【写真】数々の難関資格を取得してきた武藤十夢
「情報セキュリティマネジメント試験」とは、企業や組織で情報を安全に管理・運用するための知識やリスク対応力を問う国家資格。情報漏えいやサイバー攻撃といったニュースを頻繁に目にするようになった今、注目が高まっている資格だ。
「2024年9月から、サイバーセキュリティ事業を展開する株式会社アクトの広報として活動を始めたことがきっかけです。詐欺やアカウント乗っ取りなどの被害が多いなかで、サイバーセキュリティを扱う企業に関わるのであれば、そういう知識を持っておくべきだなと挑戦を決めました」
これまで全く触れてこなかった分野の資格試験への挑戦。当初は、戸惑いの連続だったという。
「まず、用語がわからない(笑)。アルファベット3文字とかの略語も多かったので、それを1つずつ調べながら参考書を読み進めていくのが本当に大変でした。今回はアクトさんのYouTube企画でもあったので、そこで先生役をしてくださった社員の方に聞いたり、自分で単語帳を作って覚えたりしました。大事なのはまず読むこと。『今日はここまで』という感じで参考書や教科書を細分化していって少しずつ読み進めていくんですけど、そのうえで実際に問題を解くと、自分ができないところはもちろん、何を覚えなくちゃいけないかが見えてくるんです」
忙しい日々のなか、仕事と勉強との両立も気になるところ。
「ある程度、知識が入るまではちゃんと勉強する時間を作っていましたけど、今回の試験は、過去問に挑戦できるサイトがあったので、ネットサーフィンする感覚で、常に過去問を解いてました。ヘアメイクの時間とか、電車のなかなど…。普段からどうしてもスマホを触ってしまうので、どうせなら勉強しようと。YouTubeやSNSを見たい気持ちをぐっとこらえて過去問をやっていました。教科書の内容を覚えてからじゃないと過去問には挑戦できない、と思っていた時期もあったんですけど、実際の問題に触れて『こういう解き方するんだ』と、テキストを利用する方法もあるんだなと途中で気付いたのも大きかったです」
スキマ時間の活用は、AKB48時代に培ったものでもあるという。
「当時は気象予報士の資格の勉強をしながらアイドル活動をやっていたので、他のメンバーが撮影している間の5分間でも、『よし、一問一答!』というような感じで勉強していました。そういったスイッチの切り替えは得意な方かもしれません。あとは、やっぱり根性(笑)。やってやるぞ感、勝負強さみたいなものはAKB48だったからこそ身についた部分ですね」
今回、情報セキュリティマネジメント資格試験を通して、情報セキュリティの重要性を改めて実感したという。
「この試験の勉強をするまで、パスワードは長ければ長い方がいいと思っていたけど、今はパスキーの方が安全だとか、知らなかったことばかり。この間も、私が登録していたショッピングサイトで情報漏えいがあったんです。
これまでも、気象予報士や防災士、ファイナンシャル・プランニング技能士2級、キャリアコンサルタントなど、さまざまな資格を取得している武藤。資格取得に向けて、モチベーションを保つコツは?と聞くと、「やらなきゃいけないという状況に追い込むことかな」と笑う。
「この資格を取ったときの自分と、取らなかったときの自分を想像したときに、毎回『いや、取るしかないでしょう!』と思うんです。追い込まれるのが好きなのかもしれないです(笑)。気象予報士は、AKB48時代に番組の企画だったこともあって、あとに引けないというのもありました。当時の私は良くも悪くも何も持っていなかった。資格を取れば、それが自分の武器になると思いましたし、実際に合格後はすごく自信を持てるようになりました。頑張りが実を結んだことで、やればできると思えたんです。
資格があるからと、AKB48時代の仲間から相談を受けることも少なくない。
「お金の話を相談されることが意外と多いです。最初は『NISAってやるべき?』みたいなところから入るんですけど、だんだんとリアルなお金の話や給料形態の話になったりして(笑)。また、ファンの方の中に、同じ資格を持っている方がいたり、近しい業種の方がいらっしゃるので、お話し会でそういう話題で盛り上がることもあります。私のお話し会は、ちょっと変わっているかもしれません(笑)」
次に取りたい資格は、ファイナンシャル・プランニング技能士の1級。「サバンナの八木(真澄)さんが持っているんです。ただすごく難しいので、どうしようかなと思っているところです」と言うが、武藤自身は、資格マニアになりたいわけではないという。
「休みの日に何もしていないと『無駄な時間だな』って思っちゃうんです。今回の情報セキュリティマネジメントもそうですけど、資格取得を目指しているときは暇さえあれば勉強。その時間がなくなっちゃうと『何しようかな』とソワソワしちゃうんですよね。本当はそんなに追い込む必要もないんですけど、気持ち的には頑張っているときの自分の方が好きだなって。
取材・文/吉田光枝
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