2019年2月25日、アイドル業界で革命が起きた。
結成16年目のアイドルグループ「Negicco」のリーダーNao☆さんが、ロックバンド「空想委員会」メンバーの岡田さんとの婚約を発表した。彼女の31才誕生日を迎える4月10日に、婚姻届を提出する予定だという。
“この度、私NegiccoのNao☆は、私が31歳になる誕生日4/10に入籍することになりました。これからもNegiccoとして活動して行きたいと思っています。こんな私ですが、今後とも応援宜しくお願いします”
Negiccoは、続ける。30代の彼女がそう宣言してくれたことが、ファンにとっても救いだった。ふたりの出会いは、2015年9月に日本武道館で開催された「Perfume FES!! 2015 ~三人祭~ 」。Negiccoが尊敬してやまないPerfume主催のイベントがきっかけということで、Neo☆さん本人も「Perfumeさんが結んでくださった縁を大切に、これから温かく笑顔が絶えない家庭を築いていきたいと思います」とコメントした。
Negiccoの公式HP上で、所属事務所社長、熊倉さんも「Nao☆が、結婚という扉を3人の中で最初に押してくれたのは素晴らしいことだ。(中略)人が羨むような幸せな家庭を築いて欲しいと切に思っています。
今回、彼女の婚約が祝福されたのはさまざまな理由がある。Negiccoを続けると宣言してくれたこと。以前からインタビューを通し、「結婚してもNegiccoを続けたい」と語り、ファンに心の準備をさせてくれていたこと。「彼氏はいません」と宣言していなかったこと。16年間、ファンにとって誠実なアイドルでい続けたこと。若さを売りにするグループにしないよう、楽曲・衣装も含めてスタッフがプロデュースしていったのも素晴らしい。膝丈のスカートで「綺麗なお姉さん」キャラを確立し、アイドル業界の中でも特殊な存在となった。
また、MeguさんはDJ活動、Kaedeさんも本格的なソロコンサートを開催するなど、個々の仕事を掴んでいること。今後Nao☆さんが一時的に活動を休止することになったとしてもグループが存続できるように、ふたりのメンバーもそなえているのだろう。
人気がついてきても上京せず、拠点を新潟におき続けたのも、大きな勝因だ。
アイドルにも、自分の人生がある。これまで、学業優先などライフイベントに関する理由で、何人のアイドルを見送ったことだろうか。とくに2018年は女性アイドルグループが相次いで解散を発表し、ステージを去っていった。近年、アイドルの活動期間が伸びてきたものの、25歳以上でアイドルを続けてくれる子は少数。30代となると、ロールモデルが極めて少ない。ここ最近、元ももいろクローバーの早見あかりさんや、元AKB48の篠田麻里子さんなど、元アイドルの結婚のニュースが続けて飛び込んできた。世間は祝福ムードだが、卒業後の結婚と現役アイドルの結婚ではわけが違う。
Nao☆さんは、2018年11月に公開されたウェブサイト「telling,」でのインタビューにてこう発言していた。
“私たちもまだ結婚していませんが、違うアイドルさんのグループにいたらたぶん、結婚したいっていう時点で、辞めなきゃいけなくなるかもしれません。
この発言のとおり、「アイドルには年齢も関係ないし、芸能活動と結婚生活が並行しても大丈夫」と、ファンから祝福される実例を作ったNegiccoのNao☆さんはスターだ。過去にもSDN48など既婚者メンバーが在籍していたグループはあったものの、Negiccoのように王道路線のアイドルの婚約発表は希。今後、彼女たちがアイドル界にどんなポジティブな影響をあたえるのか、目が離せない。