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結とギャルの間に立ちはだかる一つ目の壁として描かれているのが、父・聖人だ。聖人は“アユ”こと歩(仲里依紗)がギャルになったことをなぜか「自分のせい」と思い込んでおり、結がハメを外さないようにと少々いきすぎな心配性を発動させている。
一つ気がかりなのは、聖人の心が“神戸にいた頃”からストップしているように見えることだ。永吉(松平健)と衝突し、高校卒業後に糸島を離れた聖人。神戸で理容師として働くようになり、結が生まれてからもしばらく神戸で暮らしていたようだ。
しかし1995年、阪神淡路大震災が発生。結は当時6~7歳だったはずだが、時折り震災の映像がフラッシュバックしているように記憶の片隅に「怖かった」という思いが残っているのだろう。まだ詳細は語られていないが、米田家は震災がきっかけで糸島に移り住んだと考えられる。
聖人は糸島での農業にやりがいを感じておらず、糸島よりも神戸を自分のホームだと感じている様子。第5話でひみこママ(池畑慎之介)の髪を切りながら「僕の本業はこっちです」「向こうで床屋ばやりたいです」と話していたように、聖人の夢は“神戸でまた床屋をやること”なのだ。
糸島フェスティバルの実行委員会に出席し、糸島市民の地元への強い気持ちを感じた聖人は、結に「もし『家族で神戸に戻ろう』って言ったら、お前どうする?」と聞いてしまった。
長らく糸島で“心ここにあらず”な状態で暮らしてきたからか、結に対する接し方・考え方も6~7歳の頃からアップデートされていない可能性がある。だからこそいつまでも小さい子どものように心配したり、過保護になってしまうのかもしれない。
結はまだ自分のハッキリした夢には出会えていないが、父である聖人の夢を叶えようとすると、多少なりとも結の生活に影響があることは間違いない。神戸に行けば学校の友達やハギャレンと離れることになるし、糸島に残れば家族と離れ離れになってしまうのだ。
歩が糸島に戻ってきたにより一気に物語が動きそうな第四週。結は自分の夢にどう気づくのか。聖人の夢に対してどんな思いを抱えているのか。登場人物のパーソナルなところが見えてきたからこそ、全員の平穏無事で幸せな日々を願いたくなる週末なのである。
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