【写真】HKT48 19枚目シングルセンター・地頭江音々、ステージ写真ほか【7点】
HKT48の19thシングルの選抜メンバーが公表されたのは、6月1日のこと。遡ることおよそ1か月。全メンバーに召集がかかった。そろそろシングル発売の時期だろう。長く活動を続けると、それくらいのことはわかる。活動9年目の4期生・地頭江音々もピンときていた。
地頭江 (招集場所の)HKT48劇場に入ったらカメラが3台回っていて、「おやおや?」と思って(笑)。選抜発表があることに気づいてはいたけど、9年目の私ですら全メンバーが集められての発表は初めてだったので緊張しました。
HKT48の選抜メンバーは、個別で連絡を受ける場合が多い。ところが、今作はスタッフが全メンバーの前で選抜発表をする。
地頭江 6月1日のコンサートについての説明があった後、最後に選抜メンバーが発表されました。発表の瞬間は戸惑いました。私は劇場公演でセンターに立たせていただくことは何度もあったけど、シングルのセンターは初めてだったからです。
HKT48にはチームHとチームKⅣが存在し、それぞれが公演を行っている。地頭江はチームKⅣ公演のセンターに立っている。それはメンバーにとってもファンにとっても当たり 前の光景になっている。地頭江はパフォーマンスに定評があるメンバーだからだ。一つひとつの動きが丁寧で、お手本にしたくなるようなダンスが印象的だ。それは、チームの枠を取っ払った選抜においても変わることはない。だが、これまで選抜においての彼女の役割は、センターの脇を固めることだった。
地頭江 (自分がセンターになったことを)同期の阿紀ちゃんや先輩の秋吉優花さん、栗原紗英ちゃんが自分のことのように喜んでくれました。長く一緒に活動してきたメンバーに認めてもらえたのが嬉しかったです。
地頭江という姓は鹿児島にルーツを持つようだ。かなりレアな名字で、本人も家族以外に出会ったことがない。父には男兄弟がいない。娘は三人とも女子。「地頭江家滅亡の危機です」と笑うが、そんな家族もセンター就任を喜んでくれた。
地頭江 まず母と三姉妹のグループLINEに連絡しました。通達があったその日のうちに、です。父には個別に知らせました。みんな喜んでくれました。
喜びに浸っているばかりではなかった。初めてのセンターは見えないプレッシャーとして地頭江を襲っていた。それは、コンサートが始まる5分前のことだった。
地頭江 ファンの方に次のシングルの選抜メンバーが発表されたのは、6月1日のコンサートの日でした。その日は昼と夜の2回公演で、発表されるのは夜の部でした。お昼の公演が終わった私は楽屋にいました。その日の楽屋は2~4期、それに後輩たちに分かれていました。4期生の私は数人の先輩と同期しかいない楽屋にいました。夜の部の円陣が終わって、楽屋に戻ると、自分でもどうしてなのかわからないけど、感情が爆発してしまいました。わけがわからなくなって、涙が止まらなくなりました。
地頭江は、これから発表されることに対して、ファンがどんな反応をするのかが怖かったのではない。シングルのセンターに立つ心構えができていなかったのだ。
地頭江 ファンの方に愛されている自信はあります。それは、これまでの経験でわかるんです。なぜ楽屋で取り乱したかというと、私は自分がグループの先頭に立つことが怖くなっちゃったんです。今までの私は誰かを支える立場でした。他のメンバーが真ん中に立っているのを見て、「私が後ろにいるから好きにやりなよ。何かあったらどうにかするから」と思ってきました。そのポジションが居心地よかったんです。
落ち着きを取り戻し、コンサートを終えると、ファンの反応は温かいものばかりだった。
地頭江 終演後、メンバーによるお見送りがありました。いつもよりもじっくりとファンの方のお顔を見るようにしました。今までの思い出がよみがえってきました。泣いて喜んでくださっている方もいて、私も泣きそうになりました。それでも泣かなかったのはカッコつけたかったからです。
▽地頭江音々(ぢとうえ・ねね)
2000年9月27日生まれ、宮崎県出身。2016年4期生としてHKT48に加入。9thシングル『バグっていいじゃん』で初選抜。2023年にはファースト写真集『彼女の名前』(玄光社)を発売。2025年7月23日発売のHKT48 19thシングル『半袖天使』ではセンターを務める。
【後編】「信頼で勝ち取ったセンター」HKT48・地頭江音々が明かす“陰キャ時代”と9年間の積み重ね