声優の上田麗奈がここ最近、『週刊少年ジャンプ』や「少年ジャンプ+」の連載漫画を原作とするアニメに数多く出演している。これまでも数々の人気キャラクターを演じてきた彼女だが、2024年はさらなる飛躍の年になるかもしれない。


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上田といえば、『SSSS.GRIDMAN』の新条アカネ役や『私に天使が舞い降りた!』(いずれもTOKYO MX ほか)の星野みやこ役などでお馴染みの声優だ。近年ブレイクが続いており、2024年1月スタートの冬アニメでも『俺だけレベルアップな件』や『異修羅』(いずれもTOKYO MX ほか)、『僕の心のヤバイやつ』(テレビ朝日系)の第2期などに出演。また1月5日に公開された劇場版アニメ『BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-』でも、外の世界に憧れを抱く少女・ルナルゥ役を演じている。

そんななかでとりわけ目立つのが、“ジャンプヒロイン”としての活躍だ。冬アニメでは「少年ジャンプ+」発のアニメ作品に2本出演しており、『道産子ギャルはなまらめんこい』(テレビ東京系)のヒロインの1人である夏川怜奈役、『魔都精兵のスレイブ』(TOKYO MX ほか)のマイペースなパワー系女子・若狭サハラ役を演じている。

そして『週刊少年ジャンプ』連載作品を原作とした劇場版『チェンソーマン レゼ篇』において、新キャラクターのレゼ役に抜擢されたことも大きな話題に。TVアニメ12話のラストにも少しだけ登場しているが、その声を聞くかぎり、穏やかでありながらもどこか冷たさを感じさせるような演技になりそうだ。

上田はやわらかい声質とは裏腹に、神秘的な美少女を演じることに定評があり、代表作の1つである劇場版アニメ『ハーモニー』の御冷ミァハ役はまさにその極致と言えるだろう。昨年公開された劇場アニメ『アリスとテレスのまぼろし工場』でも、ヒロインの佐上睦実役として、岡田麿里監督ならではの生々しくもミステリアスな少女像を完璧に表現していた。こうした役柄を踏まえて考えると、レゼ役はまさにハマリ役なので、ネット上で「完璧な配役」といった声が上がっていることにも納得がいく。

さらにいえば、ジャンプ作品のヒロインによく抜擢されるのも、この才能を買われた結果なのかもしれない。というのも少年漫画には、不思議なオーラによって少年の心を奪う少女の存在が付き物だからだ。
上田はいわば“少年の心のなかにいる青春の幻影”を体現することに長けた声優として、重宝されているのではないだろうか。

そのほかのジャンプアニメへの出演を見てみると、上田は社会現象となった『鬼滅の刃』(フジテレビ系)にも栗花落カナヲ役としてしっかり出演。そして昨年は『マッシュル-MASHLE-』(TOKYO MX ほか)で、真骨頂とも言える“性格がヤバめのヒロイン”レモン・アーヴィンを熱演していた。『私に天使が舞い降りた!』の星野みやこもそうだが、愛が重すぎてちょっと残念な感じになってしまうヒロインを演じた際には、彼女の右に出る者はおそらくいないだろう。

また放送時期は未定だが、『週刊少年ジャンプ』の青春ラブストーリー『アオのハコ』のTVアニメ版にも、ヒロインの鹿野千夏役として出演が決まっている。原作者の三浦糀が自身のX(旧Twitter)で明かした裏話によると、オーディションで上田の声を聴き、即決で千夏役をお願いすることに決めたのだとか。もはやここまでくると、“ジャンプに愛されし声優”と言っても過言ではない。

いくら青春の幻影を感じさせる声優といっても、演技の幅がよほど広くなければ、ここまで出演作が多くなることはなかっただろう。なにせ上田は『てさぐれ!部活もの あんこーる』(日本テレビ系)で、無茶振りとしか思えない“1人18役”を見事に演じきったという逸話をもつほどだ。

そして演技の幅が広いとなると、普通は「個性が弱い声優」と思われがちだが、少なくとも上田の場合にはそのイメージは当てはまらない。御冷ミァハにしろレモン・アーヴィンにしろ、彼女にしか演じられない個性的なハマリ役をいくつも持っていることがその証拠だ。すなわち個性の強さと器用さを兼ね備えていることが、ここまで多くの作品で重宝されている理由なのではないだろうか。


いずれにしても、2024年にはさまざまな作品のクレジットで上田の名前を見ることになるはず。もしかすると今後業界内では、“困ったら上田麗奈”のような状態になっていくかもしれない……。

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