俳優の斎藤工が主演を務めるドラマ『誘拐の日』(テレビ朝日系)が、SNSを中心に高い注目を集めている。本作は、韓国で人気を集めた同名ドラマが原作で、不器用な誘拐犯と天才少女の絆を描くヒューマンミステリー。
斎藤が演じるのは心のやさしいマヌケな誘拐犯・新庄政宗。記憶を失った天才少女・七瀬凛を永尾柚乃が演じている。

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この『誘拐の日』は、一般的な誘拐事件を描いたドラマとは一線を画す。政宗は、実の娘の手術費用を工面するため、裕福な病院長の娘である凛の誘拐を計画。人の良い政宗は最後まで犯行を迷うが、突然ターゲットである凛が気絶した状態で目の前に現れ、連れ去ることに成功する。が、計画がうまくいったと思いきや、誘拐した凛は記憶を喪失しており、さらに両親の院長夫妻が何者かに殺害されていた。政宗は、誘拐だけでなく殺人の容疑までかけられ、警察に追われることになってしまう。

ところが、記憶を一部取り戻した凛は、両親を殺した犯人が警察関係者である可能性を疑い、政宗とともに犯人探しを開始。結果として、誘拐犯と被害者という関係が、いつの間にか凛の両親の殺害犯を追うバディへと変化するのだ。そんな2人の前に、警察だけでなく凛を連れ去ろうとする正体不明の男たちも現れ、一層スリリングな展開に。回を重ねるごとに謎が深まり、SNSでは犯人探しの考察が白熱している。

従来にない誘拐をテーマとした本作だが、なかでも天才少女を演じる永尾の演技がすばらしい。
凛は記憶を失くしながらも多言語を操り、幅広い知識を持つ、ドラマの中では政宗をリードする立場。大人びたセリフが多く、まさに天才少女の雰囲気を体現している。主演の斎藤と同等にセリフ量が多いのだが、難しい単語をスラスラといとも簡単に発していく。しかも、“天才少女らしさ”を出すために、小生意気な表情やセリフの強弱も細かく使い分けている。多くのシーンを斎藤と永尾で演じているのだが、2人の高い表現力により、視聴者を飽きさせることがない。演技派として知られる斎藤と遜色ない永尾の演技が、『誘拐の日』を一層おもしろくしているのは間違いない。

永尾といえば、子役として多くの作品に出演し、2023年放送の『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)で見せた大人びた演技で大ブレイク。さらに、『ブラック・ジャック』(テレビ朝日系)ではヒロイン・ピノコを演じ、映画『ゴールデンカムイ』でも卓越した演技を披露し、天才子役の地位を確立した。『誘拐の日』でもその才能を余すところなく発揮し、作品を牽引している。

そんな永尾と同じく、『誘拐の日』をおもしろくしているのが“天才子役の先輩”である安達祐実だ。安達の役は、政宗の妻で凛の誘拐を計画した新庄汐里。この汐里は、3年前に政宗と娘を置いて失踪していたが、最近になって突如姿を現すという謎めいた人物だ。
第3話では自身がHIVに感染していると衝撃的な告白をするなど、登場人物のなかでもずば抜けて謎が多い。

汐里は普段、ファイナンシャルプランナーとして働く一見まじめなキャリアウーマンだが、夫である政宗を利用するようなところもあり、二面性のあるキャラクターとして描かれている。第3話では逃亡してきた2人を自宅にかくまうのだが、凛との間で女同士の嫌らしい探り合いを見せるなど、子どもじみた一面も見せる。そんな得体のしれない人物像を、安達はベテランらしい表情の機微で不気味に演じている。

今後もストーリーの鍵を握る人物として汐里の登場回数は増えていくと見られ、安達の演技もさらに冴えわたりそうな雰囲気だ。永尾とのからみも増えそうで、新旧の天才子役対決もドラマの見どころの一つになるだろう。

序盤ながら、すでに複数の伏線が張り巡らされ、謎が深まる『誘拐の日』。7月29日放送の第4話では、凛にまつわる驚愕の秘密が明かされ、さらなる盛り上がりを見せそう。2人の天才女優の名演とともに、物語がどんな結末を迎えるのか、今後の展開に注目したい。

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