グラビア、女優、モデルとマルチに活動する桑田彩。社長令嬢として裕福な幼少期を過ごしていたが、父の会社の倒産を機に、電気が止まるほどの極貧生活に転落する。
家計を支えるために13歳で芸能界に飛び込み、15歳でグラビアデビューも果たした。初めて経験する芸能の現場であったが、そこは彼女にとって「逃げ場所、自信をくれる場所だった」と明かしてくれた。そう話す理由は――(前後編の後編)。

【写真】芸能デビュー15周年を迎えた桑田彩の撮り下ろしカット【11点】

――初めてのお仕事は覚えていますか?

桑田 覚えています。所属していた事務所の社長が作家さんで、その方が書いた小説が映画化されることになって、その映画に出演させてもらったのが最初です。『アサシン』っていう作品で、高橋ジョージさんの娘役でした。

――いきなり映画で、しかも大物俳優の娘役!

桑田 めちゃくちゃ緊張しました(笑)。現場でジョージさんに「顔小さいね」って言ってもらったのが、すごく印象に残っています。撮影は仙台だったんですけど、待ち時間がすごく長くて、「待つのも女優の仕事なんだ」って学んだのを覚えていますね。

――そして15歳でグラビアにも挑戦されます。きっかけは何だったんですか?

桑田 「撮影会に出てみないか」というお誘いがきっかけでした。その撮影会では、ファン投票1位に選ばれたらイメージDVDが出せるっていう企画があって、それに参加したらなんと1位を獲ることができたんです。
そのDVDを出すために水着になったのが始まりですね。

――水着になることに抵抗はありませんでしたか?

桑田 母からは心配されましたが、私自身はそこまで抵抗はなかったです。ただ、身体がすごく硬かったので、ポージングが本当に大変でした。今はできるポーズも当時は全然できなくて、撮影の次の日はいつも筋肉痛でしたね。

――2024年にはアイドルグループ・Lillips(リリップス)に加入されます。これはどういった経緯で?

桑田 今の事務所がアイドルを募集していて。私はキャラじゃないから違うだろうなと思っていたんですけど、事務所に行った時に「やってみない?」って誘われたんです。正直「え、私ですか?」って思ったんですけど、「経験としてやってみるのもいいんじゃない?」って言われて。歌うことはもともと好きだったので、挑戦してみようかなと。

――実際にやってみて、いかがでしたか?

桑田 それが、本当にやって良かったんです。実は、いじめられていた経験から、ずっと女性に対して苦手意識があったんですよ。トラウマみたいな感じで。
でも、そのグループのメンバーがみんな本当にいい子たちで。女の子特有のネチネチした感じが苦手っていう子たちの集まりだったので、すごく過ごしやすかった。解散した今でも一緒にご飯に行くぐらい仲良しで、おかげで女性への苦手意識を克服できたんです。これは私にとって、すごく大きなことでした。

――そして、今年、7月24日に初の写真集を発売されました。

桑田 目標の1つでした。去年「写真集を出したいです」と言ってましたが、まさかこんなに早く達成できるとは思っていなくて。最初は「デジタル写真集かな?」と思ったんですけど、紙の本だと聞いて「ええっ!?」って。やっと実感が湧いてきているところです。

――撮影は沖縄で行われたそうですが、印象に残っている思い出はありますか?

桑田 実は、沖縄に飛ぶ前日に、肋骨を折っちゃったんです。持病で喘息を持っているんですけど、撮影の2ヶ月前ぐらいから、吐きそうになるぐらい咳が止まらない状態が続いていたんです。それで、沖縄に飛ぶ前日に咳をしたらピキッて音がして。
「これはヒビ入ったな」と思いましたが、痛みを我慢したまま沖縄に行きました。

――まさかそんな状態で撮影をしていたとは……。

桑田 起き上がるのも痛くて。ポージングも本当に大変でしたけど、もう気力で乗り切りました。「よくやった!」と、あの日の自分を褒めてあげたいです。帰ってきてからレントゲンを撮ったら、お医者さんに「折れていますね」ってあっさり言われました(笑)。

――本当にお疲れさまでした。改めて、デビューから15年。振り返ってみて、どんな思いがありますか?

桑田 貧乏だった時代からずっと毎日がむしゃらに、目の前のことに一生懸命生きてきたので、今こうして「15周年ですね」と言われて、初めて「あ、私ってもうそんなに経ったんだ。節目の年に写真集を出せたんだ」って、ハッとした感じです。なんだか、ジーンとしてきちゃいました。

――写真集という目標を叶えましたが、次の目標はありますか?

桑田 やっぱり、もう一度お芝居の世界に戻ってみたいという気持ちが強いです。
ドラマでも映画でも、何か映像のお仕事がしたいです。昔は、顔の作りのせいかいじめっ子系の役が多かったので、これからは「病気だけど前向きに生きる」といったような、どこか芯のあるポジティブな役に挑戦したいと思っています。

▽桑田彩
1997年1月15日生まれ、群馬県出身。13歳で芸能界入りし、「極貧アイドル」として注目を集める。2013年にイメージDVD『ピュア・スマイル』でグラビアデビューを果たし、以降、バラエティ番組や雑誌グラビアを中心に活動。2024年からはアイドルグループ「Lillips」のメンバーとしても活動を開始。2025年7月24日には、自身初となる写真集『お初だよ。』を発売した。

【前編】グラビアアイドル・桑田彩、社長令嬢から一転 極貧生活へ「缶ジュース代を稼ぐために芸能界へ」
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