AKB48でタレントの松井咲子が、2nd写真集『delusion』(KADOKAWA)を発売した。1st写真集『咲子』が“20代最後の妄想”を収録したのに対し、delusion =妄想と名付けられた本作では、“30代最初の妄想”をテーマに撮影。
「妄想は昔からよくしていた」という松井だが、「大人の妄想ってなんだろう」と思わず悩んでしまうこともあったという。インタビューの後編では、30代になった松井の近況や、AKB48での活動を通して得た教訓、彼女の人生のモットーなどを聞く。(前後編の後編)

【前編はこちら】松井咲子の2nd写真集は“大人の妄想”「幼馴染との恋みたいな設定が一番好き」

【写真】2nd写真集が大好調の松井咲子

──20代の頃と比べて、30代を過ごす実感はいかがですか。

松井 いい意味であまり変わらないです。30代になる前は、どこかで「若いに越したことはない」と感じていたところもあって、少し怖かったんです。「もう30になるんだ」と思っていましたが、実際になってみたら全然ネガティブな感情は湧いてこないです。

──最近はどんなことをして過ごしているんですか。

松井 映画や海外ドラマを見ていることが多いです。Netflixで配信されている『ストレンジャー・シングス 未知の世界』がすごく好きで、この間もシーズン4を一気見しました。

──SNSを拝見していると、映画や海外ドラマの発信も多い印象です。お仕事に繋がったりすることもあるんでしょうか。

松井 私はレビューとかを上げているわけでなく、見た報告を載せているだけなので、本当にただ好きで見ている、という感じなんです。
それでもたまにSNSを見ていただいたことがきっかけで映画のイベントに出させていただいたりするようなこともちらほらはあったりはします。

──ドラマや映画好きの方がファンになってくれることもありそうです。

松井 そうですね。「咲子さんこういう映画が好きなんだ」ということで知ってくださったり、好きになってくれる方も多いです。

──人生を楽しんでいる様子が伝わるSNSですよね。

松井 これでも昔はネガティブ中のネガティブで、本当にどうしようもなかったんです。ですが年を重ねて、今では自分の好きなところを100個言いたいくらい、自己肯定感の塊になりました(笑)。

──それは、なにか変わるようなタイミングがどこかであったんですか。

松井 なにか大きなきっかけがあったわけではないんですが、グループにいた頃は比べられることも多くて「私なんかが」とネガティブにならざるを得なかったように思います。大きなお仕事をいただいても「申し訳ない」と感じてしまって、謙虚とネガティブをはき違えていた時期があったんです。

でも、やっぱり応援してくれている方に、それは申し訳ないなと思って。好きでいてくれる方を否定しているような気持ちに気付いたのが、AKB48を卒業するくらいの頃。
遅かったとは思いますが、そこからはすごく視野が広くなって「自分次第でもっと楽しく生きられるな」と思ったんです。「自分のこんなところが愛しい」と思うようにして明るく生きていたら、周りの人も明るくなるんです。

──その境地に至るのも簡単なことではないですよね。ネガティブに戻ってしまうようなことはないのでしょうか。

松井 なりそうな時もあります。「あの子の方がいっぱいテレビ出てる」という風に“ブラック咲子”が出たりもしますけど(笑)、「でも、私はこうなんだ」と言い聞かせていれば、そこに固執しなくなるんです。

──松井さんの人生のモットーとは?

松井 死ぬ時に「楽しいことしかなかったな、この人生」と思えるように生きることです。もちろん楽しいことばかりじゃないとは思うんですけど、私は嫌なことは全部、寝たら忘れてしまうんです(笑)。ずっとヘラヘラしちゃうので、それで周りの人が楽しくなれているんだったらいいかなと思っています。

──集団の中で生きていくのは、大変でしたか。

松井 メンバー内での嫌なことはもちろんなかったんですが、どうしても比べられることで自信をなくしてしまうということはありました。芸能界に入る前の中学生の頃は「自分が学校で一番可愛い」くらいに思っていたんですよ。
でもAKB48に入ったら、現実は全然違う。可愛い子はいっぱいいるし、ピアノも自分が一番上手いと思っていたけど、音楽の分野でも上手い人がいっぱいいて「自分は全然何もできないんだ」とネガティブになっちゃったんですよね。

でもその一方で「全部完璧じゃなくていいんだ」と思わせてくれたのもAKB48です。みんなそれぞれ得意なところもあれば苦手なところもある。だから私はピアノとかラジオとか、自分の好きなことを通してたくさんの人に知ってもらうことができました。
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