メジャーリーグで活躍するロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手。二刀流のスーパースターを欲しがる球団は多くあるようで、今後の移籍に注目が集まっている。
このように野球やサッカーなど、選手の移籍はニュースを賑わす話題の一つだ。その一方で、マンガ界にもまるで移籍のように出版社の枠を越えて描かれた続編が存在する。本記事では、そんな作品を4本紹介する。

【画像】あの人気作も、出版社の枠を越えて描かれたマンガ作品

 1本目は、2023年9月30日より読売テレビ・日本テレビ系でアニメ放送がスタートする『め組の大吾 救国のオレンジ』だ。本作の原作は講談社の月刊少年マガジンにて2020年より連載開始された作品で、特別救助隊員を目指す3人の消防士が数々の災害に立ち向かうというストーリーである。この作品の前作『め組の大吾 』は、小学館の週刊少年サンデーで1995年から1999年まで連載されている。

 20年以上の時を経て、小学館から講談社へと出版社を移籍しての新連載にSNS上では「経緯不明だけど曽田正人先生がめ組の大吾の続編をマガジン系列でやった事は結構ショックだった」「め組の大吾ってサンデー作品よね。主要少年誌で移籍ってあるんだ…」と前作を知るファンからショックを受けたとの声があがる。原作マンガの移籍に戸惑いはあるにしても、今秋に始まる新アニメに期待しているファンも多いことだろう。

 次に1983年に集英社の週刊少年ジャンプで連載開始された『銀牙 -流れ星 銀-』も続編が出版社の枠を越えて描かれた作品として有名だ。銀と名付けられた熊犬の子どもが、人間ですら歯が立たない凶暴な殺人熊・赤カブトを打倒するために成長を遂げていく物語。熊と犬との壮絶な戦いを描いた本作は人気を集め、1986年にはANB系にてアニメ化もされている。


 連載終了後、10年以上の時を経て、今度は銀の子どもを主人公にした『銀牙伝説WEED』の連載が日本文芸社の週刊漫画ゴラクにて1999年より開始された。週刊漫画ゴラクでの連載は以降も続き、『銀牙伝説WEEDオリオン』『銀牙~THE LAST WARS~』『銀牙伝説ノア』とバトンが渡されている。

また『銀牙 -流れ星 銀-』と同様に、集英社から日本文芸社に移籍した作品が『魁!!男塾』だ。『魁!!男塾』は1985年~1991年にかけて集英社の週刊少年ジャンプで連載され、1988年にはCX系でアニメ放送が開始。『北斗の拳』や『キン肉マン』などの作品とジャンプの黄金期を築いた作品のひとつとして知られている。『魁!!男塾』は、2022年には舞台化され、今なお時代を超えてファンに愛されている。

 同作は、集英社のスーパージャンプで連載された『曉!!男塾 青年よ、大死を抱け』を経て、日本文芸社の週刊漫画ゴラクにて2014年から『極!!男塾』『真!!男塾』として連載。移籍後の作品に対してSNS上では「週刊漫画ゴラクに移籍してからぶっ飛んだ展開が多いですね」「色々解き放たれて、違うところで更なるパワーアップを感じる」との声があがっている。

 そして最後に紹介するのは、集英社の週刊少年ジャンプで1985年より連載されていた『聖闘士星矢』だ。翌年にはANB系にてアニメ放送も始まり、その人気はフランスをはじめとする欧州各国など80カ国以上にまで及ぶという。同作は1990年に集英社の『ブイジャンプ』にて最終エピソードである『聖闘士星矢 完結編』が掲載され、ストーリーが完結した。

 しかし10年以上の時を経て、2003年に秋田書店のチャンピオンREDにて『聖闘士星矢 EPISODE.G』として再び連載がスタート。
その後は、2006年より秋田書店の週刊少年チャンピオンにて『聖闘士星矢 NEXT DIMENSOIN 冥王神話』、2013年からはチャンピオンREDにて『聖闘士星矢 セインティア翔』の連載も開始。さらに『聖闘士星矢 セインティア翔』は、アニメ化もされている。

 本記事では、続編が出版社の枠を越えて描かれた作品を4本紹介した。移籍をしたことでヒット作が生まれたということもあるので、移籍をすること自体が悪いとは一概にいえないようだ。今後はどんな作品が移籍するのだろうか。どちらにせよ、出版社が変わっても魅力的な作品として読者を楽しませてもらいたいと願っている。

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