俳優・福地桃子が、PARCO PRODUCE 2023『橋からの眺め』に出演することが決定した。

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20世紀を代表するアメリカの劇作家アーサー・ミラーの社会派ドラマである『橋からの眺め』。
違法移民の従兄弟家族を受け入れたことで一家に巻き起こる悲劇を描き、ピュリツァー賞をはじめ、数々の賞を受賞した作品。近年、ウエストエンドでリバイバル作品として上演され、マーク・ストロング主演、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出で、ローレンス・オリヴィエ賞、トニー賞の各賞を総なめにした。

演出を手掛けるのは、演劇とオペラの演出家として定評があり、コンセプチュアルな演出で評価も高く英国内外で活躍するジョー・ヒル=ギビンズ。かねてより本作の演出を熱望していた彼が、初演出となる日本でどのような作品を誕生させるのか、期待が高まる。

福地桃子が演じるのは、伊藤英明が演じる主演・エディの姪キャサリン役。『橋からの眺め』で舞台初出演となる福地は「(演出家から)頂いたお言葉を受け止めて自由にお芝居が出来たら良いなという思いでおります」と意気込みを明かした。

さらに演出家ジョー・ヒル=ギビンズは福地に対して「複雑な矛盾を抱えたキャサリンを表現できると信じています。本作で彼女を演出し、サポートできることを大変楽しみにしています。桃子さんにとってきっとわくわくするような素晴らしい舞台デビューになるでしょう」とコメント。

プロデューサーからは「大きな瞳で作品や役に対して話をきかれる真摯な姿勢に、人を惹きつける魅力をもった方だと強く感じました。持ち前の透明感と凛とした存在感で、伊藤さんとの親子関係が今から楽しみです」と明かしており、福地への期待が寄せられている。

▼物語
弁護士アルフィエーリによって語られ、ニューヨーク・ブル ックリンの労働者階級が住む波止場が舞台。
イタリア系 アメリカ人の港湾労働者エディは、妻のビアトリスと 17 歳 になる最愛の姪キャサリンとの 3 人暮らし。エディは幼くして孤児となったキャサリンをひきとり、ひたすら姪の幸せを願って育ててきた。そこへ、ビアトリスの従兄弟マルコとロドルフォが同郷のシチリアから出稼ぎ目的で密入国してくる。最初は、エディも歓迎するが、キャサリンが色男ロドルフォに徐々にひかれていくようになると、彼らに対する態度が豹変する。そして、自分の気持ちを抑えきれなくなったエディがとった最後の手段は……?

▼福地桃子コメント
この度、姪のキャサリンを務めさせて頂く事になりました。福地桃子です。原作を読んでいて、皆が同じものを見ていても、一人一人見えている景色は違うときもあり、気が付けば思わぬ方向を向いているという経験はあるなぁと感じました。大人になるに連れて芽生えてくる感情など、このお話の人間らしい部分に共感をおぼえました。

脚本・演出を担当してくださるジョー・ヒル ギビンズさんと顔合わせをした際に、「悲劇だけれど誰ひとり悲劇だと思っていない。良い方向へ向くように歩いて行く気持ちを最後まで持っていて欲しい」というお話しをして下さいました。とても刺激のある言葉だなと感じ、印象に残っています。頂いたお言葉を受け止めて自由にお芝居が出来たら良いなという思いでおります。


▼演出家・ジョー・ヒル=ギビンス コメント
福地桃子さんと、舞台『橋からの眺め』でご一緒できることを本当に嬉しく思っています。日本で最も才能のある若き俳優のひとりである彼女と仕事ができることを光栄に感じます。4月に東京で桃子さんと直接お会いして、キャサリンという役を創り上げるための知性や強い人格、技術を備えていると確信しました。キャサリンは、激しいほどの家族に対する忠誠心と、愛する男性との新しい生活への逃避願望の狭間で、このアーサー・ミラーの悲劇において極めて重要な役割を果たす人物です。桃子さんなら、その複雑な矛盾を抱えたキャサリンを表現できると信じています。本作で彼女を演出し、サポートできることを大変楽しみにしています。桃子さんにとってきっとわくわくするような素晴らしい舞台デビューになるでしょう。

▼プロデューサー・パルコ コメント>
福地桃子さんを起用した理由について。主役の港湾労働者エディの姪キャサリンという役は、大人の女性としてどう振る舞えば良いのかわからず、自らが醸し出す清らかな佇まいにもまだ気付いていない可憐な17歳の少女です。そして、エディの束縛から逃れ、自立を試みる芯の強さももった女性です。

その大役に挑んでいただく福地さんは、皆さんの記憶に新しい昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で、純真さと妻としての芯の強さを併せ持った初(はつ)役を演じ、このキャサリンという役柄にも相通ずるところがあると感じました。

また、演出家との面談で初めてお会いした際には、大きな瞳で作品や役に対して話をきかれる真摯な姿勢に、人を惹きつける魅力をもった方だと強く感じました。
持ち前の透明感と凛とした存在感で、伊藤さんとの親子関係が今から楽しみです。

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