見た者に必ずインパクトを残す大開脚グラビアなど驚異の柔軟性を誇り、SNSで“よく曲がるコスプレイヤー”として注目を集める柳丸。今回、そんな彼女のコスプレを始めたきっかけやこだわり、そして開脚グラビアのルーツを聞いた。

(前後編の前編)

【写真】“軟体コスプレイヤー”柳丸の撮りおろしカット【11点】

──まずは自己紹介からお願いできますか。

柳丸 コスプレイヤー兼波紋戦士見習いの柳丸です。

──波紋戦士……その辺は追々聞くとして、コスプレを始めたきっかけをおしえてください。

柳丸 『テニスの王子様』(以下『テニプリ』)が大好きで、オタクの友人に「一緒にコスプレしない?」と声をかけてもらったのがきっかけでした。はじめてのコスプレは青春学園の不二周助のコスプレで友人らと同じ学校のあわせをしました。

──もともと原作が好きだったんですか?

柳丸 はい。マンガとアニメ両方好きで、『テニプリ』をきっかけにオタクになりました。柳丸の名前の由来もテニプリの柳蓮二から拝借しています。負けはいけないな。

──コスプレにハマった理由は?

柳丸 キャラと同じ服を着て、好きな友人と、共通の好きな作品について語り合える空間が楽しかったんです。そういった活動をしていくと、友人の輪が広がっていき、他の新しいジャンルを好きになった時に、また一緒に合わせをする友人が増えて。インターネットに写真を載せると、共感してくれる人も増えていって、どんどん「楽しい」が広がっていきました。


──他にどんなコスプレをしていたんですか?

柳丸 先述の「テニプリ」や『NARUTO -ナルト-』『弱虫ペダル』など、基本的に男の子のコスプレをすることが多かったです。好きな作品が、少年マンガ系が多いですね。あるときスマホアプリの『Fate/Grand Order』にハマって、それを機に女の子のキャラクターもやるようになり、また見てくださる層が広くなりました。

──コミケなどのイベントには参加していたんですか?

柳丸 その時はほとんど参加したことがなかったです。コミケも2、3回ぐらいですね。コスプレ衣装を着るだけでうれしくなっちゃうので、家で自撮りをしたり、仲間内数人で一緒に過ごしたりで満足しがちでした。c101のコミケではじめて自分のサークルでコミケに出るので楽しみです。(取材はコミケ前)

──どういう流れから撮影会に出るようになったんですか?

柳丸 SNSでの発信もコスプレを始めた当初から行っていたんですが、あくまで仲間に見てもらうためでした。それが「Fate/Grand Order」のコスプレをはじめたあたりから見てくださる人が増えて、撮影会などのお声がけもいただくようになりました。面白そうだから社会科見学のような気持で始めました。撮影会に出るようになってからは、自分の姿のままで制服を着たり、チアガールだったり、陸上部だったり、キャラクター以外のコスプレもするようになりました。

──大きな注目を浴びたきっかけは何だったのでしょうか?

柳丸 「注目を浴びた」だなんて恐れ多いんですけれども……多くの方に人体のふしぎ……体の柔らかさを知っていただけたからだと思います。


──確かに柳丸さんと言えば、Y字バランスなど、開脚したポーズがトレードマークになっていますよね。

柳丸 恐れ入ります。開脚した写真を載せる前から、もしかしたら自分は体が柔らかいのかもしれないと疑いながら生きていましたが、まさかこのような状態になるとは思っていませんでした。

──新体操などをやっていた訳ではなく?

柳丸 よくお問い合わせいただくのですが新体操はやったことがないんです。スポーツ経験は学生時代にやっていたバドミントンと『弱虫ペダル』にはまった時のロードバイクくらいです。人体のふしぎに気づくきっかけは『ユーリ!!! on ICE』というスケートを題材にした作品のコスプレでいろいろポーズをとっている時に、なぜか意外とそれっぽくできるなと大はしゃぎしていたのがが最初でした。

その後ジムを会場にした撮影会があって、2~3年くらい前かと思うのですが、ちょうどY字バランスのイラストやコスプレがTwitterで流行っていた時期がありまして、会場がジムだしすこやかだなと思ってやってみたところ一気ににSNSで見てくれる方が増えました。ヮィは、一般社会ではちゃんと「私」って言えるんですけれども、インターネット上では小文字カタカナで「ヮィ」と言ってるので、ヮィとY字バランスをかけて、「ヮィ字バランス」というのを定期的にやり、伝統芸能になりました。「ヮィ字バランス」を続けていくうちにインターネットでいろんな人に見つけていただきました。広い会場とたくさんの人の中ありがとうございます。

──最初から今ぐらい開脚できたんですか?

柳丸 今のほうが調子がいいです。ヮィ字バランスができると気づいてから、得意なことを伸ばしていこうと、風呂上がりなどに積極的にストレッチをするようになりました。


──柳丸さんのヮィ字バランスを見たくて撮影会に来るお客さんも多いのではないでしょうか。

柳丸 おかげさまで観光地みたいな気持ちで、柳丸のヮィ字バランスを見に撮影会に来てくださるお客さんも多いです。そういった柔らかいポーズを期待してくださって来てくれるので、もっといろんなポーズをできるようになりたいなと思っています。

──ポーズの参考にしているものはあるんですか?

柳丸 例えばヮィが好きな作品に『バキ』があるんですけど、「最凶死刑囚編」で範馬勇次郎が、ホテルの中で開脚をして寛いでいるシーンがあるんです。ヮィがよくやっているソファの上での開脚は彼を参考にさせていただきました。さすがに勇次郎のように親指で全体重を支えることはできないので、いずれはできるようになりたいです。

──『バキ』では、どのキャラクターが好きなんですか?

柳丸 「私は一向に構わんッッ!」の烈海王さんです。いろいろあってしわしわになってしまった範馬刃牙が復活する様を見て「範馬刃牙復活ッッ!!」を6回続けて言うシーンが大好きです。烈さんが嬉しくてヮィまで嬉しくなっちゃいます。

──スタイル維持のために、食べ物にも気を遣っていますか?

柳丸 ここは戦場なので食べれるときに食べたいものを食べています。我慢するとストレスになってよくない気がしているので食事制限はしておりません。また、油をさすと関節の動きが良くなるって思い込んでいる節があるので、てんやの天ぷらをよく食べます。
生クリームも大好きです。

最近は肝油ドロップにハマってます。ただ肝油ドロップは1日3粒までしか食べてはいけない約束があるので、毎日待ち遠しくて。最近差し入れで肝油ドロップをいただけるようになって、たくさんあると、たくさん食べちゃいそうになるんです。いつ決まりを破ってしまうか、ヒヤヒヤしながら日々を過ごしています。

──ところで「波紋戦士」という自己紹介は、どういうことなのでしょうか?

柳丸 インタビューをしていただく機会があったら、1回言ってみたかった職業なので言えて嬉しいです。波紋戦士とは『ジョジョの奇妙な冒険』の1部と2部に出てくる、独特な呼吸法によって生まれる生命のエネルギーを「波紋」、その波紋の力を使って戦う人たちのこと「波紋戦士」と言います。波紋戦士は生命のエネルギーにあふれているので、肉体が若く保てると言われています。ヮィは人々に顔を発信していく仕事をしているので、波紋戦士は憧れの職業ですね。

(取材・文/猪口貴裕)

【後編】軟体コスプレイヤー・柳丸のこだわり「『バキ』と『ジョジョ』はポージングの教科書」
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