『オールナイトニッポン』卒業、Creepy Nutsが魅せた人柄とラジオとの相性の良さ

『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』（ニッポン放送）が3月いっぱいで終了する。2018年4月にスタートした『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の時代から、約5年にわたって深夜ラジオを盛り上げてきた番組の幕がとうとう閉じられてしまう。【関連写真】佐久間宣行のオールナイトニッポン大感謝祭に登場したDJ松永「より音楽活動に時間をかけるために決断した」と、卒業の理由を語った彼ら。ラジオを通して魅せた2人の人柄と、ラジオとの相性の良さについて振り返ってみたい。『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』は、R-指定とDJ松永によるHIP-HOPユニット・Creepy Nutsがパーソナリティーをつとめるラジオ番組。単発番組『オールナイトニッポンR』を4回担当した際の活躍が評価され、2018年4月に『オールナイトニッポン0』の火曜パーソナリティに抜擢された。2022年4月からは毎週月曜25時台に移動し『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』の放送がスタートしている。起用について、番組スタッフは「DJ松永のブレーキを踏めない暴走トークと、R-指定の圧倒的なワードセンスと反射神経が相乗効果を生み、過去4回の放送でも大きな反響を得ている。深夜ラジオリスナーから高い支持を得ている2人のキャラクターに、毎週の成長を期待して起用した」と話していた。番組は、2020年に日経トレンディが行った「好きなラジオ番組ランキング」で第2位を獲得、晋遊舎発行のムック本「リスナーが本気で選んだ人気ラジオ番組完全ガイド」内の「ラジオ番組 最強番付」アーティスト・俳優部門でも第2位を獲得している。■五輪閉会式に登場したDJ松永に寄せられた声2021年8月にDJ松永が東京オリンピックの閉会式に登場した際、ラジオパーソナリティー陣からさまざまな声が寄せられ、改めて彼の人柄を感じさせる出来事となった。当時『オールナイトニッポン』のパーソナリティーだった菅田将暉は、『菅田将暉ANN』内で、閉会式に登場したDJ松永について驚きの声を上げつつも「冷静に考えたら、あの人は世界一のDJやから。何にもおかしくない」とコメント。まごうことなき人がDJをやっているだけなのに、なぜおかしいと感じるのかについて菅田は「それは、あの人の持っている“人（にん）”の部分やろうな（笑）」と続け、「かっこいいところも知っているけど」と前置きした上で、所作や言動・ふるまいなどすべてに圧倒的小物感があるとイジった。他、『ファーストサマーウイカANN0』ではファーストサマーウイカが、『佐久間宣行ANN0』ではテレビプロデューサーの佐久間宣行が、『アフター6ジャンクション』（TBSラジオ）ではライムスター・宇多丸が、『水曜JUNK 山里亮太の不毛な議論』（TBSラジオ）では南海キャンディーズ・山里亮太が、それぞれDJ松永について言及。イジりからかみ締めるような祝福までさまざまな声が寄せられた。この出来事から、DJ松永の愛される人柄が改めてよく分かるだろう。■不測の事態でR-指定の人間らしさが見えた回2021年11月23日放送回では、DJ松永が体調不良のため休みとなり、R-指定が1人で番組を受け持つ事態が発生した。冒頭では、体調を崩したDJ松永を気遣い、いつも彼のトークに助けられていることをおもしろおかしく話した。リスナーへのサポートも呼びかけ、通常どおりにフリートークやコーナーを進めていく。次々に届くリスナーたちからのメールを紹介しながら、番組の進行について「次何をすべきかリスナーに聞いてみたい」と言い、深夜に電話をかけてもいい人を募ることに。「次はコーナーをやるか？メールを読むか？」だけをリスナーに聞き、応えが得られたら電話をガチャ切りして番組を進行していく。そのうち、「口笛選手権の会場はこちらですか？」とメールを送ってきたリスナーに口笛を披露させたり、他の内容でメールを送ってきたリスナーに電話をかけ、口笛を無茶ぶりしたりする事態に。深夜の時間帯にリスナーとの不思議な一体感が生まれた、思い出深い放送だった。ハプニングも生放送ラジオの醍醐味。R-指定は、放送後のアフタートークで「みんなに助けられて、やりながら胸熱だった」と話した。■ラジオをきっかけに音楽以外の仕事が増えた音楽活動以外の仕事が増えたきっかけとして、2人はラジオの存在を挙げている。業界にはラジオを聴いている人が多く、『オールナイトニッポン0』で2人に興味を持ってくれたケースもあったようだ。ラジオから入ってくる人は熱量が大きく、そういう人たちの気持ちを取り入れられたから仕事が増えたという。ラジオの他には、DJ松永が2019年に行われたDJの世界大会「DMC」で優勝したことも挙げている。大会で優勝し世界一になったおかげで、出たことがなかった番組に呼ばれるようになり、Creepy Nutsにとって追い風になったようだ。R-指定は2022年12月にタレント・江藤菜摘との結婚を、今年3月6日には妻の妊娠を報告した。今月17日には『三四郎ANN0』に2人でゲスト出演（R-指定は遅刻）し、20日の『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』には、菅田将暉が最後のゲストとして出演した。来る28日の放送を最後に、2人は同番組を卒業する。「音楽に費やす時間を増やしたい」という理由で卒業を決断した2人だが、音楽でうまくいかない時や、日常生活でしんどい思いをしてる時に救ってくれてたのがこのラジオだったという。2人とって自分たちの人生を豊かにする方法がラップとDJだからこそ、それをもう一度ゆっくり見直す時間が必要だと考えたようだ。ラジオによって2人の音楽や表現を豊かにしてもらった部分も大きく、若い頃からラジオリスナーだったからこそ、卒業の寂しさも分かるという2人。起用の際にスタッフが期待していた通り、ラジオから仕事が舞い込むまでに成長した。毎週行っていたラジオでの現状報告はできなくなるが、今後はHIP-HOPという音楽を通した彼らの現状報告に期待したい。【あわせて読む】石田ゆり子や吉岡里帆が貴重なプライベートを語る、人気俳優のラジオ番組に熱視線

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