今や若手女優では最大の注目を浴びる玉城が、3月5日(木)より放送、6日(金)より配信の『そして、ユリコは一人になった』(U-NEXT/カンテレ)で、主演。第18回『このミステリーがすごい!』大賞のU-NEXT・カンテレ賞を受賞した貴戸湊太の原作。
玉城が演じる嶋倉美月が通う百合ヶ原高校には「ユリコ様」伝説が語り継がれていた。学園の女王「ユリコ様」になれるのはたった1人、学内に複数「ユリコ」がいる場合、女王以外はすべて淘汰されるというおぞましき伝説に、親友の矢坂百合子を守るため、天才女子高生・美月が挑む。このミステリアスな物語の主役を演じる彼女に意気込みを聞いた。
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──今回の『そして、ユリコは一人になった』のオファーを受けた際、まず率直に何を思いましたか。
玉城 一体どんな話なのか、興味津々で脚本を読み始めましたが、回を重ねるごとにお話に引き込まれていきました。最初にオファーをいただいたときは、7話までの脚本しかなくて、最終回の8話を衣装合わせの際に読むことができたんですが、そこで初めて「私が演じる美月って、こういう女の子だったんだ!」という驚きと、納得がいく感じの両方があって、面白かったです。
──では最終話でいろいろな謎が解ける仕掛けだと。原作者の貴戸湊太さんにはお会いしましたか?
玉城 はい、貴戸先生はロケ現場の秩父まで来てくださって、その時に「美月にぴったりです」というお言葉をいただけて、それを意識しながら撮影を続けました。
──玉城さんは美月というキャラクターをどのように演じて行こうと思われましたか?
玉城 美月は一言では言い表せない、裏も表もありそうな人物ですね。人を見透かしているようなところもあるし、同級生の中でも一目置かれているような存在。
──美月はミステリアスな雰囲気がありますが、ご自身と近い部分はありますか?
玉城 私は美月ほど一匹狼ではないですが(笑)、一人でいることは好きですし、私もよく「何を考えているか分からない」と言われるんです。でも、本人からしたら何も考えてないんですよ(笑)。見た目がそう思わせるだけなんでしょうね。
──近寄りがたい雰囲気を持っているのかもしれません。
玉城 それはよく言われるんですが、私としては「そんなことはありません!」と伝えていきたいです(笑)。でも美月にはそういうところがありますね。
──演じる上で気にかけていたことは?
玉城 ミステリアスな雰囲気を強調するために、声のトーンを少し変えたり、一つ一つの動作にも気をつけていました。
──美月のセリフは、全体の話を決定するような、重い一言が多いように感じました。
玉城 確かにそういう、池に石を投げて波紋をみんなに伝えるような役割もあります。でもその分、セリフに意味を持たせ過ぎずに話すのがとても難しかったです。
──撮影自体はどのくらいの期間でしたか?
玉城 2、3週間ぐらいです。1日の中で、1話を撮って、4話を撮って……というように、シーンも話数もバラバラだったので、その時の心境を間違えないよう、気持ちがつながるようにするのが大変でした。でも監督が常に「このシーンはこういう心境です」と撮影を始める前に仰ってくれました。
──下山天監督と、杉山嘉一監督のお2人が演出をされているんですね。
玉城 私も監督がお2人いると聞いて、それぞれの話数で、どういう風に焦点を合わせればいいんだろうと思っていたら、毎回、どの現場にもお2人が揃っていらっしゃるんですよ。下山監督はカメラも担当されていて、杉山監督は脚本も書かれているので、お2人がいいコンビネーションで互いを補い合っているようで、まさに美月と矢坂百合子のような関係でしたね。
──役者さんによっては、役が抜けない憑依型の方もいらっしゃいますが、玉城さんはカットがかかったら、役が抜ける方ですか。
玉城 はい、クランクアップしたら終わり! でリセットされるタイプです。今回も、カメラが回っていないところでは普段の自分でした。
──スイッチが入ると役になるタイプなんですね。
玉城 そうですね、いつも役に入るスイッチを探すんですが、美月の場合は分かりやすかったです。
──役は自分に引き寄せるタイプでしょうか、それとも接点を見つけていくタイプですか?
