“クロちゃん(安田大サーカス)の恋人”ということで、いきなり世間から好奇の目に晒されることになった26歳のショートカット美女・リチ。『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の恋愛企画「モンスターラブ」で一度はアイドルグループ「都内某所」の一員になることが決まったものの、「メンバーと運営が男女の仲になるなど言語道断」というクロちゃんのアイドル哲学によって、本格的な活動に入る前に脱退することに。
その後、都内某所、BiSH、豆柴の大群などを運営する芸能事務所・WACKからタレントとしてデビューする流れとなった。

【写真】『水曜日のダウンタウン』で大注目のリチ【9点】

しかし、リチの人となりに関しては依然としてベールに包まれている。「番組では熊本PR大使を名乗っていたが、自治体に問い合わせたところ、そんな肩書は存在しなかった」と一部週刊誌が報じるなど、情報が錯綜しているのである。そこでエンタメNEXTは本人を直撃し、生い立ちから現在に至るまでの全軌跡を“事情聴取”。彼女の半生に迫ることに成功した。この記事を読めば、ますます“令和が生んだバカップル”の行方が気になってくるはずだ。

「昔からテレビっ子だったんですよ。いろんな番組を観ていたけど、中でも子供の頃に夢中だったのが『天才てれびくん』(NHK Eテレ)でした。本当に毎日欠かさずに観ていましたから。当時は子役の“てれび戦士”に憧れていまして。そのとき、司会を務めていたのがクロちゃん。それがクロちゃんに対する原体験です」

その後、父の仕事の関係で、地元・熊本から東京に引っ越すことになった。


「上京したのは高校2年生のときでした。熊本にいたときは、東京に対する憧れがすごく強かったんですよ。なにしろ芸能界に興味を持っていましたから。ところが東京に来てカルチャーショックを受けたのは、みんな驚くほど熊本のことを知らないんです。『熊本? それって四国にあるんだっけ?』みたいな調子で。それで私も必死になって『こんな綺麗な場所があるんだよ』とか地元愛を炸裂させているうちに、それが止まらなくなっちゃった(笑)。熊本のことを発信する専門のTwitterアカウントを作って、誰に頼まれるわけでもなく更新していました」

当時のアカウント名は「熊本ちゃん」というものだった。これは正式に熊本県や熊本市から認められたものではなく、あくまでも自発的なゲリラ的PR活動。当然、この時点では事務所にも所属していない。しかし多数の熊本県人からフォローされるなど、確実に少女はSNSの中で存在感を増していく。そして次に目をつけたのが大学のミスコンだった。

「オーディションも結構な数を受けたんですよ。
アイドル、雑誌モデル、女優……。でも結局、どこも引っかからなかったんですよね。書類審査の段階で落ちることも多かったです。それで芸能事務所がダメなら、大学のミスコンに懸けてみようと考えまして。実は私の母も昔ミスコンに出たことがあるんですよ。そのミスコンがきっかけで熊本のテレビ番組も出ましたし。だから大学のミスコンをテレビに出るための登竜門みたいに考えている部分は若干ありました」

 しかしリチはファイナリストまで進むことができたが、結局、ミスコンで賞を獲得することはできなかった。こうして、OLとしてマーケティング業務に従事することになる。

「でも企業で働きつつも、やっぱりどこかで未練があるんですよ。だから趣味の延長みたいな感じで、エキストラ出演したりしていましたね。それから熊本ちゃんとしての活動も引き続き頑張っていました。そうしたら徐々になんですけど、熊本ちゃんのアカウントに仕事が来るようになったんですよ。
ライター業とか、熊本観光協会のInstagram運用とか。でも会社は副業禁止だったので、『いただくお金は全額会社に入れますので、やらせてください!』って直談判していました」

気づくと、OL生活もすでに4年目に入っていた。この頃になると「熊本を全国にもっと知ってもらいたい」「熊本の番組にも出たい」という気持ちはいよいよ抑えきれなくなっており、一念発起するかたちで会社に辞表を提出する。アルバイトで生計を立てながら、熊本ちゃんに来る企業案件をこなすことにしたのだ。派手ではないが充実した日々を送る中、よく観る番組内での応募要項が目に留まった。それが「モンスターラブ」だったのである。

「『水ダウ』のクロちゃん企画は大好きだったんですけど、密着している映像をよく観ると明らかにうちの近所だったんですよ。使っているスーパーとかも同じでしたし。それで会社からの帰り道とかに、クロちゃんの家の電気がついているのを見て『あ、今日はクロちゃん帰っているんだ』とか確認するようになったんですね。もう毎日クロちゃんのことが気になって仕方なかった。半分ストーカーみたいな状態だったかもしれない(笑)」

それにしても、だ。「なんでクロちゃんなの?」という声は現在も極めて多い。
ゲスなことで知られる人格、大のキャバクラ好きで選り好みばかりする図々しさ……。生理的に無理だという女性が多いのも頷ける話である。

「これは個人的な話になっちゃうんですけど、クロちゃんの見た目って私の兄に似ているんですよ。私はお兄ちゃんが大好きなので、それで親近感が沸くのかもしれません。私は純粋にクロちゃんが好きで番組に応募したけど、他の子はアイドルになりたいから“クロちゃん好き”を演じている人も多かったんですね。そういうのって直接は話さなくてもなんとなく伝わるもので、手を繋いだりチュウしたりしながらもカメラが回っていないところでは泣きそうになったりしているんです。私だけは『もっと触りた~い!』とかウキウキしていたから、ものすごい温度差でした(笑)」

最初はカメラや照明に囲まれた環境に戸惑ったリチだが、シリーズ中盤からは完全にクロちゃんと2人きりの世界に没入した。そして濃厚なキスシーンとともに感動のフィナーレを迎えたあとは、現在に至るまでクロちゃんとラブラブの生活を楽しんでいるという。

「タレント活動を始めたことで、“売名行為”と叩かれるのは仕方ないと思っています。でもクロちゃんとの関係にかかわらず、メディアで大々的に自分の名前が取り上げられたことで、『今がそのタイミングかな』と思って今回の決断をさせていただきました。ゆくゆくは“クロちゃんの彼女”という肩書なしでも独立してお仕事できるようになりたいです」

今はまだリチもスタート地点に立ったばかりだが、その可能性はモンスター級。今後の活躍に期待したい。


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