術太極拳競技会に参加を予定してる。「今度は南拳という種目にも挑戦するので、2種目で成果を出したい」と意気込みを語る。

「これをお仕事に繋げたいという気持ちは当然あります。最近は企業コスプレのイベントでもキャラっぽい動きを求められる機会が増えているので技を披露できるようなお仕事をしてみたいです。そう考えると2.5次元の舞台って究極のコスプレだと思うので、せっかく演技も鈴村監督に教えていただいているのでできれば挑戦してみたい。武術を始めたことで、やってみたいことが増えました」

 これを機に、さらなる飛躍が期待されるすみれおじさん。
美麗なビジュアルに加えて、鮮烈なアクションでも我々を魅了してくれそうだ。

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