松坂桃李『御上先生』、広瀬すず『クジャクのダンス』を抑えた冬のネットバズりドラマNo.1は？

3月をもってほぼ全ての作品が最終回を迎えた2025年の冬ドラマ。今回は冬ドラマの民放GP帯（19時～22時。シリーズ作品は除く）の中で、視聴率だけでは分からない“ネットでバズったNo.1”の作品を見ていきたい。【関連画像】ひとめで丸わかり、冬バズりドラマのGoogleトレンドグラフまず、全話の平均世帯視聴率を見てみると、4月1日執筆時点で松坂桃李主演の『御上先生』（TBS系）が唯一、2桁を超え10.7％（ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下／同）。それ以降は、清野菜名主演の『119エマージェンシーコール』（フジテレビ系）と唐沢寿明主演の『プライベートバンカー』（テレビ朝日系）が7％台、広瀬すず主演の『クジャクのダンス、誰が見た?』（TBS系）と赤楚衛二主演の『相続探偵』（日本テレビ系）が6％台で続く。以上が視聴率だけで見たトップ5だ。次に、若年層やドラマコアファンから支持されている、ネットでの見逃し配信サービス・TVerのお気に入り登録数を見てみると、『御上先生』が120万台でトップ。続いて市川実日子主演の『ホットスポット』（日テレ系）、『119エマージェンシーコール』が100万台、『クジャクのダンス、誰が見た?』が90万台、川口春奈主演の『アンサンブル』（日テレ系）が80万台となっている。ここまでがTVerお気に入り登録数トップ5だ。このお気に入り登録数トップ5作品で、特定ワードの検索数推移をグラフで可視化出来るGoogleトレンドを使い、過去3ヶ月のウェブ検索数を比較してみる。ウェブ検索の各作品の最大値1位は『ホットスポット』で、その数値を100とすると、『御上先生』の最大値が95、『クジャクのダンス、誰が見た?』が70、『アンサンブル』が64、『119エマージェンシーコール』が27だった。『ホットスポット』の全話平均世帯視聴率は5％台だが、バカリズムのコミカルな脚本が冴えわたり、日常に東京03・角田晃広演じるおじさん宇宙人が潜んでいるという斬新設定もウケて、ネットでは常に話題になっていた。民放の連続ドラマ初主演となる市川、幼馴染役の鈴木杏、平岩紙らのテンポ良い掛け合いと、そこに普通になじんでいるおじさん宇宙人という構図が実に滑稽で秀逸。未来人や超能力者も登場し、社会の風刺を交えながら、おじさん宇宙人がカッコイイ雰囲気を出しつつ問題解決していく様も痛快だった。『御上先生』は、松坂演じる文科省官僚が、私立高校へ出向し3年生の担任教師となり、腐った権力に立ち向かう大逆転教育再生ストーリーだ。教育、報道、行政とは何かを考えさせられる骨太社会派ドラマでありながら、ミステリー要素もあって考察が盛り上がった。生徒達の群像劇でもあり、日曜劇場の中でも若年層からの注目度が高い作品だった。『クジャクのダンス、誰が見た?』は、元警察官の父親を殺された広瀬演じる主人公が、遺された手紙を手がかりに真相に迫るヒューマンクライムサスペンスだ。父親が捜査していた22年前の一家殺害事件と現在が複雑に絡み合い、冤罪で追い詰められる親子と真犯人を巡ってネット上の考察合戦が過熱した。全てが明らかになった時、血のつながりは無くとも、主人公へ向けられた父親の愛情深さに胸打たれる作品でもある。『御上先生』、『アンサンブル』、『119エマージェンシーコール』のそれぞれの最高値が初回だったのに対し、『ホットスポット』と『クジャクのダンス、誰が見た?』は、終盤に向かうにつれて検索数が伸びていった。『ホットスポット』は、最終回が全ドラマ、全話の中で最高値を記録しただけでなく、過去3ヶ月の検索数の平均値でも、2位の『クジャクのダンス、誰が見た?』、3位の『御上先生』を抑え1位だった。以上を鑑みて、『ホットスポット』を2025年冬ドラマの“ネットでバズったNo.1”作品と認定したい。【関連記事】昭和から令和へ『おむすび』第24週で振り返る、時代と共に変わる“家族の形”