3人組テクノポップユニット「Perfume」がデビュー20周年記念日を迎えた9月21日、公式サイトなどで年内をもってコールドスリープ(活動休止)に入ることを発表した。結成から四半世紀近く走り続けてきた3人が、初めて大きな区切りを自ら選んだニュースは、ファンや業界に衝撃を与えている。


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あ~ちゃん、かしゆか、のっちは公式サイトで「自分たちが胸を張って“輝いている”と思えるこの瞬間を刻むため、私たちは2026年からPerfumeを一度コールドスリープします」と報告し、「どんな形になっても3人でいれば一生Perfume。より良くかっこいいPerfumeでまた新しい挑戦へ進むため、1つの区切りを持つことになりました」と説明。結婚や妊娠といったプライベートな理由ではなく、活動休止後も現事務所に所属し、ソロ活動は未定とした。休止期間は決まっていないものの、「“新しいPerfume”になるため、それぞれがパワーアップしてカムバックしたい」と将来的な活動再開を約束。22日からの東京ドーム公演が活動休止前最後のステージになる見込みだ。

NHK紅白に16年連続で出場するなど、トップアーティストとして輝き続けたPerfumeだが、実は下積み時代も長かった。

「1999年、同年開校したアクターズスクール広島の第1期生としてレッスンを重ねながら活動をスタート。当初は地元広島を中心に活動するローカルアイドルで、『観客が2人しかいないこともあった』と述懐しています。上京後もショッピングセンターや秋葉原の路上などで地道にライブを続けていました」(音楽ライター)

2005年のメジャーデビュー後もすぐにはブレイクせず、じわじわとファンや関係者の心をつかんでいった。転機は2007年。シングル「チョコレイト・ディスコ」や「ポリリズム」のヒットで注目され、翌08年にNHK紅白歌合戦に初出場。その後はアルバム「GAME」のオリコン1位獲得、初の全国ツアー、東京ドーム公演、海外ツアー、コーチェラやPrimavera Soundなど世界的フェスへの出演と、テクノポップの枠を超えた活躍を見せた。


そんななか、ファンの間でよく話題になるのが「Perfumeの分岐点」をめぐる議論だ。「どの瞬間が彼女たちを唯一無二の存在にしたのか」という問いだが、これには「あ~ちゃんがかしゆかに『よろしく』と握手した瞬間」「のっちに『Perfume入らない?』と声をかけた瞬間」「アクターズスクール広島でアミューズのスカウト担当に見いだされた瞬間」「当時担当だったマネージャーが中田ヤスタカに楽曲プロデュースを依頼した瞬間」といったさまざまな意見が上がる。

前出の音楽ライターが言う。

「いずれも彼女たちにとって大きな出来事だったに違いありませんが、やはり中田ヤスタカにプロデュースを依頼した決断こそが“運命”を感じる分岐点だったのではないでしょうか。事務所が当初描いていたアイドルとしての道ではなく、前人未到の領域へ踏み込んだ第一歩。そこで初めて、世界的な演出振付師・MIKIKO、サウンドクリエーターの中田、そして表現者としての3人が揃い、それぞれの力が重なって“PerfumeはPerfume、それ以外の表現はできない”と評される化学反応を生み出した。もちろん、音楽性だけでなく、ステージ上ではデジタル技術を駆使したミステリアスな世界観で観客を魅了しつつ、メディアに登場する際には広島弁で場の空気を和ませるという人間性もファンに支持され続けた大きな理由だと思います」

過去の分岐点を語り合いながら、ファンはコールドスリープから目覚めた彼女たちが再び“音楽界の奇跡”と呼ばれる日を待ち望むことになりそうだ。

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