【別カット6点】ドラマ『死ぬほど愛して』に出演中の山口馬木也
──『侍タイムスリッパー』フィーバーも一段落し、とりあえず今は役者として目の前の仕事をこなすというモードに戻った感じですか?
山口 そういうことになりますね。もともと僕は本当に俳優になりたかった人間なんです。そして今もその俳優をずっと続けている状態なんですね。そして俳優というものにゴールがないこともわかっているんですよ。自分自身で「立派な俳優になったな」と感じられる地点までは、一生かかってもたぶんたどり着けない。その答えは自分の中で見えているので。
──どういうことでしょうか? 世間は山口さんのことを立派な俳優だと見なしていますが。
山口 いや、もちろん僕だって「職業は何だ?」って聞かれたら「俳優です」と答えますよ。でも、なんて言うのかな……。「ここにたどり着きたい」みたいな目標が漠然とだけど自分の中にはあるんです。
──それは賞とか社会的知名度とは関係なく?
山口 それよりも俳優としてやっていると、楽しくて脳から汁が出るような瞬間があったりするんですよ。
──終わりなき旅というわけですね。
山口 難しいですよ、演技って。やっぱりね、芝居ってどこまでいっても芝居だなって思うんですよ。だから最近はなるべく芝居に頼らないような表現を目指しているんですけど、そうすると結局はその人の生き様が出てしまう。その人自身の人格が芝居に反映されるといいますか……。そういう中で「役者というのはこういうものである」という正解みたいなものを自分なりに見つけていきたいんですけどね。
──これだけキャリアを積み重ねても、まだ上を目指そうという向上心は消えないというわけですね。
山口 この前、100歳のおじいちゃん役をやったんですよ。そして同じ作品の中で20歳に戻ったんです。
──さて、そんな山口さんも出演するABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』が3月27日からスタートしました。成宮寛貴さんが8年ぶりに復帰するということも含め、早くも大きな話題になっているようです。
山口 僕が意識したのはいつもと同じで、ドラマというのは相手役があって成立するものなので、その場の空気に馴染むようにするということ。僕の役は少し風変わりなデカ。昭和かたぎの正義感あふれる刑事なんですけどね。
──撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
山口 非常によかったですよ。監督は城定秀夫さんなんですけど、ああいう作品を撮る方って、やっぱり現場をそういう“ものづくりの雰囲気”にするのがうまいんです。ドラマの撮影というのは時間に追われたりとかの制約も多かったりするんですけど、そういう意味では映画の雰囲気に近かったかもしれないな。
──どういった人に観てもらいたいですか?
山口 幅広く観ていただきたいですね。なにせ今回は原作がものすごい数のヒット作に関わってきた天樹征丸さんだし、成宮さんの復帰作ということで成宮さんファンも観てくれるでしょうし、城定監督の独特の美学も炸裂していますから。物語のジャンル的にはミステリー・サスペンスということにはなりますが、それ以上に“人間の本質”が描かれているのもポイントだと思う。それと同時に殺人など非日常的な部分も描かれているので、飽きさせない作りになっていると思います。
――最後に今後の目標やビジョンについてもお聞かせください。
山口 正直言うと、自分の中では答えが見つかっていないんです。演技を極めるというよりも、何かを探し続ける旅の途中にいるという感覚ですかね。俳優としてのゴールは見えないままですが、それでも前に進んでいきたいですね。
【作品概要】
毎週木曜夜11時より「ABEMA」にて無料放送中(全8話)
放送チャンネル:ABEMA SPECIAL チャンネル
トップページ URL:https://abema.tv/video/title/90-2024
■キャスト
成宮寛貴、瀧本美織、細田善彦、久間田琳加、片桐仁、松井玲奈、田中美久、しゅはまはるみ、カルマ、粟大和、青山倫子、袴田吉彦 ・ 山口馬木也、筒井真理子 他
■スタッフ
製作:藤田晋
原作:天樹征丸/漫画:草壁エリザ/「死ぬほど愛して」(光文社 刊)
企画・監修:樹林伸/樹林ゆう子
プロデューサー:小林宙/金山宇宙/柴原祐ー
脚本:ねじめ彩木/髙橋幹子/吉﨑崇二
音楽:海田庄吾
主題歌:.ENDRECHERI./堂本剛「super special love」Sony Music Labels Inc.
監督・脚本:城定秀夫
制作プロダクション:ダブ
製作著作:ABEMA
【前半はこちら】前例のない遅咲き52歳 山口馬木也『侍タイムスリッパー』でブルーリボンも「喜べたのは夜12時まで」