平成最後の夏にデビューし、ビジュアル最強とも呼ばれるアイドル「Lily of the valley」。グループ名でもあるすずらんの花言葉「再び幸せが訪れる」をコンセプトに、全国に幸せを届けるべく活動中だ。
「TOKYO IDOL FESTIVAL 2019」に初出演も決定し、メインステージ争奪戦にも名を連ねている。そんなグループからエースの尾野寺みさをピックアップ。アイドルになったきっかけから子供の頃の話、グループの野望まで語ってもらった。
──Lily of the valley(以下、リリバリ)とはどんなグループですか?

尾野寺 個性があるんやけど、バラバラでもなく、かといってまとまりがあるわけでもない……不思議な5人組です(笑)。最年長が17歳で最年少が12歳と、まだメンバーが全員若いグループなので、成長過程を大事にしているグループかな。

──確かにその年代だと成長期真っただ中ですね。

尾野寺 だから、1年前に着ていた衣装がもう着られなかったりするんですよ(笑)。制作する段階で申告したサイズと、実際着るときのサイズが違ってしまって、急遽調整したりすることもありました。少し大げさかもしれませんが、1カ月経つだけで全然違うグループになっている感じです(笑)。

──その刹那的な成長過程もリリバリの魅力の1つですね。そして先ほどちらっと大阪弁が出ましたが、なんでもメンバーのみなさんは大阪出身・在住なのだとか?

尾野寺 そうですね。ほぼ毎週、大阪と東京を行き来しています。


──それってぶっちゃけしんどくないですか?

尾野寺 もちろん最初はしんどかったです。でも最近は、「何なら近くない?」とさえ思っていますね(笑)。

──すごい(笑)!

尾野寺 まあ、新幹線の中はほぼ寝ているので……。でも起きているときも、学校の勉強をしたり、イベントのセットリストを確認したり、と作業の時間に充てられるので苦じゃないですね。もちろん寝られるのなら家の布団で寝るのが一番なんですけどね(笑)!

──それはそうですね(笑)。とはいえ移動時間をそんなにポジティブに考えられる方もなかなかいない気がします。東京観光に興味はないんですか?

尾野寺 たまにしますよ。たとえば午前中だけ東京でお仕事、ってなったりするとスタッフさんたちに連れて行ってもらったりとか。中にはホテルで寝たいとか、読書していたいってメンバーもいるんですけど、私は外に出ていたいタイプなんです。ただ、行きたい場所が特にあるわけじゃなくて、ほかのメンバーが行く場所についていくことがほとんどです。

──行ってみたい場所はないんですか?

尾野寺 え~! うーん……。あ、サンリオピューロランドに行きたいです!

──確かにそういうテーマパークは1日がかりになりそうですね。


尾野寺 でも平日は学校だし、休日はお仕事だしで、そんな暇あんまりないかもです(笑)。

──1日休める日がほとんどないってことですよね? もう一度聞きますけど、しんどくないですか?

尾野寺 テスト前とかだと大変だなって思いますね。あとは私、学校で生徒会に所属しているんですけど、やることがまあまああるわけですよ(笑)。そっちでテンパっているときに、お仕事でもやらなくちゃいけないことも重なってくると「わーっ」てなっちゃいますね。

──それは……そうでしょうね(笑)。普通の学生でも生徒会に所属するとなると忙しそうにしているイメージです。

尾野寺 アハハ(笑)。どれか辞めてしまおうかな、と思ったことももちろんありますけど、ここまで来たらもうやるしかない精神です。

──ポジティブですね! テーマパークと言えば、大阪にはユニバーサルスタジオジャパンがありますけど、そちらに行くことは?

尾野寺 ユニバにはよく行きますよ! やっぱり大阪の子でユニバの年パス持ってないってなると、「何で?」ってなります(笑)。

ビジュアル最強美少女グループのエース尾野寺みさ「学校では生徒会に所属、忙しくてテンパることも」

ユニバに遊びに行ったときの写真。

──先ほど「外に出ていたいタイプ」とのお話もありましたが、ゲームとかはあまりされないんですか?

尾野寺 全然興味がないですね。小学6年生の頃に、周りがみんな3DSを持っていたんですけど、私は欲しいとも思わなくて。
でも、3つ下の弟が欲しいって言いだしたときについでに買ってもらいました(笑)。対戦などの勝負する系のゲームは苦手なので、ゆる~い『どうぶつの森』とか『トモダチコレクション』をやっています。

──確かにゆるいですね(笑)。尾野寺さんは小さい頃、どんな子でしたか?

