俳優デビュー25周年という節目に、15年ぶりの写真集『Midday Reverie』を出す上戸彩さん。台湾を舞台に、「以前から作品の雰囲気が好きだった」と語る写真家の川島小鳥さんとタッグを組んで、プライベート感満載の愛らしい写真集を作り上げた。
今回のオファーがあったときは戸惑いがあったと語る上戸さんに撮影エピソードを中心にお話を伺った。(前後編の前編)

【写真】15年ぶりの写真集を発売、上戸彩の撮り下ろしカット【6点】

――『Midday Reverie』は上戸さんにとって15年ぶりの写真集です。

上戸 正直、「写真集を出しませんか?」というお話をいただいたときは、「なんで今?」という気持ちが一番でした。今の私が写真集を出して、手に取ってくれるんだろうかという疑問がありましたし、誰も買ってくれないんじゃないかと今も不安でしょうがないです。

――写真集に合わせてボディメイクはされましたか?

上戸 まだ街に緑が綺麗に残っているうちに撮りたいということもあり、トレーニングはやりたかったんですけど、全く鍛える時間がなかったんです。

――十分、体は仕上がっているなと感じましたけどね。

上戸 時々、昔からお世話になっているトレーナーさんに見てもらいながら、健康維持のためのトレーニングはしているんですが、本音は写真集のために体を鍛えたかったです。もっと腹筋も割りたかったですし……だから、ちょっとぷよっています(笑)。

――ロケ地に台湾を選んだ理由は?

上戸 子供を置いて行くので、近場というのが第一優先でした。国内の島なども考えましたし、日本のほうが落ち着くかなとも思ったんですが、いろいろ話し合った結果、台湾にしましょうと。海外でも台湾なら、数日家を空けるだけになるので。

――普段はお仕事でも家を空けるのは難しいんですか?

上戸 1泊するだけでも家族会議です(笑)。


――過去に台湾に行かれたことはありましたか?

上戸 一度だけ、映画『テルマエ・ロマエII』(14)のレッドカーペットイベントと舞台挨拶で行ったことはあったんですが、そのときは街中を歩く時間がなかったんです。今回は台北から台南まで新幹線で移動しながら撮影をしたんですが、台北は石垣島のような雰囲気で味わいがありましたし、台南もとても過ごしやすい環境で、特にマッサージが気持ちよくて!

――マッサージにも行ったんですか。

上戸 夜の12時くらいに、スタッフさんもみんなで行きました(笑)。食べ物も何を食べても美味しくて、特に屋台のおやきがお気に入りでした。かき氷のフルーツも瑞々しくて新発見でした。あと、おこわ屋さんで出てきたおこわが、私の母親が作るおこわそのもので、入っている具材も味も全く一緒だったんです。母親は台湾にゆかりがあるので、そういうのも感慨深かったです。

――今回の写真集はプライベート感のある写真が多いですよね。

上戸 かっこつけたり、自分をよく見せたりすることが苦手なんです。今回は事前にスタッフの方とお話したときも、「自己満足の写真集は避けたいですね」というのが共通した意見でした。

――昔からかっこつけるのは苦手?

上戸 そうですね。ファッション誌などで、「こういう感じで撮りたいのでお願いします」というテーマがあればスイッチを入れられるんですけど、今回の写真集はそういうのがなかったんです。
日常から離れて、妻であることも母親であることも忘れて、ただただ台湾の一人旅を楽しんでいるという内容になりました。子供が生まれてから、そういう時間はゼロだったので、ありがたい時間でした。

――撮影を担当した川島小鳥さんとは今回が初めてのお仕事だったそうですね。

上戸 はじめましてでした。新しい自分を見てみたかったというのと、小鳥さんが出している『未来ちゃん』という写真集が昔から好きだったんです。小鳥さんの資料をいただいたときに「あ、『未来ちゃん』を撮っている方なんだ」と気付いて、全員一致で「小鳥さんにお願いしましょう!」ということになりました。

――小鳥さんの撮影スタイルはいかがでしたか。

上戸 被写体が私だけではなく背景にもあるのが、写真家さんらしいなと感じました。あと小鳥さんは本当に枚数を撮らない方なんです。私も心配になるぐらい撮らなくて(笑)。大袈裟じゃなく一か所につき2、3枚で「じゃあ移動しましょう」「次あっち行きましょう」みたいな。でも、どの写真も素敵でチェックするたびに「いいね!」とみんなでハイタッチをしていました。


――衣装やヘアメイクなどで、上戸さんからリクエストすることはありましたか?

上戸 衣装はスタイリストさん、メイクはヘアメイクさんが作りたいように、やりたいようにやってもらいました。昔からお任せするのが好きなんですよ。皆さんプロなので、それぞれが作りたいものを作ってもらって、私がそれをレンズの前で発表するみたいな感覚です。たとえば「今日やりたいメイクある?」と聞かれても、いつも「お任せです」と答えています。

――完成した写真集を手に取ったときは、どんなお気持ちでしたか

上戸 15年ぶりの写真集とか、デビュー25周年とか、そういう年数にこだわりがないほうなのですが、こういう写真集を企画していただけたことに感謝でしたし、この年齢の自分を写真集に収めてもらったことがうれしかったです。

▽『上戸彩写真集 Midday Reverie』
発売日:2025年7月10日(木)
定価:3850円(税込)
発売:宝島社

▽上戸彩
1985年生まれ、東京都出身。1997年に芸能界入りし、2000年代にドラマやCMで大ブレイク。9月26日公開予定の映画「沈黙の艦隊 北極海大海戦』に出演。
公式サイト:https://tkj.jp/book/?cd=TD058447
X:https://x.com/ayaueto_mr

▽衣装
トップス¥57,200
スカート¥64,900(2点、RIV NOBUHIKO/ハルミ ショールーム)
イヤリング〈1点〉¥110,000
イヤカフ ¥74,000
リング¥129,000(3点、oeau/ハルミショールーム)

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