40年間の封印を解いて書かれたこの小説。世代を超え、幅広い層の読者に静かな共感が広がっている。
▽ストーリー
十七歳と十六歳の夏の夕暮れ。川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語りかける。何か大事な、言葉にはできないことを......高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、きみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう。<古い夢>が奥まった書庫でひもとかれ、呼び覚まされるように、封印された「物語」が静かに動き出す。
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