「おじさん号泣」のM-1優勝から1年半。お笑いコンビ・錦鯉が6月4日の東京公演を皮切りに、本業の「漫才」を引っ提げて5都市を回る初の全国ライブツアーを開始する。
錦鯉のブレーンであるツッコミの渡辺隆に、ツアーに対する意気込みを聞いてみた(前後編の前編)。

【写真】初の全国独演会ツアーを開催する錦鯉

全国ツアーというのは初めての試みです。いままでは東京近郊の劇場とか、事務所のライブ小屋でしかやってこなかったので。いろいろお仕事をさせてもらっている中で、「でも、単独ライブはやりたいよね」と相方やマネージャーと話していたんですが、「どうせなら全国行っちゃおうよ」ぐらいのノリで決まりました。

やっぱり自分たちは漫才で世に出たので、漫才をやり続けるのが宿命だと思ってます。ただまあ、その上で「単独ツアー」という名目での旅行だとも思っています(笑)。死ぬときに走馬灯に出てくるような楽しいものにできれば。美味しいものを食べて、夜遊びもしつつ、地元の方と触れ合ったり。今回はそういう「夜の街ツアー」も組めたら最高ですね。

問題はまだ現状、ネタが固まっていない(笑 ※取材日は4月末)。僕らは追い込まれてもなかなかやらなくて、現場での奇跡に賭けるというタイプなので(苦笑)。

早く作らなきゃいけない、という気持ちはありますけど、焦ってはいないかな。
初めて「M-1」決勝に出る前、バイトしながらライブに月30本ぐらい出ていたりした時期でも、バイトの合間にどうにか作ってきたりしたので。

もちろん今の方が全然忙しいですし、最近になって「緊張感からくる疲労、っていうのはこういうことか」なんて思ったりもしますけど、昔の経験があるから何とかなるだろう、と。

そもそもネタを綿密に作りこむタイプではない、というのも理由のひとつです。ウチの漫才は基本、(長谷川)雅紀さんがどうなるかだけなので。なにか事件に巻き込まれたり、いてはいけない場所にいたりとか。

プラス、僕のツッコミの言葉が全く決まっていない、というのもあります。「間」なんかは決め打ちの部分もありますけど、ワード自体はお客さんの反応とかでちょっとずつ変えています。究極的には雅紀さんだけがウケて僕が何も言わない、というのが理想だったりもしますし。

「本番で面白ければいいだろ」というのが結局、頭のどこかにあるんでしょうね。結局は出たとこ勝負。我々はバカでM-1チャンピオンになったので、ライブに来ていただければ、よりバカなものをお見せできると思います。

「M-1」で松本(人志)さんにも「一番バカになってた」って言っていただけましたから。
雅紀さんと2人でやって、僕が「バカ」をどうとらえるか、という核の部分をちゃんと持っていれば、どこまででもバカな漫才ができると思っています。

【後編はこちら】錦鯉・渡辺が語る憧れていたテレビ界「話が違うよ!テレビに出ている人が一番真面目かも」
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