事務所に所属しない一般応募で「ミスマガジン2022」にエントリーして、瑚々とともに史上初のWグランプリに輝いた咲田ゆな。芸能活動未経験の彼女が、なぜグラビアの世界に飛び込んだのか。
「ミスマガジン2022」の6人が主演を務める現在公開中の映画『さよならエリュマントス』の撮影エピソードとともに、この世界に入った理由を語ってもらった。

【写真】一般応募からグランプリ、咲田ゆなの撮り下ろしカット【7点】

小学4年生からバレーボールを始め、小中高とバレーボール部のキャプテンを務めるほど打ち込んだ。一方で祖父が医療系大学の教授を務めていた影響もあって、医師や看護師、理学療法士などを目指して、高校は理系を選んだ。だが高校2年生のときに突然身にふりかかった出来事で、将来の夢に変化が生じる。

「学校である嫌がらせを受けたんです。それをやっているのがクラスメイトなのか、男の子か女の子かも分からなくて、誰彼構わず疑ってしまい、全員の目線が怖くなった時期がありました。学校も休みがちになってしまったんですが、そのときに観たたくさんのアニメが救いになって、自分を強く保てることができたんです。それで『声優になって自分を変えたい』『いつか声優として輝いている自分をみんなに見せたい』と思うようになって。高校3年生になって進路を決める段階で、声優を目指しました」

声優はもちろん、俳優やアイドルなど、様々なオーディションを受けた。

「最終的な目標は声優でしたが、最初から絞り過ぎるのもよくないなと思って、いろいろなオーディションを受けました。そのうちの一つが『ミスマガジン2022』でした。正直、応募するまで存在も知らなかったので、水着審査があることも見落としていたんです。
第二次審査のカメラテストのときにお父さんに相談したら、『ミスマガジンは芸能界の甲子園だから絶対に受けたほうがいい』と背中を押してくれたので、前向きな気持ちで臨むことができました」

第二次審査も通過して、セミファイナルでベスト16に選ばれたとき、事務所に所属していないのは咲田ひとりだった。

「芸能事務所がどういうところかも詳しく分かっていなかったので、事務所に所属しているだけで皆さんが輝いて見えました。劣等感と恐怖と不安で、たくさん悩みましたし、くじけそうになることもあったんですけど、私は何事にも全力投球で、コツコツ続けるのが得意なんです。傍目には分からないかもしれないけど、パッションは誰にも負けない自信がありました。それが皆さんにも伝わったから、グランプリに選んでもらえたのかなと思います」

自身のグラビアの“強み”について聞くと、こう自己分析する。

「たぶん身近にいそうな雰囲気かな(笑)。自分が持っている素朴さや親近感で、いろんな人に元気や希望を与えられる存在になれればいいなと思います。見た目で言うと、女の子ならではの柔らかそうな肌が強みですかね。特に伸びるほっぺがチャームポイントです!」

グラビアで目標に掲げるのは、ミスマガジンの先輩たち。

「菊地姫奈さん(※2020年のミス週刊少年マガジン)と和泉芳怜さん(※2021年のグランプリ)の雰囲気が大好きで。お二人とも表現力が素晴らしくて、写真なのに今にも動き出しそうで、ストーリーみたいなものが見えて、1枚の写真に奥深さがあるんです。私もお二人のような表現力を身に付けたいですし、憧れであり目標です」

咲田にとって映画初主演となる『さよならエリュマントス』は女優デビューでもあったが、演技に対する戸惑いはなかった。


「表現することに興味を持って芸能界を目指していたので、お芝居をできることは素直にうれしかったです。私は普段から、自分を客観視して鏡に向かって話しかけるんですけど、そのときって一人二役なので、お芝居に通じるものがあるんですよね。自分に言ってあげたい言葉を投げかけたりして……すごく変な人だとは自分でも分かっているんですけど(笑)」

『さよならエリュマントス』で「ミスマガジン2022」の6人が演じるのは、全国を回って地⽅のイベントに出演するものの、一向に芽が出ないチアリーダーズ「エリュマントス」のメンバー。咲田の役柄は、6人の中でもっとも能天気で、ムードメーカー的な役割を担うユナ。

「初めて脚本を読んだとき、ユナは私が昔から憧れていた女の子だなと思いました。ちょっとネジは外れているけど、どんなことでも楽しく物事を捉えられるキャラクターが大好きで、自分の理想像を演じているような感覚がありました。

演じる上で意識したのは、咲田ゆなとしてではなくて、ユナとして一つひとつのセリフを発すること。そのために脚本には描かれていないユナの過去や感情に思いを巡らせました。ただ考え過ぎるのも良くないので、本番では事前に考えたことを置いといて、楽しんで演じることに集中しました」

撮影は10日間に渡って山梨で行われ、その期間は6人とも同部屋で寝食を共にした。

「小中高と部活をやっていたので集団行動は苦手ではないんですけど、一人で行動するほうが多いタイプなので、一日中6人で行動して、寝る前に『明日も撮影があって、また同じメンバーで寝るんだ』と思うと不思議な感覚でした。

クランクインする前は、どういうふうに関係を築いてこうか考えたんですけど、いざ撮影に入ったら普通に楽しくて。ずっと同じ部屋で一緒に過ごしていると、徐々に言葉を発さずとも、何を考えているか分かるようになって、心の繋がりができたのかなと思いました」

学校の授業ぐらいしかダンス経験のなかった咲田にとって、チアダンスのパフォーマンスは大きな課題だった。


「事前に6人でダンスレッスンを受けたんですけど、それだけではみんなに追いつけないと思って、個人的にレッスン場を借りて自主練習もしました。どういう角度がいいのか、どう動けば上手く見えるのか、どういう表現をすれば綺麗に見えるのかなどを、鏡の自分に話しかけながら踊っていました(笑)」

クライマックスではアクションシーンにも挑戦した。

「男性を殴るシーンがあるんですけど、本当に当たらないかめちゃくちゃ不安でした。スタッフの方にアクション指導をしていただいたんですけど、初めての経験なので、これがどう繋がるのか全く想像がつかなくて。完成した作品を観たときに、こういう流れになるんだと感動しましたし、たくさん勉強をさせてもらった現場でした」

今も声優になる夢は変わらない。

「グランプリをいただいたことで、たくさんのメディアに取り上げていただいたり、多くの人の目につく仕事をさせていただいたりしているのは、本当にありがたいことです。ミスマガジンがなかったら、私はここにいないでしょうし、今も声優を目指してコツコツやっていたと思います。

これからもグラビアは頑張っていきたいですが、最終的な目標は声優です。そのためにたくさんのアニメを観ていますし、発声練習や滑舌練習は毎日欠かさずやっています。目標にしている声優さんはたくさんいるんですけど、声が大好きで、表現者としても尊敬しているのが水瀬いのりさんと早見沙織さんです。いつか私もお二人のように、自分の強みを理解して、しっかりとキャラクターを表現できる声優になりたいです」

▽『さよならエリュマントス』
シネマート新宿・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開中
瑚々 咲田ゆな 麻倉瑞季 斉藤里奈 三野宮鈴 藤本沙羅
豊田ルナ 平井亜門 田中爽一郎 大高洋子 瀬尾タクヤ
米本学仁、川瀬陽太 / 中島歩
監督・脚本:大野大輔

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