女優・永尾まりやが、6冊目となる写真集『まりやぎツーリズム』(ワニブックス)を発売。「20代最後」と区切りをつけた前作を経て、30代の彼女が掲げたテーマは「観光」。
日本の「グラビア」という文化を世界に発信したいという強い思いを込め、ラブホテルや“例のプール”といった刺激的なロケーションで撮影を行った。「女性にも素敵だと思ってもらえるエロさ」を追求したという表現へのこだわりや独立後の心境の変化、アイドルプロデューサーとしての一面まで、多岐にわたる現在の活動を永尾が語る。(前後編の前編)

【写真】6冊目の写真集が話題、永尾まりやの撮り下ろしカット【6点】

──写真集は6冊目になりますね。前回は「20代最後の写真集」ということで一区切りというようなコメントも拝見しましたが、今回また出版されることになった今のお気持ちはいかがですか。

永尾 前回で最後だと思っていたので、また出せて嬉しいという気持ちです。やっぱり写真集を撮るのは楽しいなと改めて実感しました。

──今回のテーマについて教えてください。

永尾 毎回テーマは自分で決めているのですが、今回は特にメッセージ性が強い写真集かなと思っています。この「グラビア」という文化を世界に発信できたらな、という強い思いが込められています。

──そういうわけで、東京での撮影を選んだんですね。撮影のテーマはどのような経緯で生まれるのでしょうか。

永尾 前回撮った時に20代最後ということもあり「これが最後かな」という気持ちにはなっていたんですが、「次はこういう写真を撮りたいな」と考えるのがだんだん癖のようになってきて(笑)。
去年ぐらいから「観光」をテーマに撮りたいなと思っていました。

──「観光」というテーマは、どういったところから着想を得たんですか。

永尾 日本を歩いていると観光客の方ばかりなので、こういうのをテーマにしたいなと思ったのと、やはり東京で撮りたいという気持ちがあったからかもしれません。

──具体的なロケ地は、チームで相談しながら決めるのでしょうか。

永尾 「日本人にとってのおすすめ」というより、「海外の人が行きたい場所」を意識しました。スクランブル交差点とか東京タワー、秋葉原といった、分かりやすい場所が良いなというのが決め手です。

──実際に東京を回ってみていかがでしたか。

永尾 本当に海外の方しかいなかったです。東京タワーと秋葉原に関しては、本当に「逆に日本人はどこに行っちゃったの?」と思うくらいで、びっくりしました。

──近頃は日本にいながらグローバルな雰囲気を感じられますよね。

永尾 撮っている最中も周りは観光客の方ばかりだったので、このテーマにしてよかったなと思いました。ゲームセンターなんかも日本人が1人もいなくて。
ゲームセンター自体は盛り上がっているんですよ。でも、100円玉を入れてゲームをしているのはみんな海外の方。テーマにはしましたが、自分でも驚きが多かったです。

──日本で撮影していると、「あ、永尾まりやだ」と気づかれるようなことはありませんか?

永尾 屋外での撮影はスクランブル交差点と東京タワー、秋葉原くらいだったのでそんなこともなく。あとはラブホテルの中など、屋内での撮影が多かったんです。とてもスムーズに進みました。

──ラブホテルや、いわゆる“例のプール”など、刺激的な場所選びだと感じましたが、そのあたりはどのような経緯で決まったのでしょうか。

永尾 撮影チームの皆さんと仲が良いので、みんなでポンポンとアイデアを出し合う感じです。“例のプール”は私は知らなかったんですが、編集者の方が知っていて。「そんなに有名ならやりましょう」「面白いですね」という感じで、楽しく案を出せた気がします。「ラブドールとかもやりたいっすねー!」というノリで、みんなで楽しく作っていきました(笑)。

──グラビア活動は10年以上になりますよね。
その中で、永尾さんのグラビアの世界観や見せ方として、一貫して大事にしていることはありますか。

永尾 1枚の写真でメッセージが伝わるようなものを撮りたいと思っています。私が気をつけているのは、躍動感を出すこと、そしてあまり止まらないことです。ストーリー性を強めたいので、そこは意識しているところかもしれません。

──ラブホテルでの撮影には、どのようなメッセージ性があるのでしょうか?

永尾 ラブホテルは…(笑)。なんだろうな。「それを楽しんでいるか」ということですかね。ラブホテルに来て盛り上がって、「こういう演出もしちゃおう」「こういうライティングにしてみよう」と。今回の写真集は、全体的にファッションが奇抜なのですが、それは「海外の観光客がそれをした」というイメージなんです。

──確かに奇抜な衣装が多いですよね。

永尾 私自身が観光客になったような気分というか。だから、この写真の中の私は日本人じゃないんですよ。
衣装は全部奇抜にして、日本人っぽさをなくしているんです。海外の方のファッションと日本の文化の融合。ミスマッチのようでいて、でも合っている、みたいなことが綺麗だなと思ったんです。例えば、神社にすごく派手な格好で行く観光客の方も多いじゃないですか。そういうミスマッチ感が素敵だなと思って、衣装も全部奇抜にしています。

──日本なのに海外の方がたくさんいるという、今の東京の少し不思議な状況と通じるものがありますね。

永尾 エプロンなんかも、普通の日本人なら選ばないようなデザインというか。ちょっと観光客の方の服装をイメージしています。日本の文化との融合のような感じです。

──すごく不思議なデザインですよね。

永尾 そうなんです。カチューシャをつけちゃったりとか、普通はしないファッションと日本を掛け合わせたようなイメージです。


──“エロ”の見せ方というのも、意識しますか?

永尾 そうですね、見せ方は意識します。それは日々、グラビアを撮る時はいつも考えてやっています。

──長年やっていると、見せ方というより「隠し方」のようになってくるのかなとも思うのですが、ネタ切れのような感覚はないのでしょうか。

永尾 確かに、露出という点ではもうポージングで工夫するしかなくて、難しくはなってきますよね。変化をつけるのにも限界はありますし。

──前回も「過去最大露出」とおっしゃっていましたが、露出にも限界がありますよね。

永尾 そうですね。そこで今回こだわったのは、女性でも見られるような露出の仕方です。例えば、下に何も着ずにピンクのシースルーのドレスを着ているカットがあるんですけど、よく見たら「あれ?下着を履いてないかも?」と思わせるような、そういう露出の仕方をしています。女性の方にも引かれずに、「素敵だな」と思ってもらえるようなエロさを目指しました。

【後編はこちらから】永尾まりや、“ビジュ1.5倍”の30代初写真集「体作りにも変化、特に見てもらいたいのはくびれ」
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