【写真】ソロカットも、Dark Idolオーディションに合格した6人【22点】
──Dark Idolは「挫折や苦悩を乗り越えるアイドル」というコンセプトです。それぞれ自己紹介がてら、過去のトラウマを教えていただけますか。
一条カオリ(以下、一条) 私は小学校から高校生までバスケをやっていたのですが、その頃はものすごくボーイッシュな感じだったんですね。髪の毛の長さも3cmくらいだったし、肌も黒く、美容なんて一切気にしていないし興味もなかったです。
──現在のフェミニンな姿からは想像つかないですね。
一条 当時のあだ名は「ゴリラ」でしたから。「お前、男みたいだな」って冷やかされ続けていたんですよ。だけどそんな私でも叶えたい夢はあって、真逆な人生を歩みたいと考えていたんです。気持ちを強く持てば、絶対に夢は掴める……。その気持ちで、このオーディションを受けました。
橋本萌花(以下、橋本) 私は4歳からダンスをやっていて、ずっとアイドルに憧れていました。だけど身長が173cmもあって、それが原因で諦めていた部分があるんですよ。
──すでにタレントとして知名度のある橋本さんですが、番組の中では妹さんと夢を誓い合う場面がグッと来ました。
橋本 そうですね。妹の件も大きなモチベーションになりました。本当にラストチャンスだと考えてオーディションを受けたので、これから必死で頑張ります!
前垣さら(以下、前垣) 私の場合、大きかったのは中学のときにいとこが自殺してしまったこと。それをきっかけにして、誰かの人生を支えられるような温かいアイドルになりたいと考えるようになりました。これまで2回アイドルグループには所属しています。でもなかなか思うようにはいかなくて、お客さんが0人というライブも経験してきました。挫折が多い私の人生ですが、3度目の正直ということで、Dark Idolに賭けることにしました。
──アイドルって楽しいだけではなく、実際はつらいことや苦しいことも多いですよね。
前垣 不完全燃焼だったんです。2度のアイドルを経験したあと、舞台女優として2年ほど活動していたのですが、アイドルをしている方を見るたびに「私もまだやれたんじゃないかな?」って……。1度だけの人生、後悔したくはなかったので。
星野ティナ(以下、星野) 私は中1から高3までアイドルをやっていて、「みんなで武道館に行こうね」って誓い合っていたんです。ところが、いい波に乗っているときにプロデューサーが捕まってしまったんです。
──そのグループってmonogatariですよね。たしかに一時はかなり勢いがありました。
星野 すごく悔しかったんですよ……。その人のせいで私たちの夢は崩されたわけですから。そこからは親の借金を返さないといけないということもあって、働きたくもないキャバクラで働くことになったんです。お店では一生懸命頑張っていたけど、ずっと心残りがありました。このオーディションは朝倉末来さんのYouTubeで知り、コンセプトが自分にピッタリだと思ったんですよね。
──「やりたくもない」ということですが、キャバ嬢として月間1億円を売り上げたこともあるとか。正直、アイドルって大して儲からないことが多いですよ。
星野 お金以上の素晴らしさがアイドルにはあるって私は信じていますから。ファンの方からの愛ってそれくらい尊いんです。「愛はお金では買えない」ってよく言われますど、本当にその通りだよなって思います。
──アイドルには、ファンを「釣る」という文化がありますよね。夜の街で鍛えられた手練手管がアイドル現場で活かされるという面は?
星野 あると思いますよ。『推しの子』の中でも言われているじゃないですか、「嘘はとびきりの愛」って。もっとも私たちは本音でぶつかるグループだから、嘘はご法度ですけど(笑)。
谷屋杏香(以下、谷屋) 私はNizi Project東京合宿で脱落したことがよく取り沙汰されるんですけど、実はそれ以外にもアイドルグループに2回所属していて、それぞれ活動休止になってしまったんです。でも、こうした挫折が自分の最大の武器だと思っています。本当のことを言うと、もうアイドルは諦めたほうがいいかなと考えることもありました。
──番組では歌もダンスも完璧だったので、なぜ今までダメだったのかが逆に理解できませんでした。
谷屋 Nizi Projectのとき、「ナチュラルさが足りない」というご指摘をずっといただいていたんです。ただ当時の私は、その意味がまったく理解できなかったんですよね。あの頃は自分に自信をつけるため、歌とダンスを必死で頑張っていた部分がありまして。でも今はたとえ歌とダンスがなかったとしても、自分のことを好きでいられる。この違いは私にとって、ものすごく大きいです。考え方が根本から変わったから、パフォーマンスにもその違いが出ているんじゃないでしょうか。
石川侑依(以下、石川) 私は小さい頃からずっと親や親戚からの期待に応えるように生きてきました。受験を頑張って大学(慶應義塾大学)に入ったこともそう。一流企業の内定をもらったこともそう。
──そんなに親に押さえつけられていたという感覚があるんですか?
石川 実際、押さえつけられていたと思います。習い事とか部活も、すべて「これをやりなさい」と言われた通りに行動してきましたから。それができないなら、即、勘当。息が詰まりそうでした。
【後編】朝倉未来プロデュース「Dark Idol」6人が決定「悪い過去や暗い過去も輝くということを教えたい」