【写真】劇団☆新感線に初参加する乃木坂46の久保史緒里
──稽古場の雰囲気はいかがですか?
久保 これまで経験した稽古場とは、また違った雰囲気ですね。一つひとつのシーンを集中して作り込んでいくので、その緊張感はずっとあります。でも笑っている時間もあったり。いい意味で肩の力を抜きながら、稽古に没頭できる環境だと感じています。
──メインビジュアルが発表されましたが、普段の久保さんとはまったく違うイメージに驚きました。
久保 乃木坂46で同期の吉田綾乃クリスティーちゃんも、写真を見て「久保だとわからないね!」と言ってくれました。私もはじめて写真を見たときは感動しました。今までとは違う自分を見せられたかなって。昔から劇団☆新感線のお芝居が大好きで、パンフレットを見るたびに格好いいなと思っていました。今回その中に入れたことがすごく嬉しかったです。
──今回久保さんは、「神降ろしのみさき」という巫女の役を演じます。どんな人物なのでしょうか。
久保 みさきは、とても頭の良い子です。それでいてピュア。闇稼業に従事する大人たちの中で、唯一子供のような純粋さを持っている人です。その反面、大人びた部分もあるので、繊細な部分を意識しながら演じたいと思っています。
──稽古が始まる前は、どんな準備をされましたか?
久保 今回私は歌のシーンがあるんです。劇団☆新感線といえば、ロック調の激しい音楽。なのでお話をいただいた段階から、そういうテイストの歌い方を練習してきました。乃木坂46の楽曲のイメージとは、まったく違う歌い方になるような気がしています。そもそも今回の舞台は殺陣のシーンが大きな見どころ。そのなかで私が歌うということに、一体どんな意味があるんだろう? ということをずっと考えています。
──現時点で、ご自身に課題はありますか?
久保 たくさんあって、今すごく焦っています。これまでは観客側として楽しんできたけど、実際に飛び込んでみて、こうも自分にはできないものかと葛藤しています。でもこの挑戦する感覚がすごく楽しいんです。本番までにクリアすべきことは山積みですが、とにかく劇団☆新感線の空気感に馴染めるお芝居をすること。これが一番の課題ですね。
──公式サイトでは共演者の山本千尋さんが、久保さんとお会いするのがすごく楽しみだとコメントしていました。山本さんとはどんなお話をされましたか?
久保 山本さんとは稽古場の席が隣なので、お話しさせていただく機会が多くて嬉しいです。舞台の製作発表のときは古田新太さんがアイナ・ジ・エンドさんのTシャツを着ていたので、二人して嫉妬していました(笑)。私たちのTシャツを作って古田さんに着てもらおうね! なんてことを話したり(笑)。私の誕生日には、山本さんからプレゼントをいただいたんです。私の名前が印字されているお揃いのミニバッグ。
──『天號星』は入れ替わりのお芝居です。久保さんが乃木坂46の中で入れ替わってみたいと思うメンバーは?
久保 一ノ瀬美空ちゃんですね。私が彼女をすごく好きだからというのもあるのですが(笑)。美空がいるとその場が明るくなるんです。それって天性のものだと思うんですよね。だから入れ替わって、美空の心や精神状態がどんなふうになっているのか知りたいです。でも体が入れ替わったところで心は私のままなので、あまり意味がないかもしれません(笑)。
──現在、乃木坂46としては、『真夏の全国ツアー2023』の真っ只中ですよね。ツアーと稽古の両立は大変だと思います。
久保 大変じゃないと言ったらもちろん嘘になるんですけど、それは私だけじゃなくて皆さんそうだと思うんです。
──沖縄アリーナ公演では、新曲『おひとりさま天国』が初披露されました。センターは5期生の井上和さんです。久保さんは1番上の3期生として、どう支えていこうと考えていらっしゃいますか?
久保 今回のポジションは和のすぐ隣に4期生の賀喜遥香と遠藤さくらがいます。和はすごく強い子なのであまり弱さを見せることはないのですが、ちょっと下を向いたとしても、すぐそばで賀喜と遠藤が支えてくれるので心強いです。それなら私の役割はなんだろう? と考えたのですが、和が感情を溜める前に話を聞くことじゃないかなと。なので、たくさん話しかけるようにしています。面倒くさいなと思われているかもしれません(笑)。
──久保さんが思う、“おひとりさま天国”な瞬間は?
久保 休みの日に、家にこもって録り溜めた野球を観ているときですね。
──プライベートで夏らしいイベントをする予定は?
久保 夏らしいこと、うーん……甲子園を観ることですね。やっぱり野球(笑)。ただ去年も今年もこの時期は舞台があったので、夏といえば稽古みたいな感じにもなっています。
──舞台にTVドラマに映画にと、俳優としてのお仕事が増えていますよね。アイドル以外の活動をすることで新たな気づきがあれば教えてください。
久保 以前は、アイドルの自分がお芝居の世界に足を踏み入れることに、ちょっと申し訳無さみたいなものを抱えていたんです。でもいろんな現場でお仕事をさせていただく中で、ひとりの役者として見ていただくことが増えて、ハッとしました。まずは私がその意識を持たないとダメだと気付かされたんです。舞台に立ったらキャリアもバックボーンも関係ありません。みんなと同じ気持ちで作品に挑むだけ。『天號星』もそんな強い気持ちで臨みたいと思っています。
文=中村未来
▽公演情報
2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星』
脚本:中島かずき 演出:いのうえひでのり
出演:古田新太 早乙女太一 早乙女友貴 /
久保史緒里 高田聖子 粟根まこと 山本千尋 / 池田成志
9月14日(木)~10月21日(土) 東京・THEATER MILANO-Za
11月1日(水)~11月20日(月) 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
▽
ヘアメイク:宇藤梨沙 スタイリング:伊藤舞子
▽衣装
ワンピース¥96,800(IZA)、その他/スタイリスト私物
問い合わせ先 IZA(0120-135-015)
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