毎週水曜22時から放送されているドラマ『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ)。雰囲気良し、性格良し、仕事もできるという三拍子そろった主人公・向井悟(赤楚衛二)は、元カノ・美和子(生田絵梨花)との別れを今も引きずって、気づけば10年恋をしていない。
そんな彼の10年ぶりの恋を描く恋愛ドラマだ。

【写真3点】向井くんと3年ぶりに再会した、藤間爽子演じる原チカ

人生で一度はやってしまったことがあるかもしれない──それが元恋人への連絡だろう。もちろん、真剣に復縁を迫る場合には必要な過程のひとつになるだろうが、連絡をしてしまった多くの人々の動機は「なんとなく」だろう。近況が気になったのかもしれないし、報告事項があったのかもしれない。あるいは、多少なりの下心があったのかもしれない。

9日(水)に放送されたドラマ『こっち向いてよ向井くん』の5話は、そうした元恋人との邂逅が主題に置かれた。

33歳となり、10年以上も彼女がいない、恋愛の仕方さえ忘れてしまった向井くん(赤楚衛二)が、10年前まで付き合っていた元カノ・美和子(生田絵梨花)と思いがけず飲み会で再会するところからスタート。その場では何もなく終わるが、向井くんはまた彼女に連絡しようか悩みだす。

もしかすると、この感情が全く理解できないと感じる人もいるかもしれないが、きっと向井くんに共感する男性は多いだろう。一度は付き合うほどの仲だったのだから、気軽に連絡してみようと。ましてや向井くんの場合、美和子は10年前に別れてからずっと引きずっていた相手なのだから、無理もない。

しかし、坂井戸洸稀(波瑠)は「キモい」と一蹴する。
「素敵な恋を汚すのはもったいない」と友人として向井くんの行動を止めようとした。

だが、結局2人は再会し、おまけに向井くんは美和子の家に上がることに。ともに下心はなかったはずだが、どちらともなくキスをして、一緒に寝るまでの仲となっていく。

女性側からキモいと断罪された行動だったが、向井くんは元恋人と再び結ばれたわけだから、正しい選択だったのかもしれない。男性である筆者から見ても、向井くんの行動は理解できるし、いい方向に転がったなと思う。

だが同時に、こうした行動こそ今の向井くんを示しているのではとも思う。元カノへのノスタルジーが強く、次の恋へと踏み出せない向井くんは、友人なら温かく見守りたい存在だが、異性であれば最初に恋愛から遠ざけたい存在だ。

向井くんは美和子との思い出を忘れることができず、10年間心のどこかに彼女がいた。だからこそ、再び2人きりで会うという選択肢を取ってしまった。美和子が本人に伝えた通り、「向井くんは変わっていない」のだ。

もちろん、美和子がポジティブな意味で言ったのか、ネガティブな意味で伝えたのかはまだわからない。だが、元恋人同士がやり直すときに最初に見るべきは互いに別れたときから成長しているかどうかだ。
それなのに、向井くんにかけられた言葉は「変わらない」だった。

向井くんは「2人で新しい物語を紡いでいこう」と張り切っていたが、待っているのは同じ結末かもしれない。

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