【関連写真】大悟が井桁弘恵の「恋の悩み」にズバリ!
一気に、ダウンタウンがテレビから距離を置きそうだが、その中で気になるのはダウンタウンの後継がどのコンビになるのかということだ。ダウンタウンが所属する吉本興業にはさまざまなコンビが在籍しているが、中でも「ポスト・ダウンタウン」に一番近いのは千鳥で間違いないだろう。
千鳥は、現時点では大人気のサンドウィッチマンよりGP帯でのレギュラー番組は少ないが、それでも地方局を合わせれば約9本の番組に出演。今年4月から『千鳥かまいたちアワー』(日本テレビ系)は『千鳥かまいたちゴールデンアワー』となりゴールデン帯に昇格し、『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)は放送時間を増やし2時間番組へとパワーアップするなど、常に進化を続けている。
千鳥の魅力は、大悟、ノブともにオールマイティな芸人で、ツッコミからボケ、進行まで双方が高いレベルで行うことができるところだ。
基本として大悟がボケなのだが、ノブも『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)ではボケに回ることもあり、器用に笑いの主軸をチェンジできる。しかも、『相席食堂』(朝日放送)や『千鳥のクセスゴ!』(フジテレビ系)で示したように、VTRを見てコメントでツッコミを入れるスタイルもうまい。ただ、やはり個人での活動は、ダウンタウンと比べると見劣りしてしまう部分が出てくる。
今年に入りダウンタウンがテレビから離れはじめたタイミングで、千鳥の飛躍があり世代交代が進んでいるように見える。
現在、千鳥は大悟とノブが、それぞれ個人でメインとなる番組を担当している。大悟は、『大悟の芸人領収書』、『開演まで30秒!THEパニックGP』(ともに日本テレビ系)でMCを担当。また、松本人志から受け継いだ『酒のツマミになる話』(フジテレビ系)は、コンビで担当するが大悟がメインだ。
個人で番組に出演する大悟は、ボケは少なめにして両番組ともにツッコミに回ることが多い。特に、『大悟の芸人領収書』では、問題のあるタレントが多く出演することがあり、大悟はバランスを取る役目。コンビで出演するときと違い、大悟の芸人としての素の表情が見られている印象だ。
さらに、番組が終了してしまったが、『ヤギと大悟』(テレビ東京系)でも魅力を発揮した。この番組は、ヤギとともに大悟が地方をロケする内容だが、地域の人と交流する大悟は気の良いオッチャンそのもの。ゲストとのトークも自然体で、非常に見やすい番組だった。こういった、大悟のやさしい素顔が出せる番組がもっと増えれば、新たな魅力を視聴者が発見しやすくなる。
大悟は、『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)で優勝していることからもわかるが、大喜利のセンスも抜群。
一方のノブだが、『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK総合)のキャラ・カネオくんの声や、『1泊家族』(テレビ朝日系)のMC、さらに趣味のゴルフ関連の番組やYouTubeへの出演も増え個人活動は多岐にわたる。どの番組でも進行がうまいのだが、コンビで出演する時よりも勢いを感じないのも事実。カネオくんはキャラが定まってきているが、他の番組では個人での良さが出ていない。例えば、ノブの魅力を開花させるロケ番組の仕事などが増えれば、人気が上がる可能性がある。千鳥がダウンタウンを超えるには、ノブの個人仕事の良し悪しにかかっているといっても過言ではないだろう。
双方のファンは比較することを否定するだろうが、それでもテレビを中心とするお笑い業界には、核となるコンビや芸人が必要なのも事実だ。ここ10年ほどは、確実にダウンタウンが核となり、お笑い業界を引っ張り続けてきた。そういった存在がいるからこそ、カウンターカルチャーも生まれ、さまざまな魅力を持った芸人たちが輝くための指標になる。
現在は、昨年の松本の芸能活動休止からはじまり、浜田も休業して芸能界に地殻変動が起きている。そんな中で、中心に立つべきなのが千鳥だ。千鳥がダウンタウンの代わりになれるのか、その鍵を握るのは個人でどこまで活躍できるかにかかっている。
【あわせて読む】Amazonプライム『THEゴールデンコンビ』はなぜヒットしたのか、要因を考察