「賞が取れなければ、グラビアはやめなさい」――父親との約束を胸に挑んだ「ミスマガジン2023」で、審査員特別賞を見事受賞した加藤綾乃。前編では、人見知りの少女が夢を掴むまでの軌跡を追った。
後編では、受賞後に訪れた新たな挑戦、ストイックなプロ意識と“ポンコツ”な素顔というギャップ、そして彼女が見据える大きな夢に迫る。(前後編の後編)

【写真】元『いないいないばぁ』子役の加藤綾乃撮り下ろしカット【16点】

――人見知りだった加藤さんが人前でビキニを着るなんて思わなかったんじゃないですか?

加藤 本当にびっくりですよね。グラビアでビキニを着たとき、「え、こんなに面積ちっちゃいの!?」と驚きました。でもスタイリストさんに綺麗に着せてもらうと「思ってたより似合うんじゃない?」と思えたんですよね。それから「もっといろんな水着を着た自分を見てみたい」って思いました。

「ミスマガジン」から半年後に初めての演技の仕事がいただけたんです。しかも、いきなりの主演……。

――初めての演技で主演!すごいですね。

加藤 自分としては、主演をするにしても、徐々にステップアップして主演まで登り詰めていくんだろうなと思っていたので。まさか最初からなんて。戸惑いとプレッシャーがすごかったですし、自信をなくす時もたくさんありました。

――どうやって乗り越えたんですか?

加藤 その舞台の座組の皆さんが本当にいい人で、すごく支えてくれたんです。
おかげで自信を持ってやりきることができました。でも、初日は本当に緊張しすぎてガチガチで(笑)。演出家の方に「もっとほぐしてけ!」って言われて、はっとしましたね。

――緊張をほぐすためのルーティンなどはありますか?

加藤 小学生の頃からやっているおまじないがあって。普通は手のひらに「人」って3回書いて飲み込むじゃないですか。私は犬が好きなので、「犬」って3回書いて飲み込むんです。

――犬ですか(笑)。

加藤 なんか「人」の字もちょっと入ってるし、画数も多いから効果あるんじゃないかなって。実は今でも本番直前にこっそりやってます。

――そして、自身のYouTubeチャンネルではヨガの動画を配信されていますよね。

加藤 あれにはいくつか目的があって。一つは、ヨガの動きの本質、つまり「なぜこの動きをするのか」「どこに効くのか」をちゃんと理解して、自分の言葉で説明する練習です。
これって、セリフの本質を理解して話す演技にも繋がることだと思うんです。もう一つは、グラビアもやっているので、常に体を引き締めておこう、みんなに観ていてもらおうという意識づけのためです。

――すごい。まさに一石二鳥、三鳥ですね。

加藤 今の事務所の方が色々とアドバイスをくださるおかげで、自分が何をすべきかが明確になってきました。今、すごく自信を持って努力できている気がします。

――そんな加藤さんは、周りからはどんな人だと言われますか?

加藤 同級生とか年下の子からも「妹みたいだね」「ペットみたいだね」って。ポンコツともよく言われますね(笑)。

――最近のポンコツエピソードがあれば教えてください。

加藤 最近、大学の夏休みが明けて後期の授業が始まったんですけど、教室の場所が変わっているのを忘れていて。いつもの教室だと思って入ったら真っ暗で、「あ、違う!」って(笑)。慌てて友達に連絡して場所を聞きました。


――現在、大学1年生として学業と芸能活動を両立しているということですが、学校の友人の反応はいかがですか?

加藤 今、仲のいい友達が一人だけいるんですけど、その子に言えてなくて。初めてあった頃、「もしかしてアイドルしてますか?」って話しかけられたんですけど、「してないです」って答えちゃって(笑)。バイトの話になっても「なんでしてないの?バイトしないならアイドルやってよ」ってずっと言われ続けてて、まだ気づいてないんだと思います。

高校の時も、言ってなくて。クラスメイトは雑誌を見て気づいてはいたみたいなんですけど、2人きりの時に「応援してるよ」ってこっそり伝えてくれましたね。芸能活動をしていることで、周りの友達の態度が変わっちゃうのが嫌で言えないんですよね……。

――いつか打ち明ける予定は?

加藤 舞台とかでどうしても大学を休まないといけない日があるので、申し訳ないなという気持ちはずっとあって……。いつか言った方がお互い楽になれるのかなとは思うんですけどね……(笑)。

――目標にしている俳優さんはいらっしゃいますか?

加藤 大原優乃さんです。ファンの方から「似てる」って言ってもらえることもあるんですけど、大原さんはグラビアでも女優業でもモデルとしても、幅広く活躍されていて。私も大原さんみたいに、いろんなジャンルで頑張って、みんなに名前を知ってもらえるようになりたい。いつか共演するのが夢なんです。


――では、今後の具体的な目標を教えてください。

加藤 まずは、まだ出たことのないミュージックビデオに出てみたいです。グラビアでは雑誌の表紙を飾ることと、写真集を出すのがずっと目標ですね。演技では、地上波のテレビドラマや映画にも挑戦したいです。

……すっごくでっかく語ると、アカデミー賞を取ってみたいです。そして、「加藤綾乃」という名前が、誰に聞いても「知ってるよ」って言ってもらえるくらいの存在になりたいです。

▽加藤綾乃
東京都出身、2006年8月31日生まれの19歳。赤ちゃんモデルとして芸能界に入り、キッズモデルを経てグラビアアイドルとして活躍中。2023年には「ミスマガジン2023」審査員特別賞を受賞。愛らしい容姿からは想像できない特技のハイキックと、華道やゴルフを嗜む意外なギャップでファンを魅了している。好きな食べ物は二郎系ラーメン。「麺少なめ、野菜少し多め、ニンニク普通、油マシマシ」でのオーダーが好み。


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