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物語は1984年の渋谷を舞台に、何者でもない若者たちの苦悩や挫折、そして恋模様を描く青春群像劇。
「三谷氏が民放ゴールデン・プライム帯の連続ドラマを手がけるのは2000年の『合い言葉は勇気』(フジテレビ系)以来、実に25年ぶり。そのため、今期ナンバーワン注目作との呼び声も高い」(テレビ誌記者)
そんな三谷氏といえば、遅筆で有名。かつては舞台の初日に台本が間に合わず延期したことも。また、2013年の『大空港2013』では主演の竹内結子が「俳優を代表して言わせてください。台本は早くください!」と苦言を呈した逸話もある。他にも、2016年の大河ドラマ『真田丸』では、主演の堺雅人が「脚本が遅れてスタッフを次の作品に奪われた」と苦笑。脚本家・中園ミホが「私は日本で2番目に遅いと思うが、トップにはなれない。三谷さんには負けた」とラジオで語ったこともある。
「半自伝ですから今回はもう少し筆も早くなるのかと思ったのですが、案の定『もしもこの世が舞台なら』も脚本がまったく進んでおらず、現場は頭を抱えています。もっとも、こうなることはフジも事前に予測していたはず。人気脚本家とはいえ、三谷氏の手掛けたドラマがこれまで全てヒットしたのかといえば、そうでもなく、むしろ大当たりもあれば大外れもある。
フジテレビといえば、シリーズ累計興行収入500億円を突破した『踊る大捜査線』の最新作『踊る大捜査線 N.E.W.』が2026年公開予定であることが発表され、9月には1991年に最高視聴率36.7%を記録し、「僕は死にません!」の名セリフで社会現象となった『101回目のプロポーズ』の続編『102回目のプロポーズ』の放送決定も明らかになった。かつてのヒット作を再び動かし、視聴者の記憶を呼び覚ますとともに、若年層にも新鮮なコンテンツとして届けようという試みだ。視聴率低迷が続くフジテレビにとって、この戦略は背水の陣とも言える。
「フジが遅筆を承知で三谷氏のドラマに執心しているのは、代表作である『古畑任三郎』のリメイクを狙っているから。1994年から2006年にかけて田村正和主演で放送された同作は、再放送されるたびに高視聴率を連発する名作中の名作。これまでリメイク版の話が浮上するたびに多くの俳優の名前が取りざたされてきましたが、とりわけ期待値が高いのが木村拓哉です。過去には『SMAP×SMAP』で古畑のパロディを演じ、その完成度が話題を呼びました。もし木村主演で復活となれば、フジの長年の課題であったドラマブランド復活や、中居正広問題で離れたスポンサーを取り戻す起爆剤にもなりえます」(前出・テレビ関係者)
最新作のヒットが、名作復活の“撒き餌”となるだろうか。
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