玉城 半々だと思います。美月にしても彼女なりの葛藤を持っているキャラクターだと思いましたし、どの役を演じても思うことですが、人の欠けている部分をどれだけユーモアに変えられるか、面白く伝えられるかが役者の仕事だと思っているので、この役も美月の正義感を思いながら演じていました。完璧、とか普通、というのが解釈としては難しいので、その人の欠けている部分に寄り添っていく方が私は演じやすいです。
──親友の矢坂百合子役・岡本夏美さんとの共演シーンが多いですが、共演の皆さんの印象は?
玉城 岡本さんとは年齢も1つしか違わないので、現場でもすぐに打ち解けました。初日が二人のキスシーンまがいのシーンから始まったので、緊張しました。先生役の平岡祐太さんも、生徒役をされていた頃から私はドラマを観ていたので、今回平岡さんが先生役で、私が生徒役でご一緒できるのが感慨深かったです。
──このドラマでは高校生役を演じていますが、演じていてご自身の高校時代を思い出すことは?
玉城 今思い返すと、思春期真っただ中でしたね。学生時代って、ある種の支配欲というか、友達に対しても「この子は私の友達!」みたいにグループを作っちゃう感じがあって私も確かにそういう経験があったなと、思い出すことがありました。
──『惡の華』(2019年9月公開)の仲村さん役の際はいかがでした?
玉城 さすがに仲村さんみたいに生きていたら、生きづらくてしょうがないです(笑)。でも、演じていて楽しかったです。
──美月の通う高校には「ユリコ様伝説」が代々伝わっているという設定ですが、こういう都市伝説めいたものって、玉城さんが通っていた学校にもありましたか?
玉城 ありました! 何かと噂や伝説っていつも広まっていた覚えがありますが、ちょっとオカルトっぽいものが多くて、あまり思い出したくないかも(笑)。
──たぶん幸せな話って広まらないんでしょうね。
玉城 そうかも(笑)。悪い噂ほど広まるのかもしれませんね。
──ところで、去年から今年にかけて、映画やドラマに出ずっぱりの大活躍ですが、プライベートの時間はどんなことをして過ごしているんですか。
玉城 家にこもっている時と、旅行に行くときで、差が激しいですね。私としては自分を違う場所に置いてあげるのがリセット法なんです。だから積極的に旅に出るようにしますが、家の中で完結してしまうことも多くて、極端ですね。家では映画を観たり本を読んだりもしますが、基本、寝ています(笑)。省エネモードというか、わざと丸一日かけてオフの時間を作り「明日から頑張ろう!」とエネルギーを蓄えておく感じですね。
──それでは最後に、『そして、ユリコは一人になった』のここを観てほしい、というところをお話ください。
玉城 ドラマのタイトルからも分かるように、ユリコはどうやって1人になるのか、疑問が湧いてくるかと思います。
▽『そして、ユリコは一人になった』(U-NEXT/カンテレ)
スケジュール:3月5日(木)より放送開始/6日(金)より配信開始
放送局:カンテレ毎週木曜日 24:25~24:55(関西ローカル放送)
※初回放送は24:26~。各放送回はドラマ公式サイトまで。
独占配信:U-NEXT 毎週金曜日10:00より配信スタート
原作:宝島社文庫『そして、ユリコは一人になった』貴戸湊太
脚本:杉山嘉一
監督:下山天 ・杉山嘉一
出演:玉城ティナ、岡本夏美、小越勇輝、紺野彩夏、柴田杏花、森迫永依、天野はな、大原梓、中尾有伽、野々村はなの、松井健太、小平大智、福澤重文/平岡祐太
<スタッフクレジット>
スタイリスト:丸山佑香 (まきうらオフィス)
ヘア&メイク:今井貴子
<衣装協力>
ドレス¥80,000/スーアンダーカバー(アンダーカバー) 問い合わせ先:03-3407-1232
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