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6月22日、Zepp DiverCity Tokyoは活気に包まれていた。行われたのは、「僕が見たかった青空」(以下、僕青)の結成1周年記念ワンマンライブだ。会場は約2000人のファンで満員。若いファンも目立つ。それは、1年前には考えられない光景だった。
昨年6月15日、この会場では「乃木坂46公式ライバル メンバー発表会」が行われた。今を時めく乃木坂46のライバルとはどんなものだろうと、数百人のメディア関係者が訪れた。お披露目されたメンバーは23人。不安と緊張で泣きだすメンバーが何人かいた。グループ名にちなんだ、青と白の制服衣装が目にまぶしかった。
僕青の注目度は高かった。
僕青は順風満帆かと思われた。ところが、雲行きは怪しくなる。8月に発売されたデビュー曲『青空について考える』のスペシャルイベントで会場がまったく埋まらなかったのだ。
東京と大阪で開催されたこのイベント、センターの八木仁愛はZepp DiverCity TOKYOでのライブでこう振り返った。
「その時、来てくださった方は100人いるかいないか、くらいで。私たちの今の実力ってこんな感じなんだなと現状を実感した」
盤石の態勢でデビューしたにもかかわらず、ファンがついてこなかった。メンバーたちはこれ以上ない不安に襲われた。その不安は、日本レコード大賞新人賞を獲得しても晴れることはなかった。
100人いるかいないか――。関係者によれば、集まったファンは2桁だったという。これでは乃木坂46の公式ライバルだなんて名乗れない。あちらは東京ドームを余裕で埋めることができるモンスターグループだ。
今は足元を固めるしかない。メンバーもスタッフもそう感じたはず。僕青は地道に活動していくしかなかった。
そうはいっても、ファン以外の層に訴求する手を打たなくてはいけない。年明けに発売された2ndシングル『卒業まで』の期間、僕青は「卒業までにっき」という動画をTikTokに上げ続けた。アイドルグループであることを隠して、高校を卒業する直前の高3の日常を切り取った動画は、若い世代に届いた。951万回再生された動画もある。それが功を奏してか、今年に入ってから10代後半から20代前半の女性ファンが会場に駆けつけるようになった。
その他のメディア露出なども相まって、ファンは着実に増えてきた。「100人いるかいないか」だった会場が、200人規模→400人規模→800人規模と倍々ゲームで箱が大きくなってきた。そして、1周年ライブでは2000人に到達した。
8月30日、僕青はリベンジマッチに打って出る。東京・豊洲PITでイベントを開催するのだ。この豊洲PITこそ「100人いるかいないか」の会場だ。スタンディング時は約3100人。この過去最大の会場を埋めることができたら、青空が見えてくるだろう。逆襲はこれから始まる。
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