【写真】“バキ童”ぐんぴぃ主演映画『怪獣ヤロウ』場面写真
──近年、役者としても活躍されているぐんぴぃさんですが、主演映画のお話を聞いた時の心境はいかがでしたか。
ぐんぴぃ 心配でした。話がうまく進みすぎているというか、「童貞が主演なんていいのか」って、嘘のような気持ちのまま今日まで来ています(笑)。このインタビューを読んでいる方が「あなたが明日から主演ね」と言われたら「え、嘘でしょ」と思いますよね。同じ気持ちです。「なんで私が東大に!?」くらいの感覚なんです。
──役柄に関してはいかがでしょうか。ご自身の生き方と重なるところはありますか。
ぐんぴぃ それは近い気がしますね。山田は、別の夢があるけど公務員をやっていて、その仕事が上手くいっていないような人なんです。そういう幸せもあると思うんですけど、山田は夢しか柱がない人なんですよね。
それまではブックオフの社員として過ごしながら「お笑いやりたいな」みたいな気持ちを抱えていたので、山田の気持ちはめっちゃ分かります。この映画で好きなのが、夢が叶いそうな時に山田がめちゃくちゃ大はしゃぎするシーンなんです。コミカルに描かれてはいますけど、夢が叶う時ってこれくらいバカになるよなって。
──いいシーンですよね。
ぐんぴぃ 自分が「芸人になる」と決めた時、周りは「もう遅いし芸人なんかなれるわけないよ」と言っていたんです。でも、僕は全然世間知らずだったので、芸人って30人くらいしかいないと思っていたんですよね(笑)。
そしたら「M-1」だけで1万組いる。そういうことを知らないバカだったから夢に向かえたんだと今では思いますが、「夢を見るんだったらバカでいいよな」とも思うんです。「バカじゃないと夢なんか見れねえよな」って。
──「芸人になる」と決めた時、周囲からは「もう遅い」「なれるわけない」という声もあったということですが、そこで踏ん張れたのはなぜでしょうか。
ぐんぴぃ 相方の土岡(哲朗)がすごく面白いやつなんです。
ランジャタイさんと街裏ぴんくさんを、まだお客さんが少ない時に見に行ったことがあるんです。そしたら異常に面白くて、お客さんは10人くらいだったんですけど、1000人分くらいの笑い声を出していたんです。それで、「こんな面白いのに売れてないんだとしたら、楽しいかもしれないな」と思いました。だからランジャタイさんと街裏ぴんくさんは自分にとって「売れなくてもいいかな」と踏み込めたきっかけなんです。
──「何が何でも売れてやる」「トップに上り詰めるぞ」と自分にプレッシャーを掛けるようなスタンスではないんですね。
ぐんぴぃ そうですね。「なんか売れるかもしれないな」みたいに思うことも楽しいかなと思っています。切迫感はなかったかもしれない。
──それは現在でも変わらないのでしょうか。
ぐんぴぃ 色んなすごい人を見てきたということもありますけど、「別にトップじゃなくてもいい」とは思っています。自分を選ぶ人がいるなら、それでいいかって。
▽『怪獣ヤロウ!』
配給:彩プロ
コピーライト:(C)チーム「怪獣ヤロウ!」
公開表記:1 月 24 日(金)岐阜先行公開、1 月 31 日(金)全国公開
【後編はこちらから】“バキ童”ぐんぴぃのバズり後「いずれ『バキ童とも呼ばれていた』みたいになっていくのでは」