今年の8月に開催された「コミックマーケット102」(以下、C102)に初参加し、その様子を報道番組『THE TIME,』(TBS系)に密着取材されたことで大きな話題を呼んだ福岡出身のコスプレイヤー・月海つくねさん。福岡を拠点に活動しており、東京のコスプレイベント参加は「C102」が初めてだったそう。
東京に進出したばかりでまだ知られていないことが多い月海さんの素顔に迫るべく、インタビューでは、コスプレを始めた時のことから、密着取材後の反響などを聞かせてもらった。(前後編の前編)

【写真】「服屋で働くロリコンレイヤー」月海つくねさんの撮り下ろしカット【5点】

――「C102」では2日間密着取材を受けられていました。そもそも、どういった経緯で取材されることになったのでしょう?

月海さん コミケの前日にDMをいただいて、急遽決まりました。その時は密着と言われていなかったので、少しインタビューするだけなのかなと思っていたんですけど、2日間密着ということでびっくりしましたね。初めての経験だったので緊張もしたんですけど「(テレビに)出させていただけるならぜひ!」という感じだったので、それ以上に楽しかったです!

――テレビに出た後、反響はありましたか?

月海さん 普段は服屋さんで働いているんですけど、お店に初めて来てくれたお客さんから「テレビで見ました」ってよく言われるようになりました。しかも、お客さんはコスプレ界で活動している人でもなくて、「X(旧ツイッター)を見ていたら流れてきた」と言っていて、テレビってすごいなと思いました!あと、学生の時に仲が良かった友だち数人からも連絡が来ましたし、地元の電車に乗っていたら話したことのない後輩から「テレビ出てましたよね」って言われて「え、見たの!?名前何?」ということもありました(笑)

――実際に、ご自身がXに上げた密着取材の投稿は、11万いいね(※11月中旬時点)も付くほどバズっています。

月海さん 「恥ずかしい~」と思いましたし「何でこの1枚の写真にこんなにいいねが付いているの!?」と思って「いいのかな…」って感じでした。

――謙虚なんですね。コスプレを始めたきっかけについても教えてください。

月海さん もともとアニメが好きで、コスプレにも興味はあったんですけど、福岡にコスプレイベントがあることを知らなくて、地元の人たちはみんな家でコスプレしていると思っていたんです。だけど「福岡PayPayドーム」でコスプレイベントをやっていることを知って、コスプレせずに一般参加で見に行ったら感動しちゃって。それで自分もやりたくなって、去年の9月から始めました。


――初コスプレは何のキャラクターをやりましたか?

月海さん 『デート・ア・ライブ』の四糸乃(よしの)というキャラクターをやりました。その時一緒にコスプレしてくれた友だちが『デート・ア・ライブ』好きで、その子から教えてもらったアニメだったんです。お互いに推しのコスプレをして「一緒に併せ(2人以上で世界観を統一してコスプレすること)しよう」って感じでイベントに参加しました。それからは、1人でもイベントに参加してコスプレするようになりました。

――いい思い出になりました?

月海さん 写真を撮ってくれた人の中には『デート・ア・ライブ』を知らない人もいたんですけど、私の四糸乃を見てアニメも見てくれたそうで……。DMで「つくねさんの四糸乃を見てハマりました!」って報告してくれたことですかね。めっちゃうれしかったです!

――コスプレ冥利に付きますね。コスプレしているときに意識していること、私生活から取り組んでいることは何かありますか?

月海さん 撮られている時以外も、表情を素の自分っぽくしたくないと思っているので、無表情のキャラクターだったらずっと無の顔でいることを意識しています。私生活では、太らないように気をつけているくらいですかね。

――コスプレにおいて、1番難しいと思うことはなんでしょう?

月海さん ウィッグです。『原神』のフリーナってキャラクターのウィッグを作ったことがあるんですけど、ぴょんってアホ毛が出ていて「これどうやって作るん……」って気が遠くなりました(笑)

――フリーナのコスプレは、今年の10月に開催された「池袋ハロウィンコスプレフェス」で披露されていましたね。福岡から東京まで、どうやってウィッグを運んでいるんですか?

月海さん ウィッグに発泡スチロールの頭を被せてまち針で固定して、100均で売っている収納箱に入れ、キャリーケースの上に縛って持って来ています。


――コスプレを初めて1年が過ぎましたが、コミケ参加、TVの密着取材などいろいろなことがあったと思います。この1年間振り返っていかがですか?

月海さん 去年の今頃はまだ会社員をしていたので、ガラッと人生が変わりました。最初は、趣味でやりたい時にやるといった意識だったんですけど、コスプレの依頼をいただけるようになってきてからは、楽しい仕事みたいな感じです。幸せですね。これからも楽しくコスプレできたらいいなと思っています。

――今は福岡を拠点にしているそうですが、東京でさらに活動が増える可能性もあるのでしょうか。

月海さん 今後次第かなと思っています。趣味程度だと思っていた時は全然考えていなかったんですけど、コミケの後からお仕事のお話をいただくことが多くなったので、福岡より東京にいることが多くなったら、東京に住む可能性もゼロじゃないです。移住しても服屋さんで働くとは思います。

――福岡の服屋で働きつつ、コスプレイヤーとして活動するのは大変そうですね。

月海さん 毎年お正月はおじいちゃんとおばあちゃんの家に行ってたんですけど、今年は冬コミに参加するので、初めて会いに行かない年になります。1日に福岡に帰って、2日からは服屋さんで初売りがあるので、馬車馬のように働かないといけないです(笑)

▽月海つくねさん公式X
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▽月海つくねさん公式Instagram
https://www.instagram.com/xaiabp

【後編はこちら】"服屋で働くロリコンコスプレイヤー"月海つくねさん 高校卒業後は会社員「制限されるのが嫌だった」
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