【関連写真】嵩と千尋が胸の内を話し合う『あんぱん』第54回【5点】
中沢は、若者らしい清潔感のある垢抜けた姿で登場。鈴木奈穂子アナは「現代っ子すぎて…」と、直前にオンエアされた『あんぱん』次週予告の重苦しい雰囲気とのギャップが大きい中沢の今風な姿に苦笑い。
視聴者からは、中沢のプレミアムトーク出演に関し、悲鳴にも似た反応が寄せられたようだ。というのも、朝ドラ出演者は『あさイチ』プレミアムトークに出演すると、そのままドラマから退場、つまりは亡くなって出演しなくなるというジンクスがあるからだ。視聴者は、中沢演じる柳井千尋に立った“死亡フラグ”を悲しんでいる、というワケである。
『あんぱん』は、「アンパンマン」の原作者のやなせたかしとその妻・小松暢をモデルとし、中沢の役どころは北村匠海演じる柳井嵩の弟・千尋。京都帝大で法律を学ぶも、卒業が半年繰り上げに。海軍予備学生に志願し海軍対潜学校に入って駆逐艦の任務のための技術を叩き込まれ、海軍少尉となる。
一方、芸術学校を卒業して製薬会社に就職した嵩は兵役に就き、高知連隊から小倉連隊へと配属。幹部候補生試験を受け乙種合格し、伍長に昇進した。
12日に放送された『あんぱん』第54回では、2人の兄弟が3年ぶりに再会し、互いの本音をぶつけ合う。幼馴染みだった朝田のぶ(今田美桜)への想いや、家族そして兄弟お互いへの想いを語り合うのだった。
1話分15分間、ほぼ2人だけの演技は視聴者の胸を打ち、千尋の「この戦争さえなかったら!」「愛する国のために死ぬより、わしは愛する人のために生きたい」という魂の叫びは大きな感動を呼び起こしていた。
中沢は同日の夜、自身のインスタグラムに北村との“兄弟ショット”を投稿し、翌日の「あさイチプレミアムトークもよろしくお願いします!」と綴っていたが、視聴者から中沢の出演を喜ぶ傍らで、前述のような「死亡フラグ」を心配する声も大きかったのだ。
さて、プレミアムトークでは北村がVTR出演。中沢について「気持ちのいい弟で、どう見たって嵩よりかっこいいですし、まぶしい」と印象を語ると、「芝居も実直で生真面目」と評価。
アクションをやりたいという中沢の相談を受け、ドラマや映画で人と闘うシーンを多く経験してきた北村は、取っ組み合いのシーンでのちょっとした立ち回りのコツを教え、楽しく演じられたと述懐。
砂浜での背負い投げのシーンのために、中沢が1カ月以上も練習と体作りをしていたことを明かし、「小栗旬さん率いるあの事務所(※トライストーン・エンタテイメント)ってみんな筋肉隆々なんです」と話し、見る見る体が大きくなっていく中沢を真面目だと感じたという。
そんな2人の思いがぶつかり合った12日のシーンについて、北村は「シビレましたね」と口を開くと、シーンを撮り終えた後に中沢が悔しそうにしていたと明かし、「100点を出せなかったと悔しそうにしている彼を見て、だからこそ出た複雑な感情とか、涙が流れるのがすべてではないし、涙が流れないからこそ僕に伝わったものもあった」と振り返った。
そんな重要なシーンの撮影現場には、中沢の先輩で事務所の社長である小栗が現れたという。モニターの前に人が集まっていることに気付いた中沢が見てみると、「小栗さんが仁王立ちで立ってて…」と苦笑い。北村と2人で「ええ~っ!」と驚いたという。
中沢と北村は「小栗さんにいいところを見せようじゃないか」と奮い立ち、そこでスイッチが入り、凄みのある迫真の演技につながったようだ。
6日放送の『あさイチ』プレミアムトークに出演した小栗は、中沢ら事務所の後輩たちをなんとかもり立てようとする姿が印象的だったが、小栗のそうした後輩思いな部分が、中沢の演技力をより鮮明に引き出したのかも知れない。
【あわせて読む】『あんぱん』嵩と千尋“兄弟”の会話だけで見せた15分、SNS「なんて濃密」「圧巻の15分でした」