「小さい事務所だったからこそ、ちゃんと力を入れてもらえた」。そうアイドル時代を振り返るかなでさん。
5年間のアイドル活動を経て、グラビアへの挑戦、そして現在のエンタメショーレストランへと新たなステージへと歩みを進めた。そこでは、彼女の代名詞とも言える「ボーイッシュ戦略」が花開くことになる。伝説のバースデーイベントの裏側、そして彼女が貫く「数字で示す」信念とは。知られざる努力と、ファンへの熱い思いに迫る。(前後編の後編)

【写真】人気エンターテイメントショークラブで活躍する、元アイドルでグラビアモデルのかなでさん撮り下ろしカット【13点】

――アイドルを卒業されたのはいつ頃ですか?

かなでさん 20歳くらいまでアイドルをやって、その後2年くらいは事務所に所属しつつ、撮影会に出たりグラビアをやったりしていました。

――グラビアはどんなきっかけで?

かなでさん 所属していた事務所が、グラビアもやっているところだったので、その流れですね。でも、全然推されてなくて、もう「やってられるか!」と思って辞めました(笑)。別に喧嘩したわけじゃないですけど、心の中ではそう思ってましたね。

――そこから現在のショーレストランに入られたんですね。

かなでさん 元々、バーレスク東京(現・ROKUSAN ANGEL)の存在は知っていて、私自身ダンスも好きだし、グラビアもやっていたし、「楽しそうじゃん!」って軽い気持ちで受けたら受かったんです。昔はAbemaTVとかでオーディション番組をやってたみたいで、当時は狭き門だったらしいので、入れてラッキーですよね!

――合格してからステージに立つまでは、どれくらい練習するのでしょうか。

かなでさん オーディション自体をステージでやるんですよ。
2、3曲覚えてステージに立たされて、パフォーマンスとか集客力とかを見られたのかな。受かったら「じゃあ次いつ出れる?」って感じで、即戦力として投入される感じです。オーディションのことは覚えてるんですけど、デビューのことはあんまり……。とにかくバタバタして1日が終わった印象ですね。

――お店の雰囲気はどんな感じですか?

かなでさん 女の子が多いし、中には10年くらいお店にいる「レジェンド」と呼ばれる先輩もいるので、ハキハキ喋って、楽屋でも先輩方の邪魔にならないようにしています(笑)。いじめられるとかはないですけど、ハキハキしてる子の方が可愛がられるので!

――かなでさんと言えば、ボーイッシュなスタイルが印象的ですよね。なにか戦略があるとか。

かなでさん お店に入った当初は、グラビアやってたこともあって、今より10kgくらい太ってたし、茶髪で巻き髪の、いわゆる「港区女子」みたいな、おじさんウケする見た目だったんです。でも、お店には巨乳で美女がたくさんいるから、「これじゃ勝てないな」と思って。

たまに男装もしていたんですけど、常連さんに「それすごくいいよ!」って評判が良くて。ちょうどその頃、ボーイッシュな雰囲気の先輩が卒業されたタイミングだったので、「あそこの枠、今誰もいない」と思ったので、バッサリ髪を切って、ボーイッシュ路線に切り替えました。

――それが功を奏したんですね。


かなでさん ボーイッシュな子が好きとか、痩せてる子が好きとか、そういうニッチな層に上手く刺さってくれたみたいでよかったです。これが戦略的ボーイッシュです(笑)。

――バースデーイベントでは、一晩で375人のお客さんが会いに来たとか。

かなでさん 全部合わせたら、それくらいのお客様が来てくださいましたね!こうやって応援したい夜思ってくださる方がたくさん来てくれて本当に嬉しかったです!

――どんなお祝いをされるんですか?

かなでさん 私はいわゆる太客がいるタイプじゃなくて、「おめでとう」って言ってくれる母数が多いのかなって思っています。応援の方法として「バルーン」っていうのがあって、ステージに上がって「おめでとう!パーン!」ってやるのがあるんですけど、それをみんな合わせて35発以上やってくれて。ほかにもいろんなお祝いをしてもらえてすっごく盛り上がりました!

――たくさんの人に愛されている証ですね。

かなでさん 本当にそう思います。みんなからの気持ちが積み重なってこの金額になったと思うと、言葉じゃ表せないくらい感謝の想いでいっぱいです。他のキャストの子にも「かなでさんちゃん、お客さん多くてすごいね」って言ってもらえたりして本当にありがたいです。

――その経験が、さらに頑張る理由になった?

かなでさん そうですね。集客もそうですけど、チップの額などの数字で結果を出せるのは自信になります。あまり運営に推されてないって自分で思ってるんで(笑)。
だから、数字で「私、これだけできますけど!」って示したい。

――具体的には?

かなでさん バースデーイベントなどでお客さんがたくさん来てくれる、チップをたくさんいただくことで、「これだけのファンがいるんだぞ」っていうのを示したいですよね。それが自信にも繋がるし、運営へのアピールにもなると思っています。

――なるほど。かなでさんなりの戦い方なんですね。

かなでさん イベントとかでも、みんなが可愛い格好してたら、私は学ラン着たり執事の格好したり、逆張りするんですよね。運営には「ダメだよ」って言われるんですけど、「すみませーん」って言いながらそれがお客さんに刺さるのもわかってるんで次もやっちゃう…。結構反抗的なんです(笑)。そういうところが良くないのかもしれないですけどね(笑)。

――芯があってかっこいいと思います。今後の目標はありますか?

かなでさん バースデーイベントの集客記録を更新していきたいですね。375人って、自分でもびっくりするくらいの数字だったんですけど、可能なら毎年超えていきたい。
たくさんの人に長く応援してもらえるように頑張りたいです。今応援してくれてるお客さんも、いなくならないでほしいですよね。

――10年後はどんな風になっていたいですか?

かなでさん まだ踊ってるかな?34歳か……体が心配ですね(笑)。健康第一で、元気に踊っていたいです。若者に負けずに、その頃には「学ラン着て何が悪いのよ!」って言い張ってるかもしれないです(笑)。

▽かなで
静岡県出身、2001年3月7日生まれ。4歳でダンスを始め、地下アイドルやグラビアを経て、現在はROKUSAN ANGELでショーダンサーとして活躍。一晩で350万円を売り上げた実績を誇り、反骨心と戦略で支持を集める“逆襲型エンターテイナー”。父の不倫など波乱の過去も笑いに変え、努力と結果を数字で示しながら、逆境すら味方に変えてゆく。

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