宮沢りえ主演『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞・報知映画賞など多くの映画賞を総なめ、二宮和也主演『浅田家!』では、国内の大ヒットのみならずフランスでも大ヒットを記録した中野量太監督が5年ぶりにメガホンをとった最新作、映画『兄を持ち運べるサイズに』が、11月28日(金)にカルチュア・パブリッシャーズ配給にて公開することが、4月9日(水)に発表された。

【写真】柴咲、オダギリ、満島が集結した映画『兄を持ち運べるサイズに』【2点】

中野氏が脚本・監督を務めた今作は、作家・村井理子氏のノンフィクションエッセイ『兄の終い』が原作となり、絶縁状態にあった実の兄の突然の訃報から始まる家族のてんてこまいな4日間の物語が描かれている。


マイペースで自分勝手な兄に幼いころから振り回されてきた主人公の理子を演じるのは、01年公開の映画『GO』で、第25回日本アカデミー賞新人俳優賞、最優秀助演女優賞をW受賞、第44回ブルーリボン賞新人賞を受賞し、以降話題作に出演し続け、今年は『でっちあげ』(6月公開)の公開も控える柴咲コウ。柴咲は本作の出演に際し、「形は様々なはずなのに、私は村井理子さんを演じることで積み重なっていた心の陰の部分に優しく灯りをともされたような、そんな感覚を抱いた」心境を語っている。

また、家族を振り回す、映画史上まれにみるダメな兄ちゃんを演じるのは、『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』で脚本・監督・編集・出演を務めるなど、俳優以外の活躍もめざましいオダギリジョー。オダギリは、「家族って簡単なものではないけど 思い切っていつもより近づいて 素直に向き合いたいと思わせてくれる作品でした」とコメント。

兄と一時は夫婦でありながらも、ある理由で離婚した元嫁・加奈子には、主演を務め興行収入51億円を突破した『ラストマイル』で第48回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した、満島ひかり。満島は本作への出演を「中野量太監督の大きな瞳に宿る優しさ、大好きな柴咲コウさんの豊かさ、ロケで伺った宮城県の街の柔らかさや夕陽の美しさに背中を押してもらいながらの、良い撮影だったなと感じます」と振り返る。

さらに、兄と加奈子の娘で両親の離婚後は母と暮らす満里奈にはnicola専属モデルでドラマ『介護スナックベルサイユ』(フジテレビ)に出演の青山姫乃。二人のもう一人の子供で最後まで兄と暮らした息子・良一には、ドラマ『3000万』(NHK)の味元耀大が演じている。

青山は自身の役作りに関し、「中野監督と話し合い、"素のままの中学生らしさ"を出して、満里奈の感情、見ていたものを想像して等身大の中学生を私なりに演じました」とコメント。味元は本作への意気込みを「くすっと笑えて、涙なしでは観られない――そんな中野量太監督の素敵な作品をぜひ多くの方にご覧いただきたいです」と語っている。

脚本・監督を務めた中野氏は、5年ぶりの最新作に込めた想いを、「『面白い映画を作ったので観て!』と、自信を持って言いたくて、脚本から仕上げまで、真摯にこだわり抜いて作り上げました」と熱意を語った。「柴咲さん、オダギリさん、満島さん、この三人の絶妙なアンサンブルは、監督として、もう堪らんです。
僕の想像を超えるシーンがいくつも撮れました。子ども達のナチュラルで存在感ある演技も素晴らしかった」と撮影を振り返り、本作について「自分の身にも起こるかもしれない話です。もしかしたら、この映画は、"明日のあなたの真実"になるかもしれません」と語っている。

また、原作者である村井氏は映画化発表に伴い、兄に向けての手紙のようなコメントを寄せた。「兄ちゃん、あの日からもう5年。とうとう映画が完成しました。映画が大好きだった兄ちゃんに見てもらえないのが残念だけれど、素晴らしい作品に仕上がっていました」と始まり、「まさか自分のことが映画になったなんて知る由もない兄ちゃん、天国の両親と穏やかな時間を過ごしていてください。いつか私もそちらに行きます。そしたらもう一度、四人家族をやり直そう」と結んでいる。

本日4月9日(水)解禁となったメインキャストによる写真は、中野監督の前作『浅田家!』でタッグを組んだ写真家・浅田政志氏が撮影した、タイトルを模した"兄を家族たちが持ち運ぶ"1枚。その表情には、家族の死という悲しい話だけではない、苦笑いや怒り、いろいろな感情が垣間見え、映画への期待を高まらせる。

兄の死によって再会した家族が、後始末をしながらもう一度家族を想いなおす、てんてこまいな4日間。
『浅田家!』の中野量太監督が紡ぐ、新たな家族のものがたり、『兄を持ち運べるサイズに』がこの秋、誕生する。

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