1990年代、渋谷系と呼ばれるジャンルの楽曲がJ-POPシーンで流行していた。渋谷系に明確な定義はないが、ポップスにブラックミュージックやダンスミュージックなどの要素を取り入れた、スタイリッシュでお洒落なサウンドを特徴とする。


【画像】令和の渋谷系アーティストとして注目されているのがUilou

代表的なアーティストとしてはピチカート・ファイヴやフリッパーズ・ギターなどが挙げられ、近年再び注目を集めている。実際、2024年1月にはSerani Pojiの楽曲「スマイリーを探して」がSNS起点でバイラルヒットを起こし、BillboardやSpotifyのチャートにランクインした。

渋谷系を語るうえで欠かせないアーティストが、ピチカート・ファイヴだ。ピチカート・ファイヴは小西康陽と野宮真貴からなる音楽グループで、1984年から2001年まで活動していた。代表曲「東京は夜の七時」は誰もが知る大ヒット曲で、当時の東京の煌びやかな空気を見事に表現している。その洗練された独特なサウンドに魅了される人は多く、今聴いても新しさを感じられる。

「東京は夜の七時」はハウスミュージックを軸にした楽曲だが、実は編曲を手掛けているのは福富幸宏である。福富幸宏は日本のハウスミュージックシーンのパイオニアとも評される音楽プロデューサーだ。ハウスを熟知した彼ならではのトラックと、小西康陽の知的かつキャッチーな詞曲が見事に融合し、歴史に残る名曲が誕生した。

渋谷系のシーンは次第に消滅してしまったが、2025年現在リバイバルブームが起きそうな流れが見受けられる。上記で述べた通りSerani Pojiの曲がバイラルヒットしたり、渋谷系に近いスタイリッシュなm-floの曲が流行したりなど、リスナーの需要が高まっているのは間違いないだろう。

そんな中、令和の渋谷系アーティストとして注目されているのがUilouだ。
Uilouはjune-chanとAFAMooからなるダンスミュージックユニットで、渋谷系を彷彿とさせるお洒落さと現代的な新しさを感じられるサウンドを特徴とする。2025年1月には楽曲「Do Me a Favor」がSpotify Japan 急上昇チャート20位にランクインするなど、耳の早いリスナーの間で話題を呼んでいる。

今回は渋谷系にフォーカスを当てたが、スタイリッシュでお洒落な音楽が流行することは、多くの人々にとって良いことではないかと筆者は考える。音楽ストリーミングサービスやSNSが普及したからこそ、新旧問わず良い曲がいつ脚光を浴びるか分からない。一人のリスナーとして、渋谷系の音楽が再びメインストリームになる日を心待ちにしている。

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