【関連写真】上村ひなのがセンターを務める「Am I ready?」MVカット
「Am I ready?」のフォーメーションが発表されたのは6月18日放送の冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系/以下、ひあない)。四期生が加入してからもうすぐで1年のタイミングということもあり、フォーメーションの行方が注目されていたが、大きなトピックは松田好花がフロントメンバーに初選出されたこと、そして上村のセンター抜擢である。上村はセンターに選ばれた際の心境について、「31人全員で協力して新しい日向坂46をお見せできたらいいなというふうに思っています」と語っており、涙を浮かべながらもその眼差しには力強さが宿っていた。
上村は『Top Yell NEO 2021 SUMMER』(竹書房)のインタビューの中でセンターについて語っていたことがあった。同書の中で「センターに立つ機会があればしっかり努めたいか」という質問に対して、「もしセンターに選ばれる時がきたら自信をもってその場所に立てるように、日々努力しておかなきゃいけないと思っています」と話していたのが筆者は印象に残っている。思えば上村は唯一の三期生として先輩たちの背中を追いかけ、誰よりも強い意志をもって活動してきたメンバーだった。
2018年8月に『坂道合同オーディション』に合格し、同年12月に日向坂46の前身グループであるけやき坂46の三期生としてお披露目された上村。『ひなあい』の前身番組『ひらがな推し』(テレビ東京系)で初登場した際にはキャッチコピーの「いつでもどこでも変化球、ひなのなの」を披露するなど、柔らかな雰囲気と笑顔が印象的だった。当時はグループ最年少ということもあり、妹キャラという印象も強かったが、2020年には坂道研修生として活動していた髙橋未来虹、森本茉莉、山口陽世が三期生として加入したことで、三期生をまとめるリーダー的なポジションを担うことも多かった。
最初は先輩の背中についていくのが必死だったというが、バラエティでは次第に独特なキャラクターを確立。中でも『ひなあい』の企画「そろそろ若様のご贔屓メンバーを決め直しましょう」で「収録でスベった時なんと励まされたい?」というお題に対して「元気田支店長」と書いたり、「ぶりっ子選手権」ではゴリラの写真に対し「ゴリラのここ、空いてますよ」と書いたりと変化球の大喜利を披露し、テロップに大喜利少女と書かれたこともあった。
おっとりとした性格とたまに繰り出される奇想天外な言動はこれまでの日向坂46にいなかったキャラクターということもあり、多様な個性が交わる日向坂46の中でもひときわ存在感を増していく。
そんな上村だが、2019年に発表されたソロ曲「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」では低音の利いたクールな歌声を披露。筆者は『ひなくり2019 ~17人のサンタクロースと空のクリスマス』で初めてパフォーマンスを見たが、可愛らしい見た目とは裏腹に力強く歌い上げる姿はアイドルとしての才を感じさせた。
2021年には『第41回 全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ系)の応援ソング「何度でも何度でも」でもカップリングながらセンターを務めた上村。日向坂46屈指の応援ソングとして知られている同作で上村は、初めてのセンターとは思えないたくましい姿でセンターに立っていた。おっとりとした印象をもたれる上村だが、優しい雰囲気と表情から感じられる力強さが同居したパフォーマンスは唯一無二だ。
上村の表題曲初センターとなった新曲「Am I ready?」は、これまでの流れとは一新してキュートでポップな上村の内面を表現したかのような楽曲となっている。サビの振付にはうさぎの耳をイメージしたダンスやメイクをする仕草をモチーフにした振りが取り入れられており、真似しやすいキャッチーさもある。
上村のソロ曲やセンター曲は上村の力強さが現れている楽曲が多かったが、今回は上村の原点とも言えるかわいらしさにフォーカスした楽曲で、センターに立つ上村の笑顔が清々しい。こういうポップ路線の日向坂46はこれまでの表題曲にはなかっただけに、上村が言うように新しい日向坂46を見せることができるはずだ。何よりも上村の成長をこうして見届けることができるのは素直に嬉しい。
そして現在放送中のドラマ『DIY!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』では主人公のせるふ役で出演している。
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