尾野寺 全然人見知りしない子でした。初めての場所でもすぐになじめてしまうので、環境適応能力は高い方だと思いますね。ただ、緊張しないかと言われるとそうじゃないんです。むしろめちゃくちゃ緊張する方。本番前はお腹が痛くなるくらい緊張します(笑)。

──子供の頃の思い出を1つ教えて下さい。

尾野寺 両親が徳島県出身なので、尾野寺家では“阿波踊り”が毎年重要な行事なんです。私ももちろん子供の頃からやっていました。ただ、阿波踊りは毎年お盆の時期に行われるんですけど、私のお誕生日の8月14日と丸かぶりなんですよ! 徳島出身の方の阿波踊りに対する本気度ってものすごくて、夕方から行われる阿波踊りのために昼間はわざわざ仮眠をとるんです。
子供の頃は夜中まで参加することもできないのに仮眠も取らされていたので、お誕生日をお祝いしてもらった記憶がないんです……。

ビジュアル最強美少女グループのエース尾野寺みさ「学校では生徒会に所属、忙しくてテンパることも」

阿波踊りをする幼少期の尾野寺みさ。

──な、なんだか悲しい思い出ですね……。

尾野寺 でも、グループに加入した後、初めてお誕生日サプライズを受けたんです! 阿波踊りはできなくて残念だったけど、あれはうれしかったですね。

──よかった、いいお話! 尾野寺さんはダンスと歌だったらどちらが得意ですか?

尾野寺 5歳ぐらいからクラシックバレエを習っていたので、ダンスは得意です。ただ、歌が壊滅的に下手くそで……。

──壊滅的に(笑)。

尾野寺 いや本当に、自分の歌声を聞きたくないくらい嫌なんです(笑)。今は昔より成長している……と、思いたいですけどね。というのも、リリバリは被せもなしの生歌でライブをしているんです。どんなに下手だったとしても、“成長過程を見せる”という方針なので、常に思い切り実力で勝負しています!

──バレエはどうして始めたんですか?

尾野寺 元フィギュアスケーターの浅田真央ちゃんに憧れていて、本当はフィギュアスケートがやりたかったんですよ。でも『情熱大陸』を観ていたら、真央ちゃんもスタートはバレエからだって知って、習い始めました。


──その後フィギュアスケートに転向することはなかったんですか?

尾野寺 中1くらいで普通のスケートに挑戦する機会もあったんですけど、もう滑る時点で「あ、これ無理だ!」って悟って転向することは諦めました(笑)。でもバレエ自体は楽しかったので続けられましたね。

──どういう部分に楽しさを感じたんでしょうか。

尾野寺 周りの子たちは3歳から習い始めていたりするので、私はちょっとスタートが遅かったんですね。だけど必死に練習していたら、その差がどんどん埋まってその子たちに追いつけたんですよ。そういうのが楽しかったです!

ビジュアル最強美少女グループのエース尾野寺みさ「学校では生徒会に所属、忙しくてテンパることも」

壁に張り付いて柔軟をしていた小学1年生の頃。

──努力家なんですね。他にも何か習い事はしていますか?

尾野寺 小学校の頃から手話教室にも通っています。地域の方がやっている教室なんですけど、初めて行ったときに「言葉ってすごいんだな」って衝撃を受けてから続けていますね。

──また珍しいものを習っていたんですね。結構好奇心が旺盛なタイプですか?

尾野寺 そうですね(笑)。いろいろやりすぎてしまって、ときどき「わーっ!」ってパンクもしちゃうんですけどね。
でも私がメインで歌っているリリバリの曲の振り付けに、手話やバレエっぽい動きを取り入れてもらえたりしているので、やっていてよかったなと思います。

──そもそもの話になるのですが、尾野寺さんがアイドルを始めたきっかけは何だったんですか?

尾野寺 スカウトですね。最初は「ヤバい人に声を掛けられた……」って警戒もしていたんですけど、話しているうちに興味を惹かれてしまいました(笑)。

──親御さんの反対とかはなかったんですか?

