2023年いっぱいでSKE48を卒業し、現在はソロアイドルとして活動する江籠裕奈が6月18日、3rdシングル『Only Lonely』を発売する。どんな思いで今作を迎えるのか。
そして、江籠がなぜソロアイドルとして生きることを選択したのか、について迫った。

【写真】ソロアイドルとしてステージに立つ江籠裕奈【8点】

――これまでは「かわいい」がテーマの曲が多かったですけど、今回は違いますね。

江籠 そうですね。今までは、気づいたら「かわいい」を歌うことになっていたけど、そのイメージはあくまでファンの方が作り上げてくれたものです。

――そんなことないです。本人からにじみ出てしまうものですよ。

江籠 いやいや。……そう、今回の衣装は黒ですから。めっちゃかわいくないですか? ファンの方も好きそうだなと思いました。私自身も気に入っています。衣装さんは、私が大信頼している方なので、お任せしました。

――これまでの楽曲は自らが作詞(もしくは共作)してきましたが、今回は……。


江籠 初めて自分で作詞しませんでした! 作詞家さんにお願いして、作っていただきました。これまでもその選択肢がなかったわけじゃないけど、ソロ活動2年目の一発目の曲なので、変えるならこのタイミングかなということになりました。

――去年リリースのアルバムは全曲作詞しましたよね。

江籠 はい。10曲以上書いたので、自分ができるものは一旦出し切ったかなと思いました。アルバムはいろいろな角度から書いたので、このタイミングで制作から離れてみてもいいかなって。でも、やっぱり作詞するのは好きだななんて思ったり(笑)。そういう気持ちに気づけたから、一旦離れたことにも意味がありました。

――他の人のために作詞する機会があってもよさそうですね。

江籠 いつかSKE48に書いてみたいです。ユニットでも何でもいいですけど。

――江籠さんを敬愛するメンバーだったら大喜びですね。
井上瑠夏さんとか。

江籠 それは夢ですね! その曲をライブで歌っているのを見たら、感動して泣いちゃうかも。大人数で歌ってもいいのかなという曲も作ってきたので、誰かに「江籠さんの曲をやってみたいです」と言われたら、見てみたいですね。私、ファンの方がどんな顔をするだろうって想像しながら何かを作るんです。ライブのセットリストなら、ここでグッときてほしいなとか。もしその機会があるなら、ファンの方とその曲を歌うメンバーを想像しながら作詞するでしょうね。

――最新曲の音源を聴いて思ったのは、歌声が強くなったなということでした。

江籠 自分の声は嫌いではないけど、3年前に初めてソロ曲をリリースさせていただいた頃と比べれば、声の出し方は変わったと思います。先生について練習もしていますけど、歌うときって筋肉を使うので、運動なんですよ。腹筋も使いますし。

――理想のパフォーマンスを100としたら、現在はどれくらいの位置にいると思いますか?

江籠 数字で答えるのは難しいですね。やれることは常にやっているので、その都度100の力を出してはいます。
でも、まだもうちょっと先にいけると思っています。

――そのために取り組んでいることは?

江籠 あります。でも、頑張っていることを自分で言いたくないので、言わないです。ライブに来て、感じていただければ嬉しいです。

――先日、ファンダムの設立を発表しましたが、ファンダムとは何なのか、説明をお願いします。

江籠 ファンクラブは、私が皆さんに楽しんでもらうために各サービスを提供するものですけど、ファンダムはファンの方が私のために何かをしてくださる集まりです。例えば、新曲をリリースしたとき、リスニングパーティという形で、みんなで再生回数を上げるために盛り上げようとするとか。日本のアイドルにはまだ馴染みがないものだけど、みんなでひとつになって、盛り上げましょうっていうことです。大きいことをしようとまでは考えていないし、参加は強制ではないので、「ひとつになれる場所を作りましょう」ということですね。私ができることは、ライブやファンクラブを通してこれまでと同じようにやっていきます。

――現在はソロとしてアイドルフェスに多数出演していますね。

江籠 はい。
ソロで出演するアイドルはほとんどいないので、どう思われているんですかね? 私としては慣れましたけど……。フェスって入れ代わり立ち代わりじゃないですか。なかなか他のアイドルの方と仲よくなる時間がなくて残念です。ゆっくりできないんです。

――どんな気持ちで出演していますか?

江籠 「かましてやる」とまでは思っていないけど、持ち時間を使って、私はこんなことをしているんだよと知ってもらいたいと思って、セットリストを組んでいます。純粋に私の曲を聴いていただきたいですね。

――歌手活動とグラビアがメインですが、他のフィールドを攻めていく気持ちはありますか?

江籠 今はやりたいことはやれています。例えば、舞台はSKE48時代に一度経験してみて、もう満足しました(笑)。私、自分以外の誰かになれないんです。それができる人ってすごいなって尊敬します。私は誰かを自分の体に降ろすことができないんです。

――それは興味深い発言ですね。
あくまで自分として存在したいというか。

江籠 よく言われるんです、「ソロでアイドルやるなんて、すごいね」って。私からすると、「いやいや、誰かの役を演じることのほうがすごいよ」って思うんですけど。

――では、江籠裕奈役だったら?

江籠 それならやります(笑)。

――今のはソロでアイドルをする人ならではの考え方だと思います。

江籠 私はSKE48を卒業するときも、SKE48はやりきったなと思ったけど、アイドルの終わりという感覚はなかったんです。だから今もアイドルを続けています。この先どうなるかはわからないですけど。

――5年後はどうなっているでしょうね。

江籠 30歳かぁ……。わからないですね。10年後はもっとわからないです。
私は小さい頃から「明日も生きてるかな」なんて思いながら生きてきたので、先のことは考えられないんです。

――30歳を過ぎてもアイドルを続ける例はありますよね。

江籠 私は誰かと自分を重ねたことがないんです。だから、未来しかその答えを知らないんです。アイドルを辞めようと考えるのは、いつなのか。そして、それがどんな瞬間なのか……。自分でも気になりますね。

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