【写真】単独ツアー開催中のや団
──今年は単独ではお馴染みの高円寺を飛び出し、東名阪を廻るタイトル通りの「ワールド・ツアー」。チケットも残りは大阪の夜公演と追加公演の千秋楽昼のみと、積み重ねてきたものが、もう一歩先に進みましたね。
本間 毎年同じことをしていると飽きてきちゃうし、少しでも広げていきたいなと思い、デカイ名前にしました(笑)。
伊藤 高円寺から初日の会場の武蔵野公会堂って、目と鼻の距離だし、「ワールド・ツアー」と言いながら「北は東京、南は大阪」という、どう考えてもウソみたいな広げ方で。
中嶋 はたして“ワールド”とは(笑)? それに大阪での単独は初めてなので、僕らがどんな印象を持たれているか?どんな空気になるか?読めないよね。
本間 楽しみではあるけれど、そこが気になる。大阪の夜公演があと本当に残りわずかなので……。「残すは追加公演のみ!」と言い切りたいので、大阪の皆さん、ぜひ見に来てください!
──初日の武蔵野公会堂は、大盛況。私も最初から最後まで涙流しながら笑っていました。手応え的に今まで以上のものだったのでは?
本間 前回までは、比較的にキャラクターや立ち位置を固定したネタが多かったんですけど、今回は大きい舞台でしかできないネタとか、モニターを使ったりしたり、色々なチャレンジができて。良いコントって第一稿から最初ウケるんです。
伊藤 幕間の映像でも笑いが起こっていて。「今回はいつもと違って、それぞれの役割も違っていたからバラエティに富んで楽しかった」といつも制作してくれる方からも感想をもらえましたし、良かったと思います。
中嶋 逆に僕は「バラエティ豊か」なところに危機感を抱いているんです。どのネタもいいんですけど、「これ!」という一本がまだなくて、今年の『キングオブコント』優勝を狙うにはちょっと弱いかなあと。見に来た人の意見を聞くと、好きなネタが結構バラけていて。全体的にウケているってことは、一番の一本がないということでもあって。もっとブラッシュアップし続けないと、さすがに今年はヤバイと思います。
伊藤 来てくれた人が、「良い」という言葉は多かったんです。このツアーでパワーアップさせていかないと。
──中嶋さんの口から出ましたが、やはり今年もや団の前に「キングオブコント」が大きな壁として立ちはだかりそうですね。
中嶋 去年終わった後、(ニッポンの社長の)辻くんから何か言われたよね。
本間 そうそう。「こっちの世界へようこそ。同じ感じで行けるのは3回目までだから」って言われて(笑)。さすが5年連続で出ている辻くんに言われると、危機感増しまくりです。
伊藤 個人的にキツいのは決勝以上にじつは準決勝なんです。全部終わって、壇上のスタッフさんが客席側にいる進出者の名前を読み上げる瞬間の空気のヒリつきがキツすぎて。もう二度と体験したくないレベル。そうしたらこの前、家で『バチェラー』を見ていたら、バラの花束を渡すときに女の子たちが緊張しながら待っている間が、「キングオブコント」の発表の時と全く同じで。もう……全然楽しくなかったんだよ。
一同 (笑)。
本間 完全に『キングオブコント』に縛られる続ける人生(苦笑)。早く優勝して、この呪縛から解き放たれたいです。
──や団の面白さはお茶の間にもより届いていると思うんですよね。本間さんが格闘技・プロレス系の仕事で、ロングさんは『チャンスの時間』(ABEMA)で大活躍、そして中嶋さんはラーメン仕事に加え『水曜日のダウンタウン』(TBS系)のMCドッキリで注目を浴びましたし。
伊藤 いやあ、少しは街中で指されるようになりましたけど、全然です。
本間 先ほど撮影していたら、脇を通ったサラリーマンの方が横目で「誰だろう?」と、僕らの顔をジッと見て、すぐに首を傾げてましたから(笑)。
中嶋 まだまだ何も足りてない (笑)。けど最近は佐久間(宣行)さんの『NOBROCK TV』でアンガールズの田中(卓志)さんが名前を出してくれて。ケンドーコバヤシさんもラジオで僕らの挨拶「どぅーもです」をイジってくれたり、色々な芸人さんが各所で僕らの名前を出してくださるんです。それが嬉しいですね。
──音楽家から愛される音楽家を「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と呼びますが、や団は「芸人ズ・芸人」なんでしょうね
本間 僕の大好きなThe ピーズがまさにそうです。僕らもピーズのように仲間たちに愛されながら、なんとか売れていきたいです。
──そして今年は『八千代コースター』(NST新潟総合テレビ)内のラーメン企画「らぁめんや団」が始まり、いよいよローカルスターへの道も拓けました。
伊藤 TVerにもYouTubeにもない、新潟県民の方だけが見られる番組なんです。
中嶋 新潟の人にとって『王様のブランチ』(TBS系)のような土曜日午前の定番番組。
本間 僕も中嶋も埼玉育ちで、ロングは神奈川。唯一、中嶋が新潟で生まれたことが地方との唯一の繋がりなんです。なんとかしがみ続けて、来年のツアーでは「北は新潟」って言えるぐらい、新潟でも愛される存在になりたいです。