【写真】第45回では朝田家を突然去っていってしまったヤムさん(阿部サダヲ)
脇を固めるベテラン、屋村草吉役の阿部サダヲの存在感も、本作に欠かせない彩りを与えている。
「ずっと『日本の朝には阿部サダヲが必要だ』と思っていて」と熱っぽく語る倉崎氏。新人時代に大河ドラマで阿部と仕事をした際の印象が強く残っており、今回の企画段階から出演を熱望していたという。
「阿部サダヲさんの顔を見て1日が始まるって、なんか素敵じゃないですか」と目を輝かせ、「阿部さんの力を借りて、この『あんぱん』を作品全体として明るくしていただきたい、という思いも託させていただいた」と、風来坊でありながらも深い人間愛を持つ屋村というキャラクターに込めた期待を語った。
さらに倉崎氏は、『あんぱん』の登場人物たち全てに『アンパンマン』のキャラクターが遊び心として重ねられているという、興味深い裏話も明かしてくれた。
「脚本の中園ミホさんから一番最初に我々の手元に来る原稿では、全部の登場人物に裏設定としてアンパンマンのキャラクターが当てられているんです。それを見るのが我々も楽しみ。当て方は人それぞれで、人物名を寄せている場合もあれば、セリフとか、衣装、外見で寄せている場合もあります」
倉崎氏は「例えば釜じいで言うと、かまめしどんで、蘭子はロールパンナ」と楽しそうに語る。
どの役柄がどのキャラクターとリンクしているのか、想像しながらドラマを見るのも、新たな楽しみになりそうだ。
オーディションでの慧眼、キャラクターへの深い洞察、そして俳優への揺るぎない信頼。倉崎氏の言葉からは、キャスト一人ひとりへの愛情と、彼らが織りなす人間ドラマへの熱い思いが伝わってくる。
個性豊かな俳優陣が、それぞれの役柄に命を吹き込み、紡がれる『あんぱん』の世界。彼らがこれからどのような感動を私たちに届けてくれるのか、ますます目が離せない。
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