得意の大食いを武器にテレビ番組でも人気を博し、デジタル写真集をリリースすれば大反響と、さまざまなフィールドで大活躍中の上原わかな。そんな彼女がプロレスのリングでもビッグなチャンスを掴もうとしている。
9月20日、大田区総合体育館で開催される東京女子プロレス・秋のビッグマッチ『WRESTLE PRINCESS Ⅵ』において、タッグ王座への挑戦が決まったのだ。順風満帆に見えて、じつは悩むことも多かったという彼女だが、最強のタッグパートナーとの出逢いでプロレス人生が大きく変化しはじめている。

【写真】タッグ王座への挑戦が決まった上原わかなと、パートナーの上福ゆき【3点】

「自分で言うのもおかしいかも知れないですけど、私って“お利口ちゃん”みたいなところがあって。それがリングでも出ちゃっていたみたいですね……」

 端正なルックスと抜群のスタイルでデビュー当初から注目を集めてきた上原わかな。しかし、なかなか突き抜けることができないでいた。その理由について本人が考察したのが冒頭のコメントである。

「お利口ちゃんというか、いい子ちゃんというか。プロレスラーなのに、私、争いごとが苦手なんですよ(苦笑)。なにか揉め事になりそうだな、と感じたら、それを回避するような生き方をずっとしてきたので。なにかあっても私が、私が、と主張するよりも、まずは遠慮してしまう。自分では意識していなかったんですけど、それが試合でも出ちゃっていたのかなって。遠慮じゃないですけど、リングで自分を出し切れていなかったのかも」

 一歩間違えたら、長いスランプに突入してしまいそうな事象だが、彼女にとっての救世主が降臨する。
現在『Ober Eats」(オーバーイーツ)というタッグチームを結成している先輩レスラーの上福ゆき、だ。

「私はプロレスのことをよくわからないまま、この世界に入ってきたので、最初のころ、選手のみなさんのSNSをチェックして勉強していたんですけど、そこで『面白い!』って気になったのが上福さん。言葉は厳しかったり、強かったりするんですけど、その裏には愛があるのがすごく伝わってきたので、私にとっての“推し”になりました。
 それからずっと会社に『上福さんとタッグを組みたい!』ってアピールしてきたんですよ、私(笑)。それがようやく実現したんですけど、組ませていただいたら、私のプロレス人生が変わりました! 試合もそうなんですけど、いろいろと相談にも乗っていただいて。これもプロレスラーになる前からの私の性格なんですけど、なにかあっても周りの人たちに相談とかできなくて、自分ひとりで抱えちゃうタイプだったんですね。上福さんはそんな私の性格も見抜いてくださって『なにか言いたいんでしょ? 聞くよ!』って。本当に救われました」

 先輩に相談することで、プロレスラーとしてダメな部分がたくさん見えてきた。

「私、不器用なところがあるんですよね。それに加えて緊張しいなので、試合でも大事なところでテンパったりする。でも、上福さんと組んで試合をしていると安心して闘えるんですよ。おかげで試合でも結果が残せるようになったし、ちょっとずつ自信がついてきました。
ひとりで闘っていたら勝てなかった試合もたくさんあったし、本当に上福さんと組めてよかったなって」

 そのタイミングでもうひとつ大きな変化があった。上福も参加した昨年11月のアメリカ遠征だ。

「アメリカでの試合はすごく勉強になりましたね。お客さんの反応もまったく違うので、試合をしながら『あぁ、こういうところで沸くんだ!』ってびっくりしたり。いままでずっと日本でプロレスをやってきたので、すべてが新鮮で刺激的でした。とにかく自分を大きく見せようと、リングでの立ち方も変わりました。時間もたくさんあったので、上福さんにいろいろと相談を聞いてもらえたし(笑)」

 そんな自信をさらなる「確信」に変えるため、上原わかなは9月20日、大田区総合体育館でタッグ王座に挑戦する。パートナーはもちろん上福ゆき。そして迎え撃つチャンピオンは中島翔子&ハイパーミサヲの『享楽共鳴』。このチャンピオンチームも、上原にとっては大きな運命が絡んでいた。

「私がプロレスをやろうと決めたのは、中島翔子さんの試合を見たことがきっかけなんですよ(2022年3月19日、両国国技館)。山下実優さんのプリンセス・オブ・プリンセス王座に挑戦した試合だったんですけど、やられてもやられても立ち上がって、最後にはチャンピオンになった中島さんの姿に感動しちゃって! 私の人生を変えてくれた憧れの存在と今回、タッグのベルトを賭けてタイトルマッチができるのは、本当に感無量です。
私が感動した『あの日の中島さん』になれたら、最高ですよね」

 推しと組んで、憧れの存在と闘う究極の「推し活」。そこにもうひとつのドラマが加わってしまった。9月7日に北沢でおこなわれた前哨戦でハイパーミサヲの打撃技を受けた上原が前歯を負傷するアクシデントが発生。上原は9.13福島大会を欠場することになってしまった。そこに遺恨が生まれるような話ではないが、見る側はどうしても意識する。究極の推し活にピリッとした「現実」が加わったことで、このタイトルマッチは一層、興味深いものとなった。

 過去に2回、挑戦経験のある上原だが、まだプロレスラーになってベルトを巻いたことはない。

「いつもセコンドについていて、毎日のようにチャンピオンベルトを運んではいるんですけどね(笑)。もし、ベルトを獲ることができたら、次の番組収録のときに持っていって曽根さんにベルトを見せて『チャンピオンになれました!』って報告したいですね。曽根さんとは私がプロレスラーになる前から番組でご一緒させていただいているんですけど、ベルトを取りましたという報告だけができていないので……」

 彼女がいう「曽根さん」とは大食いで有名なギャル曽根のこと。『有吉ゼミ』(日本テレビ系)の大食い企画でもう20回近く共演しており、たしかにチャンピオンベルトを見せることができたら、これ以上ない恩返しにもなる。もっといえば、視聴者に対しても最高のアピールとなることは必至。
いまでも大食いバトルの最中にワイプでプロレスの映像が流れることは多々あるが、チャンピオンという響きは普段、プロレスを見ない一般層に対して、最強のパワーワードとなる。推し活の先にある壮大な夢……上原わかなをすべてを叶えることができるのか?

▽上原わかな(うえはら・わかな)
1996年5月13日生まれ、神奈川県出身。CanCamのモデルオーディション出演から芸能活動をスタート。大学在学中はアイドルとして活動。卒業後はバラエティやグラビアにも出演。2022年にプロレスオーディション番組「夢プロレス」で総合1位となり、プロジェクト終了後も東京女子プロレスにてデビュー。

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