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先日『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』(TBS系)が最終回を迎えた。この作品の中心となったのは村上家。多部未華子演じる母の詩穂と、娘と、一ノ瀬ワタル演じる居酒屋の店長として働く、父の虎朗(とらお)。スタート前は「専業主婦VS兼業主婦の話?」などの予想が飛び交い、既婚者向けのドラマかと思いきや、まったくそうではなかった。未婚、既婚に関わらず、現代社会と対峙する人たちの葛藤や疑念が1時間の放送時間内に詰まっていた。ドラマの意向が視聴者に伝わったのか、TVerお気に入り登録者数も110万人を超えて、大円団となった。めでたし。
放送中から気になっていたのは、一ノ瀬ワタルだ。火10の人気放送枠の出演に加えて、あの多部未華子の夫役。
◆運命の『サンクチュアリー聖域―』
ざっくりと、私が記憶している範囲での一ノ瀬ワタルの出演作を振り返ってみたい。
2011年付近から芸能活動を始めていて、映画『クローズZERO II』など多くの作品に出演しているが、役名がなかったり、セリフが一言二言だったり。そんな彼に白羽の矢が立った作品といえば『サンクチュアリー聖域―』(Netflix・2023年)の主人公・小瀬清こと、力士名・猿桜(えんおう)。父親が抱えた借金のために崩壊した家を取り戻そうと、相撲部屋に入門。かわいがりや、しごき、いじめ、稽古を受けながら力士として立ち上がっていく物語だ。
たまたまこの制作スタッフに友人がいて、制作中の話を聞いていた。
「今、Netflixの作品を撮ってて、主演が一ノ瀬ワタルって言うんだけど」
「一ノ瀬ワタル? 知らないなあ」
「いいやつなんですよ」
こんな会話をしたことを覚えているが、主演のネームバリューをよそに、作品は大ヒットになった。一ノ瀬の名前が知られるようになったのはこの後だ。
同年『インフォーマ』(関西テレビ系)にキム役で登場。深夜ドラマにも関わらず、作品はヒット、翌年『インフォーマ~闇を生きる獣たち』(Abema)でも話題を呼んだ。
◆中村倫也との共演作品は当たる、当たる
実は彼がちょい役だったドラマも、ヒットしていた。2021年『親バカ青春白書』(日本テレビ系)を覚えているだろうか。コロナ禍真っ只中とあって、エンタメも世間もしぼんでいた時期に思い切り笑わせてもらった、親バカの父が主人公のドラマだ。ここにも(覚えていないけれど)一ノ瀬の出演があったらしい。同年に出演の『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京)も、深夜ドラマとは思えない人気を残している。
2022年にも『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(T B S系)に出演していたが、この作品も評判が高かった。
◆「一ノ瀬ワタルの出演するドラマは当たる」伝説が開花?
年代を戻そう。
2024年は朝ドラ『おむすび』で仲里依紗のマネジャー役、『Believe―君にかける橋―』では主演の木村拓哉演じる狩山と、同じ刑務所にいた灰谷役。そして冒頭の『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』へとつながっていく。これは必然なのか、偶然なのか。
少し前から「野呂佳代が出演するドラマは当たる」といわれる、これもまことしやかな噂のような法則が世間に広まった。この法則は当たっていた。今年はこの法則に一ノ瀬ワタルが参入してくるのだろうか? と考える。
ふと一ノ瀬が“元格闘家”のキャリア通り、ごっつい体格を思い出した。俳優軍では珍しい体型で、明らかな強面なのに、笑うと可愛い。このギャップが良かった。野呂佳代も見ているだけでこちらが幸せになる朗らかさと、元ぽちゃモデルのふっくらとした体型が特徴的だ。二人を並べて考えると2025年下半期は「一ノ瀬ワタルの出演するドラマは当たる」伝説が開花するかもしれない……は私の勝手な予想ということでご了承いただきたい。
11月には『イクサガミ』(Netflix)の配信を控える一ノ瀬。39歳、シンデレラおじさんの行方も、作品の人気ぶりも気になる。
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