女優の福原遥が、7月スタートのフジテレビ系月9ドラマ『明日はもっと、いい日になる』で主演を務めることが発表された。福原にとって念願の「月9初主演」となる。
福原は子役時代の「まいんちゃん」のイメージが長らく残っていたが、朝ドラに続いて「月9」というドラマ界の看板枠を背負う存在となり、さらに大河ドラマでも艶やかな演技を見せたことで、完全に「大人の女優」として覚醒しそうだ。

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『明日はもっと、いい日になる』は、児童相談所で働く個性的な面々が子どもの純粋な思いに胸を打たれ、その親までもを救っていくオリジナルのハートフルヒューマンドラマ。福原は、神奈川県警所轄警察署強行犯係の刑事から児童相談所へ出向することになり、異動に納得がいかないまま新人児童福祉司として働く主人公・夏井翼を演じる。

翼の出向先で働くベテラン児童福祉司で指導係も担当する蔵田総介を林遣都が演じ、翼と蔵田がバディを組んでさまざまな問題に向き合っていく。

福原は「月9」初出演にして初主演。今回の起用について「私にとっては月9という存在がとても大きくて。小さい頃からたくさん月9のドラマを楽しんできたので、まさか自分がそこに出られるんだと思うと、いまだに信じられないくらいうれしいです」と歓喜のコメントを発表しており、「私も昔から楽しませていただいた場所なので、今度は私が視聴者の皆さんにその楽しさや感動を伝えられるように精いっぱい頑張りたいと思います」と意気込みを口にした。

福原といえば、子役時代にNHK教育(Eテレ)で放送されていた『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』でメインキャラクターの「まいんちゃん」を演じていた経歴があり、大人になった現在も彼女のことを「まいんちゃん」と呼ぶファンがいるほどそのイメージが定着していた。

それだけ長く愛されるキャラクターを演じたのは素晴らしいことだが、あまりに子役イメージが強すぎると女優としての成長が難しくなる。実際、福原は抜群のビジュアルと演技力のポテンシャルを持ちながら、しばらく「まいんちゃん」のイメージから抜け出せずに伸び悩んでいた時期があった。

そのイメージが大きく変わるきっかけとなったのが、2,545人の中からオーディションでヒロイン役を射止めた2022年度後期のNHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ!』。空とパイロットにあこがれを抱くヒロインが、大きな挫折を経験しながら最終的には町工場同士をつなげる会社を起業するという、女性の成長ストーリーを見事に演じ切った。


本格派の女優として才能を開花させた福原は、2023年に水上恒司とW主演した映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の大ヒットでファン層を拡大。同作で「第47回 日本アカデミー賞」の新人賞に選出され、CM契約も大きく増加させたことで、注目の若手ブレイク女優となった。

NHKドラマ『正直不動産』シリーズでの好演も人気の高まりにつながり、長らく残っていた「まいんちゃん」時代のイメージを払拭する大活躍となった。

「大人の女性」をうまく演じられるようになったことが最大の成長といえるが、その新境地の一つの集大成になりそうなのが、放送中のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の花魁・誰袖役だ。5月11日に放送された第18話では、誰袖の花魁道中のシーンがあり、多くの視聴者がその美しさと艶やかさに感嘆した。

『べらぼう』における花魁というと、小芝風花が演じた瀬川が強烈なインパクトを残したが、SNS上では「瀬川とは違った色気があっていい」「瀬川はクール系だったけど、誰袖は小悪魔っぽい可愛さがある」「自分は瀬川より誰袖派かも」などと福原の花魁ぶりを称賛する声が続出。「誰袖のふだんの姿と花魁モードのギャップがすごい」との声もあり、演技力に圧倒された人が多かったようだ。

完全に「大人の女優」に進化したといえそうだが、こうなると福原が「もう、まいんちゃんと呼ばれたくない」と思っても不思議はない。しかし、福原は昨年4月にEテレの料理番組『きょうの料理』に出演した際、『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』で料理監修を担当した料理研究家の市瀬悦子さんと共演し、当時の映像やエピソードを振り返りながら調理に挑戦。画面にも「お久しぶりのクッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」とのテロップが出され、いわゆる「黒歴史」にしていないことが明確化された。

出演当日、福原は自身のSNSで「今あるのは、まいんチームの皆さんのおかげなので心から感謝の気持ちでいっぱいです」などともつづり、「まいんちゃん」は自身のルーツであり、今の自分はそれなくしてはあり得ないと強調した。


ブレイクした途端、昔の仕事を「なかったこと」にするタレントは少なくないが、「まいんちゃん」時代を大切にする福原の謙虚な姿勢は、昔から彼女を応援していたファンからの好感度を大きく上げることになった。

朝ドラヒロイン、大河ドラマの花魁役、あこがれだった初の月9主演と、順調にステップアップを続けている福原。かわいらしさを残しながらも「大人の女優」に完全進化したことで、今後さらに演技の幅が広がっていきそうだ。

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