一昨年11月末に『ヤングジャンプ』誌上のグラビアでデビューを飾ると、“色白もち肌“と素朴な愛らしさを武器に数多くの紙面をにぎわし続けている西野夢菜。昨年はグラビアにとどまらず舞台・ドラマに出演し非凡な演技力を見せ、日ごとに大きなポテンシャルを開花させている。
そんな彼女にグラビア挑戦の心境と近年の活躍を振り返ってもらった。

【写真】西野夢菜の透明感あふれる撮りおろしカット【10点】

──一昨年11月のグラビアで芸能デビューを飾ってから1年以上経ちました。西野さんのXでの言葉を借りるなら、まさに「激動の1年間」だったと思いますが、振り返っていかがですか?

西野 本当に一言で「楽しい」でした。デビューは一昨年11月ですが、実質的には昨年の1年間が私のお仕事の本格的なスタートのようなものだったので、本当に“全てが初めて”の毎日。新鮮な気持ちで毎日を迎えられたのは、すごく幸せでした。

──デビュー半年強で『ヤングジャンプ』の表紙を飾り、DVD『ユメナノユメナノ』も発売と、同誌でついた「シンデレラガール」の二つ名の通り、すごい活躍ですよね。

西野 恥ずかしい……(照笑)。素直に驚きしかありません。事務所に所属しグラビアに挑戦する流れになり、最初に登竜門の『ヤングジャンプ』を目指そうと、集英社さんにご挨拶に行くことになったんです。そしたらすぐに「撮影しましょう」とお返事をいただいたのですが、この世界を何も知らないから、嬉しい以上に頭の中は「?」だらけ。

そもそも水着自体、家族で海やプールに行くとき以外着ることもなくて。何より子どもの頃から自分のことがすごく嫌いで、自己肯定感がすごく低かったんです。
グラビアのお話をいただいたときも、「この私で行けるの!?」って不安しかありませんでした。初めての撮影も本当に緊張しっぱなしで、上手くできたとは思えませんでした。

──1年やってきて、その不安はもう解消されました?

西野 はい、昨年8月、『ヤングジャンプ』の表紙を飾ったとき、発売日に自分の顔がコンビニでズラッと並んでいるのを見たときに、「私、この世界で頑張っていけそう」と、少し自信が湧きました。徐々に経験を重ね続けては、少しずつ自分らしさを世に出せるようになっている……気がしています。

──よかったです。西野さんといえばSNSでも積極的に発信している印象もありますが、そこも心境の変化が影響しているのでしょうか?

西野 いやあ、それでも他のグラビアの方に比べれば全然写真を上げていないほうですよ(苦笑)。やはり自分を許せる範囲がまだ狭いから、「もっといい写真があるはず」と躊躇して、結果「もういいや!」って諦めちゃうんです。

ことあるごとに、「もっと上げてください!」ってマネージャーさんに注意されるぐらい。500枚くらいオフショットを撮ってくれるのに最終的にアップするのは3枚くらいですからね(笑)。いただくたびに「申し訳ありません……」という気持ちになっているので、もっと頑張って載せるようにします!

──グラビアと共に舞台にドラマと演技の世界でも活躍を広げていますね。

西野 元々芸能活動を始めるにあたり、「何に一番興味ある?」と聞かれ、演技と答えたんです。結果として、知名度を上げるためにグラビアからお仕事を始めることになったんです。
その後、嬉しいことに『すんドめ!』というドラマへの出演が決まり、その後には初舞台(「さよならオフィーリア」)が決まって、演技ができる!となったのですが……実は、演じることも稽古も何もしたことがない、本当にゼロの状態。最初は「台本ってどうやって覚えるんだろう?」というところから始まって。同業の友達もいないので、一人で試行錯誤する毎日でした。

──そうしたとき、モチベーションになったものは?

西野 それが、私って自分を追い込まないと本気が出せない、やる気スイッチが入らない人間で。とにかく「今頑張らないと、一生仕事もらえないぞ。頑張るぞ、やるんだ!!」と、自分を奮い立たせていました。瀬戸際に自分を追い込むことが、モチベーションになっている状況です(笑)。

──自分に厳しい! デビューから1年で舞台二本、ドラマと中々のペースで出演されているのは評価されているからですよ。「オフィーリア」での高慢な少女役も初演技とは思えないほど、“イヤさ”全開で素晴らしかったです。

西野 ありがとうございます。「オフィーリア」で共演した皆様から嬉しいことに「本当に初めて? 飲み込みが早いから、全然見えない」と言っていただけました。良くも悪くも何も知らない状態だからこそ、みなさんのアドバイスを素直に吸収できたんだと思います。


私が演じたのは、みんなを振り回す超わがままお嬢様。私とは真逆のキャラのため、最初は「出来るかな?」と不安でしたが、練習を重ねるうちに、自分でも違和感なく演じられ、「○○ですわ」という語尾も、「元々使っていたんじゃない?」と言われるほどシックリきていたんです。初舞台から演じる楽しみを知れたのは、すごく幸せなことだなと今振り返って思います。

次の舞台「佐藤家のぬかどこ~ドーナツの穴~」では、逆に感情の起伏がなく、常に俯瞰・達観している役で。感情を抑えつつも棒読みにならないよう、緩急の付け方や細かな感情の出し方を意識しながら演じていました。……まだ少し、本当に少しだけですけどね(笑)。

(取材・文/田口俊輔)
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