【前編はこちら】有村昆がスキャンダルを振り返る「40代になっても消えない若い頃モテなかったコンプレックス」
【写真】スキャンダルを振り返る有村昆
「復帰して、最初に『バイキング』に出演したときは、コメンテーターの方々にコテンパンにされましたけど、それも仕方がなかったなと思いますね。意識が変わるキッカケになったのは、小籔千豊さんがAbemaでやってる『Bazooka』という番組に出た時です。いろいろな専門家がクイズを出すという企画ということでオファーが来て、僕は深く考えずに映画の専門家としての仕事だと思って現場に行ったんですよ。そうしたら、僕と並んでる他の専門家が裏社会とかアンダーグランドに詳しい方で、僕の肩書は「セックスにまつわるクイズの出題者」だったんです。
そこでなるほど、こういうことか、と思ったんですね。いままでの僕だったら、番組でセックスの問題を出すことはなかった。
でも、僕はまったく悲観することはなかったんですね。通れる道が増えたと思ったんです。これまでの道の仕事は減ったけど、別の道ができている。いいじゃないですか。嫌いじゃないというのもバレてますし、どちらかといえば適任者。もちろん不倫は良くないことなんですけど、ただ過去を隠してもしょうがない。いいじゃないですか。僕はエロいです、誘惑に勝てなかった人間なんです、で行こうじゃないかと」
「心のパンツ」を脱いだ有村昆。すると、自分ができること、やるべきことが見えてきたという。
「ピンチはチャンスじゃないですけども、僕なんて、みなさんに喜んでもらえれば上等というか、僕のことで笑っていただければ、ありがたいと思うんです。
やっぱり、僕自身が今まで良く見られすぎてたってのがあると思うんですよね。
だからいま言えることは、非常に楽になったということですね。SNSでも男性のコメントが増えました。僕のTik Tokのインサイトデータを分析すると、いま8割が男性です。なので、映画解説でも『エロすぎるキスシーン ベスト5』とかやるんですよ。これは皆さん喜んでくれて、『アリコンさん輝いてますね!』みたいなコメントをいただけるんです。
インスタのダイレクトメールにも『僕も去年離婚しました!』とか『アリコンさんが頑張ってるのをみて勇気をもらってます』とか、男性からすごい熱量が込もった長文が届いたりするんです。返事したいんですけど、僕はあの件もあってDMはストップしてるので、ちょっと直接的にお返しはできていないんですけど」
謹慎時期には避けていたような映画も、観れるようになったという。
「謹慎中に観たのは『リトルミス・サンシャイン』とか、殺人描写や激しい感情が出てこなさそうな穏やかな映画しか手に取れなかった。そんななか、『トゥルーノース』という作品を観たんです。北朝鮮の収容所の話なんですけど、リアルに描写するとあまりにもショッキングなので、CGアニメで表現したという作品なんですけど、やっぱりこういう作品を観ていると、世界にはもっと厳しい状況で生きている方々がいるんだから、僕もへこたれてる場合ではないなとは思いましたよね。
復帰後は『不倫映画について語ってください』という依頼が増えたんですけど、それはもう真剣に観てます。『マディソン郡の橋』、『失楽園』、「危険な情事』も再度観ました。ただ、やっぱり映画なので、実際とはちょっと違うよね、という感覚にはなりますよね。『昼顔』だって、こんなキレイにいかないよ、と思いました(笑)」
結果的に自分をさらけ出し、好きな映画の話をしている有村は、以前よりも活き活きとしているように見える。
「もちろん反省はしてるんですけど、なんかこういう人生もアリなんじゃないか思うようになりましたね。最近は特に原田隆二さんや宮崎健介さんと仲良くさせてもらってるんですけど、先人たちの背中を見てると、失敗を認めること、に尽きるんですよ。なんとか取り返そう、抹消しようと思っても、時間がかかるだけなんです。
有村昆の人生が映画なら、その時その時によって演じる役柄が変わってもいいんじゃないか。戦国武将だって名前が変わる、ビートルズだってマイケル・ジャクソンだって、スキャンダルもあったし、時代によって評価も変わる。まあ、武将やスーパースターと有村昆を比べてどうかというのはありますけど(笑)。みんな表に出てないだけで色々あるんですよ、きっと。 僕の場合、本性が表に出てしまったんですが」
映画パーソナリティとしても、エロも語れる解説者というポジションは意外と異色かもしれない。
本当の自分を出し始めた有村昆は、誰も歩いたことのない道を歩み出している。