尾野寺 結構渋っていましたね(笑)。でも私がやりたいと強く思っていたので、根負けしたのか、いいよって言ってくれました。それからリリバリのオーディションの話をいただいたのが、高1の5月くらいかな。もうそのときには生徒会にも入っていて、学校が人生の中心だったんです。このまま普通に高校を卒業して大学にも行って……って思っていたところだったので、驚きました。今はあのときからは想像できない場所にいますね(笑)。

──活動していて一番楽しいことは何ですか?

尾野寺 メンバーとライブをしているときが一番です。学業の都合もあって、いつもメンバー全員でライブに出られるとは限らなくて。ただそういう日を経ているからこそ、より「この5人でライブをしているのが一番楽しい!」と思うようになったんです。自分が一番生き生きしていられる気がしますね。

──尾野寺さんにとって、4人のメンバーってどんな存在ですか?

尾野寺 何だろう……。家族とか、友達とか、そういうジャンルじゃないんですよ。新しい枠組みの人。どこにも例えられないなって思うんです。1つのグループとして同じ方向を向いて頑張れる仲間、が一番近いのかな。

──メンバー仲はいかがですか?

尾野寺 いいと思います。……うん、いいです。

──(笑)。

尾野寺 いや、比べる対象が分からないんですもん(笑)! でも喧嘩はしますよ。

──それはするんですね。

尾野寺 どちらかというと、めちゃくちゃします。私たちは言いたいことを我慢せずにバンバンぶつけ合うんですよ。でもそれで関係が悪くなることもなくて。メンバーだけでまとまらないときはスタッフさんに間に入ってほしいって助けを求めますし、逆にメンバーだけで決着をつけたいから「今は楽屋に入ってこないで!」って連絡したり(笑)。

──メンバーだけじゃなく、スタッフさんも含めていいチームワークでできているんですね。少し意地悪な質問をしますが、アイドルを辞めたいと思ったことはないんですか?

尾野寺 うーん……、ないと言ったら嘘になりますね。辞めたいというよりも、「今日はちょっと眠いし疲れたし、立ち止まりたい」っていう感じ。でもそういうときに頑張ろうって思えるのは、周りの環境がいいからじゃないですかね。私たちのためにいろんな方が動いてくれているわけで、そのときに私たちがちゃんとしないでどうするんだって思うんですよ。

──なかなか大人な考えですね。これからグループでどうなりたい、というビジョンはありますか?

尾野寺 メンバーそれぞれが、一番輝いている瞬間はリリバリでいる時間だと思えるといいなと思います。あとは、ステージのレベルはもちろんあげたいですけど、グループの空気感としてはこのままでいたい。言いたいことが言えて、個性も出せる今の感じは失くしたくないです。

──これから夏のイベントが目白押しです。特にリリバリはTIFに初出演となりますね。

尾野寺 まだどのステージに出るかは決まっていませんが、真夏の大きなイベントに出させていただくのは本当にうれしいです! そこで普段通りの、自分たちらしく自分たちの最高を見せられたらなと思います。ただ、常に成長し続けるグループなので、TIFの頃には今の最高よりもさらに上へいきます! ……でも夏のステージが初めてなので、暑さと体力が心配ではありますね。体力のために今は走り込みをしています(笑)。

──頑張ってください! 最後に、読者の方に一言お願いします。

尾野寺 「会いに来てください」というのが本音ではありますけど、そんなありきたりな言葉よりも、私たちが“会いたい”と思わせるアイドルになるので、待っていてください!
▽Lily of the valley(りりーおぶざばりー)
ビジュアル最強美少女グループのエース尾野寺みさ「学校では生徒会に所属、忙しくてテンパることも」

2018年、平成最後の夏に誕生した5人組美少女アイドルグループ。すずらんの花言葉「再び幸せが訪れる」をコンセプトに平均年齢13.8歳(結成当時)のメンバーで結成された。アーティスト写真をあえてイラストにしていることでも話題に。東名阪ツアーが、9月22日に大阪@阿倍野ROCKTOWN、9月29日に名古屋@X-HALL-ZEN-、10月20日に東京@TOKYO FM HALLにて開催。

▽尾野寺みさ(おのでら・みさ)
2002年8月14日生まれ、大阪府出身。154センチ。A型。ニックネームは「みさっち」。メンバーカラーは赤。食べ物はいちご大福が好き。タピオカももちろん大好き。好きなバレエの演目は『ドン・キホーテ』キトリのヴァリエーション。
Twitter:@misa_onodera
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